バンジョーやマンドリンなどの弦楽器で奏でられたアメリカンな素材集

BIG FISH AUDIOquirky GUITAR VOL.2
本ライブラリーは、多彩な弦楽器でプレイされた12種類のデモ曲とそのパラ素材を収録。各デモ曲はカントリーやブルーグラス、フォーク、ロックを感じさせるアメリカンな作風で、アコギやバンジョー、マンドリン、そしてエレキベースなどをメインにしたアンサンブルとなっている。素材はWAVやAcidized WAV、AIFF、REX2、そしてApple Loopsなどのフォーマットで収録されているほか、NATIVE INSTRUMENTS Kontakt 4で扱えるパッチとしても用意されている。

実際に聴いてみて個人的に気に入ったのは、バンジョーやマンドリンの演奏。アコギまでは普通のプレイヤーでも演奏できるが、こういったある意味特殊な弦楽器に関しては、楽器自体が入手しにくい上、演奏をマスターしたり録音するのも大変なので、さまざまなフレーズ・バリエーションがそろっているのは便利なのだ。特にストロークで演奏されるフレーズはどうしても打ち込みでは再現しづらいため、重宝するだろう。デモ曲には大抵ストロークによるフレーズが含まれているので、自身の楽曲とキーやテンポが近いものを探せば、簡単に取り入れることができそうだ。バンジョーやマンドリンとは逆に、ひずんだギターやベース、オルゴール風の音はあまり使い道が無いような気がした。このライブラリーを必要とする人の目的にマッチしないように思えたからだ。


本ライブラリーは、正当派のフォークやブルーグラスを作りたい人より、あくまでエッセンスとしてポップスにアメリカン・テイストを加えたい人に向くと思う。タイトルに含まれている"quirky"という単語には"一種独特"や"奇妙な"といった意味があるが、収録素材からもどことなくスタンダードなアメリカン・クラシックとは異なる、一風変わった印象を受ける。カントリーやフォークとは全く関係の無い音楽と組み合わせた方が面白いかもしれない。


サウンド&レコーディング・マガジン 2012年10月号より)


BIG FISH AUDIO
quirky GUITAR VOL.2
5,775円(為替レートによる価格の変動あり。表記の価格は2012年9月4日現在のもの)
●ダウンロード販売●容量:約3.98GB●DATA FORMAT:AIFF、WAV、Apple Loops、REX2、Kontakt4、Acidized-WAV