iOS機器にも直接接続できる小型USBコンデンサー・マイクロフォン

APOGEEMic
 APOGEEと言えばハイエンドな製品で知られるメーカーですが、最近はDuet 2やOneなどコンパクトなオーディオ・インターフェースや、APPLE製品と親和性が高いギター・インターフェースGioのようなユニークな製品もリリースし話題を集めています。そんなAPOGEEからの新製品MicはUSB接続のコンデンサー・マイク。付属のDockケーブルを使えばiPhoneやiPadでも即座に使用できる魅力的な製品です。

LEDが5色に変化し
入力レベルなどを確認可能


まず簡単にスペックなどを個条書きしてみます。①ボーカルやギターなどに適した単一指向性の軽量&コンパクトなコンデンサー・マイク②iPad/iPhoneのDock端子やMacのUSB端子にケーブル一本でコネクトでき、電源も供給③本体正面のマルチLEDで接続状態や入力レベルを確認可能④最大40dBのマイクプリを内蔵し、本体のコントロール・ノブで入力レベルを調整可能⑤24ビット/44.1/48kHzのADコンバーターを搭載し、信号をマイク内でデジタル化し伝送実物は想像よりひと回り小さいサイズでしたが手に取るとアルミダイキャスト製のボディはしっかりした作りで、小さいながらもずっしりとした手応えには道具としての信頼感があります。セットアップは本当に手間要らずで、iPad/iPhone/Macすべてにおいて、接続すると即座にオーディオ・デバイスとして認識され、使用できます。感心したのが正面の小さなLED。5つの色でステータスや入力レベルが視認でき、歌ったり演奏しながら本体のノブで入力レベルを設定可能です。

はっきりした輪郭を感じさせる
APOGEEらしい華やかな音


気になる音質ですが、まずAPPLE MacBook Proに接続してLogic Pro 9で録音してみました。ボーカル、アコギ、タンバリンなどをソースにチェックしてみましたが、サウンド・キャラクターを一言でいうならば"明るい音"。はっきりとした輪郭を感じさせるAPOGEEらしい華やかさのある音で、最短距離でADコンバートされる効果が現われているように感じます。価格を考慮すると個人的にはとても満足できるクオリティ。Logicで使用して発見したのですが、卓上スタンドで手元にセットしておき、思い付いたフレーズをメモ代わりにすぐ録音できるのは、とても便利でした。iPhone/iPadとのコンビネーションはさらに強力で、本体内蔵マイクとは次元の違うクオリティで録音できます。基本的にMFi(Made for iPhone/iPad)に対応しているアプリなら動作OKということですが、その中でもやはりマッチングが良いのはAPPLE GarageBand。場所を選ばず本格的なレコーディングを可能にするiPhone/iPadとMicのセットは、"思いつくまま気軽に作る"というGarageBandのポテンシャルをさらに引き出すように感じました。本体のアナログ入力を使用するマイクと比較してレイテンシーが飛躍的に小さくなったことも、演奏のしやすさ/表現力の向上に影響すると思います。なおチェックの際、付属Dockケーブルの短さ(50cm)が少々気になりました。そんな方はオプションの3mケーブルを導入するといいでしょう。

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今後USBマイクは手軽さというメリットだけでなく、音質的にも魅力のある製品が多数登場しそうな予感がします。iOS機器とのコンビネーションによる機動力の高い録音環境は、どうしても場所に縛られがちなDAWに好きな場所で録音できる楽しさを与えてくれます。Micは、そんな新しい可能性を感じさせてくれる製品と言えます。 1600-MiC_detail4.jpg ▲iOS機器とはDock端子を介して接続するサウンド&レコーディング・マガジン 2012年7月号より)
APOGEE
Mic
19,900円
●AD変換/24ビット、44.1/48kHz ●外形寸法/38.6(φ)×115.8(H)mm ●重量/194g(実測値)

▪iOS/iPhone 4/iPhone 4S/iPad/iPad 2、iO S4.3以上、GarageBandなどのMFi対応アプリ ▪Mac/Mac OS X 10.6.4以上、USB2.0端子、LogicなどのCore Audio対応アプリケーションiOS/iPhone 4/iPhone 4S/iPad/iPad 2、iOS4.3以上、GarageBandなどのMFi対応アプリ ▪Mac/Mac OS X 10.6.4以上、USB2.0端子、LogicなどのCore Audio対応アプリケーション