ネット生放送から楽器練習まで対応する簡単操作のオーディオI/O

TASCAMUS-125M
TASCAMより簡単操作で多機能なミキサー兼USBオーディオI/O、US-125Mが新登場! 音楽制作としての用途はもちろん、インターネット生放送や楽器練習などにも対応するモデルということで、個人的にも気になるデバイスです。早速その全貌を探っていきましょう!

マイク入力は3種類の端子を装備
各入力ソースを独立したレベルで調節


まずは見た目から。程よいサイズ感で、高級感漂う堅牢なアルミ筐体を採用しています。見た目にも重厚感がある本機ですが、実際に手に取ってみると驚異的な軽さ! ノート・パソコンとオーディオI/Oをバックパックに詰め込んで、頻繁に出歩くようなモバイル・ユーザーにはもってこいでしょう。かく言う筆者もこれを使えば肩コリが軽減しそうでうれしい限りです。
本機はMac/Windowsに対応し、WindowsではWDM、MacではCore Audioドライバーで動作するため、ドライバー関係のセットアップは不要。購入後すぐに使用できます。初めてオーディオI/Oを使うユーザーはもちろん、出先で友人のパソコンを使うような場合でも安心です。このように本機のお手軽さを象徴する、イージーなセットアップも何気にポイントです。
オーディオI/Oとして使用する際はバス・パワー駆動でアダプターが不要なのはもちろんのこと、オプションのACアダプターを使用すれば、本機を3系統の入力をまとめるスタンドアローン・ミキサーとして活用できる点も見逃せません。ライブのときに本機をミキサーとして導入したり、カフェなどの限られたスペースでの簡易PAミキサーとして使ったりと、パソコン無しでもいろんな用途が考えられます。それでは次に入出力系統を見ていきましょう。まずリア・パネルには、マイク入力(XLRおよびフォーン)、ハイインピーダンス対応インスト入力(フォーン)、ステレオ・ライン入力(RCAピン)、ステレオ・ライン出力(RCAピン)、USB端子を備えます。フロント・パネルはヘッドフォン出力(ステレオ・ミニ)、マイク入力(モノラル・ミニ)という構成。リア・パネルと合わせるとマイク入力端子は計3種類の入力端子を装備(1系統のみ入力可能)するため、さまざまなタイプのマイクに対応できます。このスペックからも本機がネット放送などに比重を置いた製品であることが伺えますね。また、フロント・パネルにはミキサー機能をコントロールする5つのノブを搭載。左からMIC、INST、LINE、COMPUTER、OUTPUTのレベル調整が可能で、それぞれの入力ソースを独立したレベルでコントロールできます。パソコンを操作しないで、ノブを使った直感的なコントロールが行えるのはうれしいですね。

過大入力を防ぐLIMITER機能
多彩な状況で使えるLOOP MIX


それでは実際に本機をパソコンを接続し、テストしてみましょう。前述の通り本機はドライバー不要。USBケーブルを接続するだけで認識してくれました。次にマイクの入力に関してですが、信号が入力されると、フロント・パネルのSIGインジケーターが光り、過大入力時はオーバーレベルを知らせるOLインジケーターが点灯するので、簡単に適正レベルを調整できます。レベルをコントロールするツマミも程よい重さがあり、好感触でした。さらにマイクの過大入力を自動的にリミッティングして音割れを防ぐ、LIMITER機能も搭載しています。これはボーカルやアコースティック・ギターなど、比較的音量が安定しない楽器の演奏や録音に重宝します。またネット生放送などでありがちな"静かなトークが進行している最中に、突然の爆笑で過大入力を起こし、聴き苦しい音割れを起こす"というトラブルも解消できるでしょう。リミッティング具合もスムーズで自然な感じにピークを抑えてくれます。LIMITERスイッチはON/OFF切り替え可能なので、状況に応じて使い分けられるのもうれしいですね。肝心の入力ソースの音質ですが、老舗メーカーのTASCAMなだけあり、こちらも好印象でした。サンプリング・レートは最大で16ビット/48kHzで、アコースティック・ギターでチェックすると、クリアで芯のあるサウンドを得ることができました。最後に本機の目玉機能であるLOOP MIXを使ってみましょう。LOOP MIXとは、本機に接続した入力ソースとパソコン側の出力を、独立したレベルで再びパソコンへ戻せるというもの。文字で書くと微妙に感動が薄くなりますが、例えばネットの生放送中に、パソコン内で鳴らしているBGMをバックにトークしたり歌ったり、ギターやシンセの生演奏などをすべて本機のみでミックスして、再びパソコンに戻して配信!という作業も簡単に実現できます。もちろんパソコンからのサウンドも独立したレベル・コントロールが可能で、COMPUTERノブで調整できます。上記用途以外にもパソコンから出力したオケをバックにしたギター練習も実用的ですし、それをDAWに録音して聴き直すのも勉強になりますね。もちろん普通にオーディオI/Oとしても十分機能するので、ユーザーを問わない幅広い使い方が期待できるでしょう。最後に総評ですが、やはりLOOP MIX機能をいろいろな用途で試してみたくなりました。生放送用のオーディオ・インターフェースを探している方には胸を張ってお薦めできますし、筆者は本機とWebカメラを使って"インターネット・ギター生教室"でも開こうかと思ったり......。とにかく使い手を選ばない手軽さが本機の魅力なので、カジュアルに使って楽しんでほしいですね。 201201_US-125M_rear.jpg▲リア・パネルの接続端子は左からマイク入力×2(XLR、フォーン)、LOOP MIXスイッチ、インスト入力(フォーン)、ライン入力(RCAピン)、ライン出力(RCAピン)、USB
TASCAM
US-125M
オープン・プライス (市場予想価格/13,000円前後)
▪アナログ入力/マイク・イン×3(XLR、フォーン、モノラル・ピン)、インスト・イン(フォーン)、ライン・イン(RCAピン)▪アナログ出力/ライン・アウト(RCAピン)、ヘッドフォン・アウト(ステレオ・ミニ)▪外形寸法/150(W)×42(H)×122(D)mm▪重量/500g

▪Mac/Mac OS Ⅹ 10.3.9以上、Core Audio対応▪Windows/Windows Xp/Vista/7、WDM対応