デジタル入出力やMIDI IN/OUTも装備付属ソフトでモニターもコントロール可能
まず最初に目を引くのが、お弁当箱のようなコンパクト・ボディと、この価格帯にしてはズッシリとした頑丈な作りでしょう! 単にコンパクトなだけのオーディオI/Oならちまたに山ほどありますが、耐久性も兼ね備えたものにはあまりお目にかかれないのでうれしい限りです。フロント・パネルに目を移すと、2つのマイク/ライン入力とツマミ類がシンプルかつ整然と並んでおり、作業中のあらゆる操作も手元だけで行えます。作業中に頻発に使うであろうマスター・ボリュームやヘッドフォン・ボリューム・ノブの操作感も程良い重さがあり、好印象でした。また、2つのマイク/ライン入力は共にフォーン/XLRコンボ端子で、マイクやギター、シンセなど、楽器を選ばずモノ/ステレオどちらでも気軽に入力可能。もちろん48Vファンタム電源を搭載しているので、コンデンサー・マイクの取り扱いもOKです。次にリア・パネルを見ていくと、マスター出力のライン出力(フォーン)、S/P DIFデジタル入出力(コアキシャル)、MIDI IN/OUT、USB端子という構成になっております。DATなどのデジタル外部機器への録音をはじめ、ライブ録音でも重宝しそうなデジタル入出力や、外部シンセやリズム・マシンを多用する方に必須なMIDI端子まで搭載されているあたり、"1台ですべてを賄ってやる!"というやる気が感じられます。この充実感は素晴らしいですね。少々前置きが長くなってしまいましたが、実際に本機の性能を確かめていきましょう。その前に、筆者の作業環境はAPPLE Macオンリーのため、Macでの使用感を中心にレビューしていきますのでご了承くださいませ。まず、ドライバーをサクっとインストールし、付属USBケーブルで本機とMacを接続。本機はUSBバス・パワーで稼働しますので、別途電源も必要ありません。次に付属のソフト・コントロール・パネルを開いてみましょう。こちらでは、マトリクス状のミキサーでプレイバック・ミキサーとモニター・ミキサーが扱えます。例えば、Input1(Lch)で入力したマイクをRchでモニターしてみたり、プレイバックをLchから鳴らしたりといった風に扱えるスグレもの。これらは本機のノブと直接リンクしていませんが、こちらで変更した設定は終了しても自動で保存されるので、常に一定のプレイバック・レベルで作業が行えるのは何かと便利ですね。ちなみにWindows版のコントロール・パネルでは縦フェーダーのミキサーが採用されているようで、個人的にはMac版にも採用してほしいと願うのは欲張りでしょうか。
中〜高域にかけて締まった音像
ハイトーン時の抜けも抜群
ンサー・マイクを使ってアコギ録音にチャレンジしてみましょう。前述の通り本機はファンタム電源を搭載しているので、ほとんどの市販コンデンサー・マイクでは外部電源を必要とせずに本機へマイク・ケーブルを接続し、+48VスイッチをオンにするだけでOK! 後はGAINツマミで適正レベルを調整して、いざ録音開始。まずヘッドフォンでモニターしている時点でかなりの好印象です! 中~高域にかけて音像が締まっているのでモニターしやすく、非常に気持ち良くプレイに専念できました。録音後にプレイバックで確認してみてもサウンドの印象は変わらず、良い意味で"音の塊"と言いますか、しっかりした主張のあるアコギ・サウンドの収音に成功!気分を良くしたついでにエレキギターも録音してみると、こちらも中音域のジャリジャリ感とハイトーン時の抜けのある高域が雰囲気抜群。本機の全体的な特徴として、音の立ち位置が中低音域にまとまって聴こえる傾向があると感じました。解像度自体はそれほど高くないにせよ、ちょうど腰に来る感じの締まった音像は、クラブ系サウンドでかなり映えるのではないでしょうか。個人的にもすごく好きな音像なので、例えばライブや用途に合わせてオーディオI/Oを使い分けるというのも面白いかなと感じました。総評としては、低価格ということを考えれば文句の付けようがないの製品ではないでしょうか。もっと高望みするなら上位機種をお薦めしますが、例えばもう1台コンパクトなオーディオI/Oをお探しの方にぜひ試していただきたい逸品です! また、Windows版にはDAWソフトMAGIX Samplitude 11 Silverが同梱されているので宅録初心者の方にもお薦めです。
▪Mac/Mac OS 10.6、INTEL製のCPU、256MBのRAM▪Windows/XP(SP1)/Vista、7(32ビット)、INTEL Pentium3 500MHz以上、128MBのRAM、DirectX 8.1以上