ヒップホップ／R&B系の敏腕プロデューサーによる37曲を収めた素材集 - サンレコ〜音楽制作と音響のすべてを届けるメディア

BIG FISH AUDIOBEATAGE/CLINTON SPARKS COLLECTION

SONPUB

このライブラリーはアメリカのメイン・ストリームを思わせる、エモーショナル＆メロウなヒップホップ／R&Bを作りたいという方にうってつけの一枚だ。エイコンやリュダクリス、タイリースなどを手掛ける名プロデューサー、クリントン・スパークスによるコンストラクション・キット全37曲が収められており、1970年代以降のポップスやディスコ、さらにはエレクトロなどの要素を取り入れたビビッドなサウンドがメインとなっている。

収録曲のテンポは71～115BPMと広範囲。楽曲自体もスパークスのセンスを感じさせるもので、音数が少なめのタイトなトラックが中心だ。また、サウンドにはパンチがあるものの耳に痛くはなく気持ちいい。さらに、展開の目立つ楽曲も収録されており、構成の勉強にもなりそうだ。

収録曲は１曲単位でフォルダー分けされており、その中にドラム・キット／ベース／上モノ各種のサウンドがパートごとに収められている。またダンス・ミュージック系の素材集には、ドラムなどの音色がミックスされた状態でしか用意されていないものも多いが、このライブラリーではループに加えて、"Hits"フォルダーにドラムの各打楽器が個別に収録されているのがうれしい。

WAV/Acidized-WAVやApple Loops、REX2、Stylus RMXといった形式のファイルに対応し、総容量4.86GBにも及ぶこのサンプル集。WAVだけでも２GB以上のコンストラクション・キットを収めるといったボリュームと内容で、13,125円という価格は妥当なところだろう。しかし、多くのサンプルを必要とするヒップホップ・プロデューサーには安く感じられるかもしれない。僕の場合、自分の楽曲で使えそうな仕上がりだなとも思ったが、ほかのアーティストに楽曲提供する際により重宝しそうな予感。タイトで黒い音色がそろっているので、"これが欲しかった！"というサウンドも見つかるかもしれない。