レコーディングのほか多用途に使えるUSB対応コンデンサー・マイク

STUDIO PROJECTSLSM
高品質でリーズナブルなコンデンサー・マイクに定評のあるSTUDIO PROJECTSから、USBとミニXLRの2つのハイブリット接続を可能にしたデスクトップ・マイクLSMが新登場! ちょうど筆者もUSBマイクを探していたところなので、早速そのポテンシャルを検証していきましょう!

スタイリッシュなコンパクト設計
接続はXLRとUSBの2方式


本製品を最初に取り出したとき、"小さっ!"と思わず声に出してしまいました。携帯電話並みのサイズなので、卓上での使用はもちろん、限られたスペースでも難なく使えそうです。重量感もそれほど重くなく、バッグの中に忍ばせておけば好きな場所で高品位レコーディングが行えるでしょう。そして、スタイリッシュな外観は卓上の景観を邪魔することなく、むしろ常に手元に置いておきたくなるほどのかっこ良さです!次に背面を見るとUSBとXLR端子だけのシンプルな構成。USBおよびミニXLR→XLRケーブルが同梱されているので、購入したその日からすぐに使えるのがうれしいですね。また、内部にはクラスAディスクリート回路を内蔵。XLR接続の場合は+48Vファンタム電源で動作し、USB接続ではMac OS XおよびWindowsのバス・パワーで動作します。さらに、マイクの心臓部であるカプセルにはラージ・ダイアフラムを採用。指向性は単一、周波数特性は20Hz~20kHz、SN比は78dBで、仕様も申し分ありません。そして、本体付属のヨーク(U型バー)は卓上など平らな場所に置く場合はそれ自体がスタンドになり、マイク・スタンドに接続する際は、ヨーク底がホルダーとして機能するスグレもの! 傾斜角度を自由に変えられるヨークは特に卓上での使用に重宝します。

中低域が魅力的なパワフルなサウンド
ボーカルも生々しくしっかり録れる


では、実際にアコギと歌録りを最大の特徴でもある、USB接続で録音してみたいと思います。まず、USBケーブルをコンピューターへ接続しDAWソフトを立ち上げて録音準備は完了! このフットワークの軽さもUSBマイクの魅力です。本機にはローカット・フィルターが装備されていませんので、DAW内部のEQで超低域をカットし、リミッターを薄くかけた状態で録音してみました。かなり自由に角度を可変できるヨークのおかげで、簡単にアコギのスイート・スポットを探れるため、狙った通りのサウンドが得られました。至近距離での録音では、音の立ち位置と芯のある中低域が魅力的でパワフルな印象。ストロークでガツガツ弾くような楽曲に合いそうですね。オフマイクでの録音ではしっかり奥行き感のある音像の収録に成功し、こちらもいい感じです。アコギ録音で気分を良くしたところで歌録りへ。こちらも本機を机の上に置き、歌いやすい角度にヨークを調整。もちろん立って歌いたい方は、本機をマイク・スタンドに接続すればOKです。アコギと違って歌録りではポップ・ノイズ(吹かれ)が怖いのですが、ここはあえてポップ・ガードなしで、本機ボディの少し下の方を目がけて歌う気持ちでチャレンジしてみました。結果は、かなり強めな吹かれでなければ、ほとんどノイズ混入もなく無事成功! 肝心のボーカル・サウンドも驚くほどしっかり生々しく録れました。アコギ同様に音の立ち位置が良いわけですね。オケに混ぜてもしっかり主張してくれるので、ミックスがしやすい印象です。また、すべての録音済み素材をコンプでがっつり持ち上げても、ほとんどノイズが目立たない点も特筆すべき点ですね。本機は音楽制作以外にも、Ustreamなどの中継の音質改善を計りたいと考えている方にも持
ってこいでしょう。201103_STUDIO-PROJECTS_LSM_1.jpg▲LSMの背面中央に装備された端子類。上がミニUSBで下がミニXLR。この写真ではピンクのLSMを例に挙げているが、黒/白/ピンク/赤と全4色のカラー・バリエーションを用意
STUDIO PROJECTS
LSM
オープン・プライス (市場予想価格/21,000円前後)
▪指向性/単一指向▪周波数特性/20Hz〜20kHz▪感度/−32dB(±2dB)▪出力インピーダンス/150Ω(±30%)▪最大音圧レベル/132dB▪SN比/78dB▪外形寸法/74(W)×129(H)×26(D)mm▪重量/320g

▪Windows/Windows XP/Vista/7▪Mac/Mac OS Ⅹ