現場仕様の本格スペックと安定性を自宅で体験できるUSB対応CDJ

PIONEERCDJ-850
1994年発売のCDJ-50以来、DJブースを変革し続けているPIONEERのCDJシリーズ。そこに登場したニューフェースは、CDJ-800の後継者CDJ-850!! 通称ハチハン(勝手に命名)です。小生はCDJ-1000派でしたが、当時からCDJ-1000よりも、CDJ-800の方が好きというDJもたくさんいました。機能がシンプルな分、CDの読み込みからプレイまでが早かったりと利点がたくさんあったのです。早速、チェックしてみます!

曲の全体像が把握できるディスプレイ
選曲の流れを作るのに便利な新機能


まずその見た目ですが、CDJ-800がDJM-600と並んだときにお似合いのカップルだったように、本機は先だって発売されたDJM-700-Sと並ぶと相性バッチリです。本機から波形表示で曲の全体像が把握できる大型ディスプレイと、その右側に曲やプレイリスト検索に使用するロータリー・セレクターが搭載されました。フラッグシップであるCDJ-2000以降、このロータリー操作はこれまでになかったDJの動きの新定番です。レイアウトも上位機種であるCDJ-2000やCDJ-900とほぼ同じですので、触ったことのある人であれば、何の違和感もなく操作できるでしょう。対応メディアは、CD-R/RWに記録されたMP3、AAC、WAV、AIFFはもちろんのこと、CDJ-2000の衝撃から今や定番となったUSBデバイスのスロットを搭載しているので、ポケットの中のUSBメモリーだけでDJプレイが可能です。ただし、CDJ-2000とCDJ-900にあるPRO DJ LINK機能には未対応なので、複数台をイーサーネットでつないでUSBデバイスの曲を共有することはできません。また本機背面にもUSB端子が搭載され、NATIVE INSTRUMENTS TraktorなどのDJソフトのコントローラーやオーディオI/Oとして、コンピューターからダイレクトに操作可能です。またPIONEERの新機軸、付属の楽曲管理ソフトRekordboxを使えば、DJプレイがやりやすいように楽曲の管理とプレイ内容の保存ができます。WAVE、BEAT GRID、BPM、ID3 TAGなどの音楽ファイルの解析やCUE、LOOPなどの設定、プレイリストの作成/編集があらかじめコンピューターでできるのです。移動中の飛行機や新幹線など、コンピューターをパッと開いてDJの準備ができるなんて素敵です。さらに本機にはUSBデバイス内からDJプレイで使う曲をあらかじめ選んでおけるTAG LISTという機能があります。この機能は再生中の選曲時にボタンを押すだけで、本機に曲を簡単に登録することができる便利な機能です。次の曲のスタンバイはもちろんですが、選曲中にこのトラック最高だけど、もっと先の展開でプレイしたいなってときに忘れないで済むんです。12インチのレコードを選んでいたときに"オッ"と思って、そのまま戻さずに斜めに向きをかえてマーキングしていたのとソックリです。ほかにも、ボタンを押すだけで、ビートのループを組むことができるAUTO BEAT LOOP(新たに1/16が追加された)機能や、ディスクを取り出して再度挿入すると、直前の状態に戻るレジューム機能、再生する音よりも先の音を事前にメモリーしておくことで、音飛びを防ぐショックプルーフメモリーなどなど、使える最新技術が盛りだくさんです。ここまで使ってみて特に大型ディスプレイの視認性の良さが素晴らしいと思いました。ブレイクなど曲の展開が一目で把握できます。本機はプロ・モデルに近い操作性が魅力。自宅などで本格的なDJプレイを楽しみたい人にはバッチリの製品だと思いました。 201101_CDJ-850_1.jpg▲リア・パネル。左から電源ボタン、USB端子、コントロール端子、メイン出力R/L(RCAピン) 

PIONEER
CDJ-850
オープン・プライス (市場予想価格/100,000円前後)
▪再生可能メディア/CD、CD-R/RW、USBデバイス(フラッシュ・メモリー/ハード・ディスク、他)▪再生可能ファイル/MP3、AAC、WAV、AIFF▪周波数特性/4Hz〜20kHz▪SN比/115dB以上▪全高調波歪率/0.003%▪外形寸法/305(W)×364.4(D)×105.5(H)mm▪重量/3.3kg