王道ロックンロール・サウンドのおいしい部分を凝縮した15種類の楽曲 - サンレコ〜音楽制作と音響のすべてを届けるメディア

BIG FISH AUDIOCLASSIC ROCK

石塚“BERA”伯宏

今回紹介するのは、私自身も大いに活用したくなったライブラリーだ。1960年代〜1970年代のロックを代表するフレーズ・サンプルを、7.9GBも収録した本製品。ジミ・ヘンドリクスやレッド・ツェッペリン、クイーン、ラモーンズなどの代表作を意識して作られた楽曲のコンストラクション・キットが15種類用意されており、全パートが合奏されるものとAメロ、Bメロ......といった楽節で分かれた、各パートの演奏内容が収められる。

往年のロックンロール・サウンドのおいしい部分を15種類に絞って作られた収録素材には、現在でもアレンジに役立つものが多い印象。例えばレッド・ツェッペリンのドラマー＝ジョン・ボーナム特有の、部屋鳴りまで音楽の要素にしてしまう力強いサウンドが再現されていたり、生演奏ならではのグルービーなプレイが収められていたりする。さらに、すべての曲のドラム・キットが打楽器ごとに分かれて収録されている上、オーバーヘッドやルームなどのアンビエンス・マイクで録音された素材まで含んでいる。ほかのライブラリーなどとの併用を考えると、選択肢として良いものがそろっており、使い勝手に富むだろう。各コンストラクション・キットのフォルダー名にはBPMとキーを明記。また、各素材には演奏される楽器の名称と楽節が記載されている。ドラムやベース、ギターなどが主だが、楽曲によってはピアノやオルガン、パーカッションなども収録。また、ロックンロールの名曲を元に作られているため、楽曲のキーにはEやA、Dを主音としたものが多い。なお、テンポ・レンジは66〜200BPM。90BPMと120BPM前後のものが多くを占める。ギター／ベースを演奏できないプレイヤーがアレンジを考えるツールとしてはもちろん、ドラムのグルーブを軸に作曲したいときなどにも使える本製品。音質も高く、本格的なポストプロダクションにも耐えるだろう。