
収録素材をNATIVEINSTRUMENTS TraktorやABLETON Liveなどで扱いプレイに取り入れると、簡単にリアルタイムでの楽曲構築/リミックスを行うことができます。使ってみての結論から言うと、デジタルDJにとって非常に実用的な内容となっており、多くの人が満足できそうな仕上がりです。まず、本製品には4曲のテック・ハウス・トラックが収められています。各トラックはマーク・ナイトや元ディープ・ディッシュのダブファイアなど、トップ・クリエイターたちの作品にも引けを取らない高い品質で提供されています。また、これら4曲のドラムやベース、上モノなどはパートごとに分けられ、ループとしても収録。各ループは32/64/128小節と長めの尺で、プレイ中の曲にある程度の間、持続的にかぶせられる現場向けの仕様となります。また、これだけハイクオリティなトラックをパートごとに聴ける機会は少ないので、楽曲制作のお手本としても役立ちそうです。さて、筆者は1990年代のハウスなど、クラシックな曲をセットリストに混ぜることがありますが、キックの鳴りなどが今っぽくないのは常に悩みの種でした。そこで、プレイしたいトラックの低域をEQでカット。そこにキックや原曲と同じキーのベースなど、本製品に収録された素材をプラスします。するとあら不思議! あっと言う間に2010年版ミックスの完成です。このように柔軟な使い勝手が本製品の魅力。皆さんも自由な発想で使いこなしてください!(『サウンド&レコーディング・マガジン』2010年12月号より)