オーディオ機能を大幅強化した最新版国産Windows用DAWソフト

INTERNETSinger Song Writer 9 Professional
より多くのユーザーにアピールできるようになった国産DAW

INTERNET Singer Song Writer 9 Professional オープン・プライス(市場予想価格/68,250円前後)海外製品の多いDAWソフトの中で、貴重な国産製品として気を吐いているのがSinger Song Writerシリーズ。フラッグシップ・モデルにあたるSinger Song Writer 8.0VSが実に6年半ぶりのバージョン・アップを果たし、Singer SongWriter 9 Professionalとして生まれ変わった。ユーザー・インターフェースを一新し、多方面にわたる機能強化が図られ、より多くのユーザー層へアピールできる内容に仕上がっている。

レイアウト自由な4枚のミキサー・パネル、HDRライクなバーチャル・トラック装備


MIDIシーケンス・ソフトとして長い歴史を持ち、また打ち込みやすさにも定評のあるSingerSong Writerシリーズだが、今バージョンではオーディオ部分の大幅な機能強化がなされている。その象徴ともいえるのが一新されたミキサー・ウィンドウだ(画面①)。ssw_pic1▲画面① ミキサーは任意のトラックをアサイン可能な4パネルを呼び出すことが可能で、作業内容に応じて異なるミキサー・パネルを使い分けることができる。オーディオ・トラックの基本構成はインサート×8、センド×8、出力バス×8。エフェクトのかけ録りにも対応できる画面を見れば一目瞭然(りょうぜん)、フェーダーやパン、プラグイン・スロットなどを備えたミキサー・ウィンドウはDAWに慣れている人なら初見で使えるだろう。基本操作はハードウェアのミキサーと同様なので、DAW初心者にも使いやすいはずだ。 このミキサー・ウィンドウだが、全部で4枚のミキサー・パネルが用意されていて、それぞれで自由にトラックをアサインできる。MIDIトラックとオーディオ・トラックで別のミキサー・パネルを使い分けるなど、フレキシブルな使用が考えられるだろう。チャンネル・ストリップのフェーダー・ストロークも十分取ってあるし、Mackie Controlプロトコルでのフィジカル・コントローラーとの接続にも対応するので、緻密(ちみつ)なミックスが可能だ。なお、MIDIトラックだが、通常のMIDIコントロール・チェンジ#7をフェーダーでコントロールするだけでなく、エクスプレッション(MIDIコントロール・チェンジ#11)も表示するのが気が効いている。実際のMIDI機器のボリューム・コントロールは、この両方が関係していて、ボリュームを上げたつもりでもエクスプレッションが下がっていると、音が小さいままだったりする。この辺りが、打ち込み用ソフトとしての長い歴史が生かされているところだろう。 また、Singer Song Writer 9 Professionalのソング構成は、オーソドックスな中にも独特の拡張がなされている。ソング・ウィンドウに、MIDIトラックやオーディオ・トラックを追加して、フレーズをレコーディングしたりエディットするのは他のソフトと同様。また、選んだトラックごとに、入出力などのパラメーターを表示するインスペクターや、レベル調節用のチャンネル・ストリップが表示されるのも、オーソドックスで分かりやすい。ユニークなのは、いわゆるAUXの扱いで、汎用AUXの代わりにGROUPとEFFECTという2種類のトラックが用意されている。GROUPはサブミックス・グループ用で、GROUPトラックを作るとオーディオ・トラックの出力欄でそのGROUPが選択可能になる。一方、EFFECTはエフェクト・センド用で、作成すると他のトラックのエフェクト・センド欄で選択可能になる。一般に、AUXバスとグループ・バスの扱いは初心者のとまどいやすいところだが、目的別にトラックを作成することで、一気に設定できるようにしているわけだ。また、多くのトラックでは、その中に"子トラック"を作成することができる。コントローラーなどのオートメーションはそこで行う形。いわゆる、オートメーション・レーンに当たる部分になる。さらに、オーディオ・トラックでは、バーチャル・オーディオ・トラックを子トラックとして作成可能(画面②)。いわゆる"裏トラック""テイクトラック""プレイリスト"などのことで、ハードウェアのハード・ディスク・レコーダーを使ってきた人にはおなじみの名称だろう。ループ録音時のテイク違いを自動的に振り分けて残しておいたり、アレンジの比較をしたりといったことが簡単に行える。ssw_pic2▲画面② 各オーディオ・トラックには最大64のバーチャル・トラックを装備。ループ・レコーディングしたテイクをバーチャル・トラックに録りためておき、後から良い部分だけを選択することが可能だ。トラック上での編集機能では、ビートなどの自動スライスも可能になっている 

SONNOX製3種を含む24種類のプラグイン・エフェクト


Singer Song Wirter 9 Professionalは、VSTプラグインに対応。さまざまなサード・パーティ製のものが使えるが、付属プラグインも豊富だ。中でも最大のトピックは、SONNOX製プラグイン3種類が付属することだろう。SONNOXのプラグインは、ハードウェアの業務用デジタル・コンソールSONY OXF-R3のエフェクト・セクションをプラグイン化したもの。シリーズ中から、イコライザー、リミッター、リバーブをSinger Song Writer 9 Professional用にリファインしたものが搭載されている。リファインといっても、心臓部分は同じ、定評のあるSONNOXプラグインそのものだ。イコライザーは3バンドのパラメトリック+ローカット/ハイカットのフィルターを装備するタイプ(画面③)。使いやすい構成でトラックのイコライジングにも最適だ。音質の方も、必要なところにしっかり効き、無駄な音やせがない。狙った通りの音作りが行えるのは、まさに業務用機器を使っている感覚だ。ssw_pic3▲画面③ 付属のSONNOX Equaliser And Filters。市販の同社Oxford Equaliserに比べてバンド数こそ少ないものの、同種のアルゴリズムを採用。音やせの少ない、しっかりとかかるEQだリミッターは、やはり正確にリミッティングしてくれるのだが、極端にセットするとコンプ的に使用することもできる(画面④)。EQもそうなのだが、わざと音をひずませても、やせる方向に崩れないのがいいところだ。ssw_pic4▲画面④ SONNOX Limiterは原音を崩さない透明感あるサウンドを特徴としながらも、WARMTHでサウンドに温かみを加えることができるリバーブは、見た目はそっけないが音色の方は高級デジタル・リバーブのもので、若干サラサラした感じがSONYっぽい(画面⑤)。リバーブ・タイムを長くしても妙な変調感を生じないのがいいところだ。全体に上品な音なので、ジャンルを選ばずメイン・リバーブとして使用できるだろう。ssw_pic5▲画面⑤ 上品なキャラクターを持つSONNOX Reverb。高域が伸びつつも変調感の少ないサウンドで、メイン・リバーブとして使っていけるクオリティだ3種類のエフェクトは、いずれも業務機らしい高品位な音質と正確な動作を併せ持つ。つまみを動かせば動かしただけの効果がかかるし、逆に、意図しない妙な色付けは最小限に抑えられている。こういったしっかりしたプラグイン・エフェクトは、上級者はもちろんだが、初心者にこそ使ってほしい。そのほかに21種類の自社製エフェクトも付属。コンプやディレイなどの定番から、ディストーションやビット・クラッシャー(画面⑥)まで、一通りのものがそろっている。なお、SONNOX製のものを含め、これら付属プラグイン・エフェクトはSingerSong Writer 9 Professional専用で、ほかのDAWソフトでは使用できない。ssw_pic6▲画面⑥ Singer Song Writerオリジナルのエフェクトも21種類付属。マルチバンド・コンプやグラフィックEQなどのほか、画面のビット・クラッシャーのように積極的な音作りに使えるものまでそろっている。パラメーターもシンプルなので、初心者でも扱いやすいだろう

国産MIDIシーケンサーの長所を継承音楽的なステップ入力が可能


定評のあるSinger Song WriterのMIDI入力。用意されているエディターは、ピアノロール、スコア、イベント・リストと定番の3種類。中でもユニークかつ高機能なのはイベント・リストだ。Singer Song Writerでは、多くのソフトが採用している"小節/拍/ティック/デュレーション"に加えて、ステップ・タイム(ST)とディビエーション(DEV)という独自のパラメーターを持っている(画面⑦)。ssw_pic7▲画面⑦ イベント・リスト画面。前の音符との間隔を示すステップ・タイム(ST)と、演奏の揺れ(シフト量)を示すディビエーション(DEV)を備えているのが特徴。ステップ入力で細かく調整していく場合には便利な機能だステップ・タイムは次のイベントまでの時間のこと。Singer Song Writerでは1拍が480ティックなので、ステップ・タイムを480に設定すると、そのイベントが演奏された1拍後、つまり4分音符経過した後に次の音が演奏される。240に設定すれば8分音符経過した後に次の音が演奏されるというわけだ。同じことは次の音のイベント・ポジションを入力してもできるし、もちろん両者は連動しているのだが、ステップ・タイムの場合、音符の種類で入力しているような感覚でエディットできる。このステップ・タイムでは、音の長さ(音符長)を変えても音の順序関係が変わらないのも利点で、この音をもう少し長くといった、音楽的な発想に素直な形でステップ入力が行える良さがある。実は、このステップタイム方式は、ROLANDの初期ハードウェア・シーケンサーMC-4以来、国産のシーケンサーに受け継がれてきた方式でもある。いったん慣れてしまうと、ほかの方式がまだるっこしくなるほど手になじみ、テン・キーを使って素早く目的のフレーズを入力できる。これがソフトに組み込まれているのは、Singer SongWriterの大きなアドバンテージと言えるだろう。また、ディビエーションはイベント・ポジションのズレのこと。例えば、本来1拍目なのだが、少しもたらせたい場合には、ポジション自体は1拍目にしたままで、ディビエーションを何ティックか付け加えてやることができる。本来の位置とズレを別々に管理したり、一括エディットしたりできて、とても便利。これも国産シーケンス・ソフト発祥の方式で、実に良いアイデアだ。今バージョンでは、スコアでもピアノロールでも、イベント・リストが同時表示される形になっていて、簡単にフレーズの精密な調節が可能になっている。キーボードからの操作もよく考えられていて、実に快適。この方式の使いやすさをあらためて実感した。個人的にも、ステップ・タイム打ち込みのために導入を考える価値があると思っている。

6種類のVSTインストゥルメントが付属ReWireはクライアントにも対応


こういった優れたMIDI打ち込み環境を用いて鳴らす音源だが、外部音源が使用できるほか、VSTインストゥルメント(VSTi)に対応。6種類のVSTiが付属するので紹介しよう。LINPLUG Alpha3(画面⑧)は、オーソドックスなアナログ・モデリング・シンセ。フィルターにはひずみを加えるドライブつまみも装備し、2基のオシレーターそれぞれにサブオシレーターを加えることもできるので、ビンテージ・アナログ的な分厚い音も可能だ。またリング・モジュレーターによる過激なサウンドも作成できる。ssw_pic8▲画面⑧ アナログ・モデリング・シンセのLINPLUG Alpha3。2オシレーター+ノイズだが、それぞれのオシレーターがサブオシレーターを備えているため、実質的には4オシレーター仕様。分厚いサウンドを生み出すことができるLINPLUG Octopusは、1980~90年代っぽいデジタル・シンセ(画面⑨)。8オシレーターのFMシンセにもサンプラーにもなり、それらを組み合わせた音作りも可能だ。もちろんフィルターも装備する。この構成、シンセ・マニアならピンと来る人がいるかもしれないが、YAMAHA SYシリーズなど後期のFM音源シンセに近い。最近の1980年代デジタル・シンセ再評価の中でもミッシング・リンクになっている方式で、この辺りに着目した音源は非常に興味深いところ。出音の方も、いかにもFMっぽいメタル・トーンや初期デジタルっぽい荒れたサウンドなど、これでしか出せないような味のある音色が幾つもあり、個人的には最も気に入った音源だ。ssw_pic9▲画面⑨ LINPLUG Octopusは、8オシレーターのFMシンセであると同時にサンプル・プレイバックにも対応するというソフト。FMシンセシス用のものとは別にモジュレーション・マトリクスも備えているLINPLUG RM V(画面⑩)は、アナログ/デジタル両方のサウンドをカバーするドラム音源。いわゆるパッド・タイプのリズム・マシンのように単音に打楽器をアサインしてたたくことも可能だし、ループを使った演奏もできる。とにかく、リズム関係はこれ一つで事足りてしまう高性能機だ。 LINPLUG Organ3は、名前通りオルガン音源。キー・クリックやロータリー・スピーカー、トーン・ホイールの挙動などのパラメーターも備えていて、さまざまなオルガン・サウンドを作成できる。オルガンといえば、HAMMOND B-3のようなトーン・ホイール・オルガンが有名だが、それだけでなく、VOXやFARFISAのようなコンボ・オルガンっぽい音色を作れるのがいい。トランジスターっぽいチープな味のある音色も出せるのは、この音源特有の魅力だ。ssw_pic10▲画面⑩ サンプル・プレイバックとアナログ・モデリングでのドラム・シンセを組み合わせたLINPLUG RM V。10,000種の音色と2,600種類のMIDIパターン、1,50種類のオーディオ・ループを備えている。リズムに関してはこれだけでほぼ足りてしまうほどだ。なお、エフェクト同様、付属のLINPLUG製インストゥルメントはSinger Song Writer 9 Professional専用となっているROLAND Hyper Canvasは、16マルチティンバーのPCM音源。ドラム、ベース、キーボード、ギター、オーケストラ楽器など、通常よく使われる音色を一通り網羅している。この手の音源はデモなどを作るときなどにも何かと重宝する。しかもGM2対応なので、友人などとMIDIデータで音のやりとりをするにも便利だろう。なお、SingerSong Writer 9 ProfessionalにはGS対応音色マップを持つROLAND VSCも付属する。CPU負荷も軽めで音色の傾向も異なるので、必要に応じて使い分けることができる。さらに、Singer Song Writer 9 Professionalは、ReWireにも対応。しかも、ホストだけでなくクライアントにもなる。既に何らかのDAWを持っている人も、Singer Song Writerを併用して、使いやすいMIDI入力環境やユニークなプラグインを利用することが可能だ。

6定評ある自動アレンジ機能も進化多種多彩なMIDI入力方法に対応


Singer Song Writerを有名にしたのが、自動アレンジ機能。コード・ネームを指定した後、付属のデータ・ライブラリーから、ジャンルや曲調を指定すると、ドラムやベース、ギター・カッティングなどのトラックが自動的に作成され、簡単に"それっぽい"バック・トラックを作成する機能だ(画面⑪)。今バージョンでは、過去最大の2,629MIDIファイル/2,533オーディオ・ファイルが付属、64ジャンルの伴奏トラックが作成できる。ssw_pic11▲画面⑪ MIDIデータのフレーズやオーディオ・データ(ACIDファイルを含む)をドラッグ&ドロップするだけでトラック制作が行える自動アレンジ機能。コード進行も"コード・パネル" から選択可能で、MIDIデータやACIDファイルを自動的にそのコードへ追従させることもできる。そのほか、本文中では触れられなかったが、MIDIプラグインも搭載。アルペジエイターやハーモニー生成のほか、ギターのストローク奏法やドラムのアクセントなども簡単に調整できるいわゆる自動伴奏ソフトや単なるループに比べ、オブリやブレイクなど楽曲のアレンジにまで踏み込んでいるデータが多いのが特徴。さらに、イントロやAメロ、サビといった構成別のバリエーションも充実していて、これだけでほとんど楽曲として完成しているようなバッキング・データも多い。それだけに、コードを変えるとアレっ?と思うような結果になる場合もあるが、うまくはまると相当完成度の高いトラックが作成できる。個人的にはファンクなどレア・グルーブ系のオーソドックスなジャンルが好印象。そのまま使うだけでなく、アレンジのヒントとしても役に立ちそうだ。そのほかにも、Singer Song Writer 9 Professionalにはユニークな機能が多い。リアルタイムのピッチ→MIDI変換により、音声によるMIDI入力が可能。鼻歌や管楽器など、単音による演奏でMIDIレコーディングが行える。さらに、ギターMIDIコントローラーにも対応。専用の入力ウィンドウも装備し、ギター演奏によるMIDI入力が可能だ。もちろん、単音フレーズの場合は、一般的なエレキギターなどでも先のピッチ/MIDI変換による入力が行える。また、MIDI入力の楽譜入力とは別に、印刷用の楽譜作成機能も装備している。さらに、着メロデータの書き出しといった国産DAWソフトならではの機能や、ムービーの読み込み/書き出し、音楽CD作成機能など、音楽が必要な多様なシチュエーションに対応。ユーザーの声をまめに吸い上げ、よく対応したことがうかがえる、非常に多機能なソフトになっている。Singer Song Writerシリーズは、その成り立ちから、日本の打ち込み音楽制作シーンと深くつながってきた。まだパソコンを使った音楽制作が珍しい時代に登場し、その敷居をグっと下げたソフトでもある。今バージョンにも、そういった歴史は脈脈と受け継がれている。これまで、ハードウェアのハード・ディスク・レコーダーや音源モジュール、あるいはワークステーション・シンセ中心に音楽制作を行っていた人でも使いやすくできているし、また打ち込み初心者にも分かりやすい。必ずしも、本格的に音楽を作成するばかりではなく、既成曲を簡単に打ち込んでみたい、思いついたメロディに簡単にバック・トラックをつけてみたい、といった用途にも最適。さらに、その延長上に、本格的な音楽制作まで可能な機能をも有している。また、実際に製品を手に取ってみると分かるのだが、取扱説明書が非常に分かりやすい。項目や内容もそうなのだが、文章もよくこなれていて、初心者でもとっつきやすくできている。この辺りも国産ソフトならではの良さだろう。能率のよい打ち込みをしたい人はもちろんだが、海外製DAWソフトにはイマイチなじめない感じのある人、現在使っているDAWとは違う発想で音楽を作りたい人など、多くの人に一度触れてもらいたいソフトだ。(『サウンド&レコーディング・マガジン』2010年7月号より)
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Singer Song Writer 9 Professional
オープン・プライス(市場予想価格/68,250円前後)
▪Windows/Windows 7(64/32ビット)/Vista(64/32ビット)/XP(32ビット)、 INTEL Pentium 4 1.4GHz以上もしくはAMD Athlon 1.4GHz以上のCPU、1GB以上のメモリー、10GB以上のハード・ディスク空き容量、16ビット・ステレオ・オーディオ・インターフェース、WindowsドライバーもしくはASIO(1.0/2.0)対応オーディオ・インターフェース(ASIO対応推奨)、DVD-ROMドライブ、Windows Media Player 11以降(CD-R/RW作成時/Windows Media Player 12以降推奨)、インターネット接続環境(アクティベーション用。FAX/郵便も可)