往年の王道ディスコ・サウンド&フレーズがめじろ押し

ZERO-GDISCO GOLD
1970年後半から80年代前半の上質なディスコ・サウンド

ZERO-G DISCO GOLD 14,700円ZERO-Gの『CLASSIC DISCO』の続編! アーティストで考えれば"2ndアルバム発売"といったところか。今回はライブラリーの枠を超え、"ZERO-Gレーベル"と言っていい程の音へのこだわりだ。どれもこれも心地良く、上質でオシャレな1970年代後半〜80年代前半のディスコ・サウンドに仕上がっている。個人的にその辺りはリアルタイムなので、思わず昔を懐かしんでしまった程クオリティは抜群だ。聴けばすぐさまピンと来てしまうので、ラインナップを紹介すると、クリーンでアタックがチャリチャリなカッティング・ギターはシックのナイル・ロジャース風、手数の少ないポイントを押さえたギターはクインシー・ジョーンズ風、ファンキーだがメロディアスなリフとチョッパー・ベースはブラザーズ・ジョンソンやファット・ラリーズ・バンド風、ジャズ/フュージョン的なコード進行のジョ
ージ・ベンソン風の曲もある。パトリース・ラッシ
ェン風キーボードのアプローチに、シスター・スレッジを思わせるストリングスとブラスのコンビ、ア・テイスト・オブ・ハニーが"ブギウギ〜♪"と歌い出しそうな曲やジョセリン・ブラウン風もある。そしてシンセはSOLARレーベルの......と挙げればキリはない。音の足し引きを楽器数ではなく演奏の手数で付けた時代、派手だがすき間のある、それぞれの楽器の役目を考えたアレンジも勉強になる。そのアレンジやサウンドの加工法まで手に取るように分かる34種のコンストラクション・キット(WAV/AIFF)は、数にすれば600種以上の音。ディスコと言えどさまざまなバリエーションがあり使い勝手は豊富だ。上モノだけの"Backing"はビートに合わせやすく、サンプラー・パッチも豊富でサンプリングしての組み替えも便利。製品というよりも作品="ZERO-GのDISCOシリーズ"、早くも次作が楽しみだ。(『サウンド&レコーディング・マガジン』2010年6月号より)

ZERO-G
DISCO GOLD
14,700円
■DVD-R1枚 ■容量:4.2GB ■DATA FORMAT:AIFF/EXS24/WAV/AppleLoops/REX2/Kontakt3/Acidized-WAV/NN-XT