MUTEKKI ELECTRO HOUSE REVOLUTION VOL.1 13,125円プロ・ミュージシャンによる演奏や、さまざまなサウンドを使って制作されたフレーズを収めた同社のサンプリング・ライブラリーはあまりにも有名で、ハイクオリティな音質と使い勝手の良さから、私自身も頻用している。今回紹介するのはドイツのサウンド・デザイナーのオリヴァー・シュミット氏により制作された『ELECTROHOUSE REVOLUTION VOL.1』。なんてストレート!!さっそく見ていくと、エレクトロ・ハウスやテック・ハウスにフォーカスしたサウンドとなっているのが分かる。回りくどさは一切なく、分かりやすく、試聴してしまうと一発でトラック制作意欲がかき立てられてしまうところがMUTEKKIの恐ろしさだ（笑）。キモとなるドラム・ループは、ファンキーさとヘビーさを兼ね備えたパンチのある生きの良いビートになっていて、ブリッとしたシンセのベース・ラインと合わせて走らせればそれだけですぐに踊れるループができるだろう。これは特筆したい部分だ。良い素材は並べるだけで面白く、トラックに命を吹き込んでくれる。ループさせてずっと聴いていられれば、そこにたくさんのアイディアを生んでくれると私は考える。容量は2.7GBにわたり、Bass/Chord/Cymbal/Electro Stuff/Kick......といった単発リズムはもちろん、シングル素材も豊富に収録。エレクトロ・ハウスに欠かせないファンキーなアクセントになる気の利いたサウンドが収録されている。驚きなのはどのパーツも一つ一つきめ細かく、音に太さもあること。オリヴァー氏の快心作と言われるのも納得である。またWAVやApple Loopsのほか、REX2/EXS24/Kontakt2などのサンプラー・パッチも用意される点もうれしい限りである。ダンス・サウンド制作時にはぜひともこちらを使って新しいグルーブを生み出してもらいたい、そんな秀逸ライブラリーだ。（『サウンド＆レコーディング・マガジン』2009年12月号より）
