使いやすさと多機能/高音質を併せ持つリズム音源ソフト

MARK OF THE UNICORNBPM
15GB以上のドラム&パーカッション1万音色+1,000ループを24ビット/96kHzで収録

MARK OF THE UNICORN BPM オープン・プライス(市場予想価格39,800円前後)新生活、新学期も始まって早くもひと月たちました。幸先の良いスタートは切れましたでしょうか? 自分も年頭になんとなく立てた計画をいよいよ実践しようかといろいろと画策しております。それに伴い、新たなツールを模索していたりも。とにかくコレだ!と思ったモノはハードでもソフトでもどん欲に作品に詰め込もうと、毎日精進しております。そんな中で、今回はthe NAMM showで発表され、"絶対買う~!"と、レコードやCDのジャケ買いくらいの勢いでインパクトがあったMARK OF THE UNICORNのリズム音源ソフトBPM(Beat Production Machine)の紹介です。とにかく、"まずはビートありき"な自分にとってどれくらい使用頻度の高いものになるのか、非常に楽しみであります。

分かりやすいインターフェースでサウンド・アサインもスピーディ


これまでの同社のソフト音源と同様、BPMもUVIエンジンを採用。素材容量は15GB以上で単発のドラムとパーカッション1万以上、ループ素材1,000以上、ドラム・キットおよびパターン200以上、楽器音色100以上を、24ビット/96kHzにて収録という充実した内容です。まずはインストールですが、ソフトをインストールしたあとに、任意のハード・ディスク上に音素材のファイルをコピー。付属のオーサライズ済みのiLokをUSBポートに挿し込めば後は起動するだけ。もともとAKAI PROFESSIONALのMPCシリーズをメインのシーケンサーとして使っていた身としては、最初から見た目でかなりグッと来ていました。なので立ち上がった瞬間に意味も無くニヤリ。という感じで、自分のようなスタイルで制作している方はにはもちろん、そうでない方にも分かりやすい見た目です。16個のパッドにサウンドをアサインするという方式もまたしかり。パッドのバンクもAからDまであり、キットをそれぞれのバンクで使い分けたりもできます。音色のアサインは、まずパッドを1つ指定するとソコだけ色が変わります。インターフェース右横のライブラリー選択画面よりフォルダーを指定し、サンプルを選ぶだけでオート・ロード機能により自動的にパッドにアサインされるのがうれしい限り。単発の音色を素早く各パッドに立ち上げて、どんどん作業が進みそうです。また、1つのパッドの下から上へ、クリックする場所を変えて行くとベロシティも128段階で変わることに気付いたときは驚きましたね。各パッドの下に付いている、パン、ミュート、ソロが切り替えられるスライダーも気が利いています。また、各パッドのサンプルのレイヤーも可能。REX、Apples Loops、AIFF、WAVなどのオーディオ・ファイルも読み込めるので、自作のライブラリーをダイレクトにアサインできますし、BPMライブラリーと混ぜて使うことも楽にできそうです。

上部画面の切り替えで波形編集などのモードを表示


肝心の音に関してはさすがと言いましょうか、細かいエディットが不要なくらいしっかりしています。粒が立っていて、音の立ち上がりがとても良いなと。ファースト・インプレッションで気に入った音をどんどんパッドにアサインしていくだけでもサクッと気の利いたビートが作れます。チューニングやアタック、リリースなどの細かい調整も、パッドと同一画面に用意されたツマミやスライダーを画面切り替え無くササッといじれます。ステップ・シーケンサーも搭載されているので、各パラメーターをいじりながらパターンとサウンドをリアルタイムで追い込むことも可能です。波形編集する際にも上部の赤い画面上に表示されるのでとても楽。また、この画面はサイドのボタンにより各モードへ切り替わるので、波形エディットや、グリッド表示されたシーケンス、ミキサーなど、見たい所へすぐに行けます。ワン・ショットの音の制作からシーケンスの組み立て、さらにはソングの作成までMPCシリーズでの制作方法と似ていながらも、ポイントごとに細かいプラス・アルファが組み込まれています。さらにBPMにはパターンを扱うための2つのモードが用意されています。複数のパターンを並べた状態をシーンと呼びますが、LIVEモードではこのシーンを各パッドに割り当てて、直接本体のパッドやMIDIコントローラーでダイレクトに切り替えられます。またSONGモードではパッド上に登録したシーンを、画面にドラッグ&ドロップして並べ、曲を作っていくことができます。そのほか、BPMにはEQやコンプ、ディレイ、リバーブ、ディストーションといったエフェクトも内蔵されており、パッドやバンクごと、あるいはトータルにかけることが可能です。と、ここまでで自分にとってはかなりの好印象。そのほかにもサンプリング、ミキサー、エフェクト、ソング・アレンジなどいろいろありまして、レビューといいつつもサラッとしか書けていないので若干申し訳なさ気味。ホントに、ハードでやれること以上の付加価値が盛りだくさんです。制作時のパフォーマンスもさることながら、パッド・コントローラーやMIDIキーボードなどを使用すればそのままライブでもガシガシ使用できそうです。間違いなくこのソフトは、使う人のアイディアによってさまざまな表情をいくらでも表してくれそうな、そんな楽しさを持っているんじゃないかと感じました。(サウンド&レコーディング・マガジン2009年6月号より)
MARK OF THE UNICORN
BPM
オープン・プライス(市場予想価格39,800円前後)
■Mac/Mac OS X 10.4以上 ■Windows/Windows XP/Vista、32または64ビット ■対応プラグイン・フォーマット/MAS、Audio Units、RTAS、VST(スタンドアローンでも動作可)