SAMPLE MAGIC SM10 Tech-Funk Breaks 13,125円"Tech-Funk Breaks"とは取って付けたような名前だけど、一聴すればまさにその通りな内容のライブラリー音源です。これ、絶妙な処理を施したサンプルばかりで、かなり手間暇かけて作った感がひしひしと伝わってきます。収録サンプルの1.5倍以上の素材を作り、その中から吟味して収録してあるような感じがしました。ビット処理やひずみを用いたアタックが強くつやのあるドラム・サウンドや、地をはうひずみまくったシンセ・ベース、オールドスクールなエレクトロ・ファンクなシンセ・パーカッションにディレイ処理や細かいプログラムで左右に飛んでいくSEなど、どの音にもこだわりを感じます。WAV/AIFF/Apple Loops/REX2などの汎用フォーマットで収録されたループ素材ほか、EXS24/Kontakt2/Halion/Reasonなどのパッチも複数収録してあります。とにかくライブラリー音源としてかなり絶妙に作られており、使いやすいです。例えばドラム・ループは音を詰め込み過ぎてないので、抜きたい音をピンポイントで抜きやすく、さらにループも単調になり過ぎないといった配慮がなされてるので、エレクトロ、ニュースクール、ダブステップ、ノイズからオールドスクール・エレクトロやドラムンベース、ブレイクコアまでこれだけでフロア映えのするトラックができます。筆者の場合、良い音を見つけると、必ず自分なりに加工した後ライブラリーを作ります。ライブラリー音源は、ただ使うだけでももちろんいいのですが、何をしたいのかを明確にして自分なりの使い方のフォーマットを作るというのも非常に大事なこと。せっかく"Tech-Funk"と銘打ってあるんだから、フレーズに頼るのでなく、職人の作り上げた最高の素材をバラバラにぶった切って、自分のプログラムでファンクなどを作り上げてみてはいかがでしょうか。（サウンド＆レコーディング・マガジン2009年５月号より）
