男心をくすぐるルックス
詳細設定でDJソフトに完全対応
SCS.3DはUSB接続タイプのMIDIコントローラー。DJソフトで使用することを主眼としており、RANE Serato Scratch Live、NATIVE INSTRUMENTS Traktor 3にはあらかじめテンプレートも用意されている。美しく光り輝くブルーとレッドのランプという男心をくすぐるルックスに加え、重量も軽すぎず安定感があるのも好印象。中央には本機の目玉である丸いタッチ・パッドのコントロール・エリアと４つのボタンが、上部にはFX/LOOP/VINYL/EQ/TRIG/DECKの6つのモード・スイッチが、そしてその左右にはタッチ・パッドのゲイン・フェーダーとピッチ・コントローラー、下部にはPLAY/CUE/SYNC/TAPのボタンが並んでいる。使用前に、まずはDaRouterというアプリケーションをSTANTONオフィシャルWebサイト（www.stantondj.com）からダウンロードする。自分の使用しているDJソフト用のプリセットがあればそれも同時にダウンロード。特にDaRouterが無いと本機を各ソフトが認識せず、MIDIコントローラーとして使用できないのでご注意を。今回は、2台のSCS.3DとTraktor 3を起動したAPPLE MacBookの組み合わせで使用する。本機とMacBookを１本ずつUSBケーブルで接続、続いてDaRouterを起動し"何のDJソフトで何台のSCS.3Dを使用するか"を選択する。使用するDJソフトのプリセットが無い場合は"SCS.3D Generic Presets"を選び、DJソフト上で操作子をアサインすればOKだ。今回は"Traktor Dual SCS.3D Presets"を選択した。もちろんプリセットを選んだ後で、操作しやすいよう自分好みにアレンジすることもできる。今度はDJソフトの設定だ。Traktor 3の場合、MIDIインターフェースを"DaRouter"にし、MIDIセットアップ画面でダウンロードしたTraktor 3用プリセットを選ぶ。DaRouterとDJソフト、２つの設定をする必要があるので最初は少し大変だが、一度設定をしてしまえば次回起動時はそのままプレイが開始できる。
赤と青のランプによる視認性は抜群
タッチ・パッドならではの素早い操作
ではTraktor 3でプレイ開始！ PLAY/CUEをはじめ、タップによるBPM検出を行うTAP、デッキを同期させるSYNCなどボタン類の反応にタイム・ラグは感じない。気になる中央のコントロール・エリアだが、ここは上のモード・スイッチと連動している。VINYL選択時ここはサークル・モードとなり、円周に沿って指を動かせば大きく、中央で上下に動かせば細かくキューイングができる。EQ/FXを押せば赤いラインが点灯し、３本のフェーダーを操るモードになる。これでLOW/MID/HIのEQ、またはTraktor 3上で起動したエフェクトの操作が可能だ。好みの拍数でループさせることができるLOOPモードや、簡易サンプラーとして使えるTRIGモード時は円が５分割され、ループ・レングスやサンプルを選ぶボタンとなる。特に現場で役立つTRIGモードは、サンプラーを本来装備していないTraktor 3のデッキに５つのキューを打ち、サンプラーのように使うというユニークなものだ。赤いランプはフェーダー、青いランプはスイッチと用途に合わせて異なる色が点灯するのも明快。タッチ・パッド式ということで気になるサークル・モードやフェーダーの感触／感度だが、操作中に曲が飛んだり変に引っかかることも無いので、安心していじりまくれる。例えばフェーダーをジャンプさせる操作は、タッチ・パッドならではだ。今回のように2台以上のSCS.3Dを使用することにより、デッキごとに別々のエフェクトやEQをかけつつミックス、というプレイも直感的にできるし、DECKを押せば操作するソフト上のデッキを変更できるので、本機１台でミックスも可能だ。音を操るコックピットのようなSCS.3D。絶対の安心感の上に遊び心が散りばめられているこの機材は、まさにDJに求められる感覚そのもの。初めてコントローラーを買う方から、新しい刺激を求めているハイエンド・ユーザーまで、多くのDJに触れてもらいたい製品だ。
■外形寸法／120（W）×35（H）×215（D）mm
■重量／498g
REQUIREMENTS
■Windows／Windows XP/Vista
■Mac／Mac OS X 10.4以降
■プリセット対応ソフト／RANE Serato Scratch Live、NATIVE INSTRUMENTS Traktor 3
