ミニマル・テクノのトップ・クリエイター、スピーディ・ジェイがプロデュース

FIXED NOISEKreate
1990年代初頭から現在まで第一線で活躍し、ここ20年の間での近代テクノのベスト・アーティスト10人に入ると思われる、僕が最もリスペクトするアーティストの一人が、スピーディ・ジェイです。その彼がプロデュースするライブラリーが発売されたので、担当者を拝み倒して、レビューさせてもらいました。もう気分はスピーディ・ジェイなので、早速チェック!

4GBのDVD-ROMに収録された音色は、"FX""Kit""Loops""Tone"などにカテゴライズされ、付属のNATIVE INSTRUMENTS Kontakt2 Playerで起動します。僕自身初めてKontakt2 Playerを使ったのですが、マニュアルを見ずとも、分かりやすいアーキテクチャー。テンポの変更、エフェクト、エディットを非常に簡単に行なうことができ、1オクターブの鍵盤にバリエーションが整理されてレイヤーされているので使いやすいです。本ライブラリーには、予想通り非常に複雑にプログラミングされたクリック系のループが満載! プリセットによっては、Kontakt2 Player内蔵の16ステップ・シーケンサーで編集もできるし、ランダマイズすることによって、さらに過激なパターンが制作可能です。キック、ベース、スタブ(単発のショット)などの単音もテクノの定番のROLAND TR-909的なモノから、映画『2001年宇宙の旅』のスターゲートのシーンで使われた、ジョルジ・リゲティの作品をほうふつさせるようなアトモスフィアな音が満載で、クリック・テクノだけではなく、映画音楽などのMA用音源としても優秀だと思います(現代音楽作家みたいな気分に浸れます)。今回のように著名なテクノ・アーティストが自分の音源を提供するのは非常にまれなのですが、全然手を抜いてません。太っ腹の作品で、テクノだけでなく多様なジャンルのクリエイターにお薦めです!

FIXED NOISE
Kreate
オープン・プライス(市場予想価格/27,300円前後)

■メディア:DVD-ROM 1枚
■容量:4GB
■DATA FORMAT:Kontakt2