4系統の映像と音声をシンクロさせて操れる新発想のDJ/VJミキサー

PIONEERSVM-1000

"サウンド&ビジョン・ミキサー誕生!"、このニュースにDJ/VJ界では衝撃が走りました。それから数カ月、ついにPIONEER SVM-1000が発売されます。読者の方々もずっと気になっていたことでしょう。4chの音と映像のシンクロ・ミックスが可能なDJ/VJミキサーとはどういうことなのか?どんな機能を搭載しているのか......楽しみです。それでは早速、チェックしていきます。

DJミキサーの発想で
4chの映像を同時にミキシング


本機でまず目を引くのがトップ・パネル中央の11インチLCDタッチ・パネル。これを中心に左右2chずつのシンメトリーなチャンネル・レイアウトとなっています。同社DVJシリーズを並べても違和感なくマッチするデザインで、傾斜が付けられたトップ・パネルは操作性の向上とともに、ディスプレイの視野角をカバーした見やすい設計です。音声入力は、ch1/4ではPHONOとDVD/LINEのステレオ2系統、ch2/3はLINEとDVDのステレオ2系統から選択可能(DVDはライン・レベル入力)。映像入力はch2/3がDVD/VIDEO/S-VIDEOの3系統、ch1/4はそれらにVIDEO EXを加えた4系統を備え、音声と映像は別々に選択できます。例えば、音はターンテーブルからで映像はDVDプレーヤーから、あるいはDVJの映像と音声という入力も可能です。また、音声用のトリムのほかにVIDEO用のトリムで明度を調整できる点は、DJミキサー的発想ですね。さらに、各チャンネルの音声をクロスフェーダーにアサインできるのはもちろん、映像も音声と同様にアサイン可能です。そして、各チャンネル・フェーダーは音声と映像のレベルを同時にコントロールできます。はいココ注目!! そう、今までのVJミキサーは2chのクロスフェード・ミックスしかできなかったのに対し、本機は何と映像も同時に4chミックスできるのです。例えば、ch1〜4のクロスフェーダー・アサインをすべてTHRUにして直接マスター・アウトへ送り、チャンネル・フェーダーを上下すれば、ハウス・スタイルで音も映像も4chを駆使したミックス・プレイが行えます。もちろん、ch1/2とch3/4それぞれの音と映像のミックスを、さらにクロスフェーダーでミックスすることもできますし、ch1/2で映像、ch3/4で音声をミックスということも可能です。またVIDEO EQボタンをオンにすると、各チャンネルの3バンドEQで音声だけでなく、映像の色味まで変化させることが可能です。各EQのツマミにはR(赤)/G(緑)/B(青)/HUE、それにコントラストとサチュレーションの効果を割り当てることができ、まさしく音と映像がシンクロしたコントロールが可能なのです。逆に、映像と音声を別々に扱うこともでき、その場合、音声はフェーダーで、映像はLCDタッチ・パネル上のクロスフェーダーやVIDEO TRIMでミックスできますこのように本機は用途に応じたフレキシブルなセットアップが可能となっているのです。

入出力する映像を
本体のみでプレビュー可能


革新的機能はこれだけではありません。何といっても注目はLCDタッチ・パネル。上部と下部に別れ、上部はマスター出力のプレビュー・モニター、エフェクトのプレビュー・モニターとエフェクト・ボタンを表示、下部では各チャンネルの映像をプレビューするモニターが4つと映像用のクロスフェード・エフェクト設定用ボタン群などが表示されます。そしてポイントは、ここで各プレビューをすべて確認できるということ。映像確認用のモニターを別途用意しなくても、本体のみでどのチャンネルにどのような映像が入力されているのかすぐに確認できるのです。しかも、エフェクト・プレビュー・モニターでは、エフェクト処理された映像が常時表示されるので、出力前に実際どんな映像になるのか確認できるのも魅力です。こうしたことをミキサー本体で把握できるなんてすばらしい限りです。これで間違った映像を出してしまうのではないかというプレッシャーから開放され、プレイに専念できるというわけです。

画面に直接タッチして
映像と音にエフェクトを付加


では、現場をさらに盛り上げるためのエフェクト群にはどんなものがあるのか見ていきましょう。音声面では、同社DJM-600でもおなじみのビートエフェクトを用意。これはその名の通りBPMに連動してエフェクトがかかるという機能で、フィルターやフェイザーなど12種類が用意されています。AUTO BPM機能でBPMが自動検出されるので、テンポに合ったエコーを即座に設定するなんてお手のものです。タッチ・パネルやエフェクト用のツマミで即座に値を変えることもできます。映像面ではタッチ・エフェクトがユニーク(画面①)。▲画面① タッチ・エフェクトの一例"DISTORTION"。指で触れたところに効果が表れるこれはLCDタッチ・パネル上の映像に指で触ることでエフェクトをかけることができるというものです。さらに、本体で入力したテキストを、BPMに連動してアニメーションさせることができるテキスト・エフェクトも用意されています(画面②)。▲画面② テキスト・エフェクトの入力画面。書体や色の設定もでき、プレビューも用意特筆すべきはこれらのエフェクトにおいて、音と映像の効果がシンクロする点でしょう。例えば音にフィルターをかけると映像にはボカシがかかり、音にパン・エフェクトをかけると映像も左右に動き出し、音にフェイザーをかけると映像は溶け出して渦を巻き出すのです(音と映像をシンクさせないことも可能)。まだまだあります。映像素材を用意しなくてもVISUALIZER機能をオンにすると、60種類の自動生成される映像が生み出されるので、DJがいつも通り曲をミックスしているだけで、あたかもVJがいるかのように演出してくれます。またJPEG VIEWER機能では、本体上のスロットや端子に装着したSDカードやUSBメモリーから静止画を取り込み、エフェクトをかけたり、ほかの映像と合成することも可能です。同社DVJとのコンビネーションも強力で、コントロール・ケーブルを接続し、FADER STARTボタンをオンにするとチャンネル・フェーダーを上げるだけで、DVJが設定したCUEから自動スタートします。この機能で映像と音の4chジャグリング・パフォーマンスなんて想像しただけでワクワクしてきますね。サーチ&リリースが苦手でも気軽にトリッキーな映像&音声パフォーマンスができてしまうわけですから。またフェーダー・カーブ・スイッチを最もキレの良い設定にすれば、音と映像を同時にクラブ・スクラッチするなんてことも可能なわけです。まさに、DVJをフル活用できる最強ミキサーではないでしょうか。本機では映像と音声を同時に、かつ簡単に操作できます。DJはいつものようにプレイするだけで簡単かつ本格的に映像までミックスできますし、VJにとってもこの上ないミキサーです。映像と音楽の両方を扱うアーティストにとっても、新しいスタイルを生み出すきっかけとなるのではないでしょうか。今や音と映像は切り離すことができない一つの形へ向かっています。近い将来、音とか映像とかDJとかVJという切り分けは無くなっているのかもしれません。いつしか五感をミックスする日も近いかもしれませんね。そして本機はもしかするとそんな未来への第一歩なのかもしれません。ぜひ、その手でネクスト・ジェネレーションを体験してみてください!

▲リア・パネルの接続端子類。音声入力は、ch1/4がPHONO L/R(RCAピン)、DVD/LINE L/R(RCAピン)でGND端子も装備。ch2/3はLINE L/R(RCAピン)、DVD L/R(RCAピン)、DIGITAL IN(S/P DIF、コアキシャル)。映像入力は全chにS-VIDEO/DVD/VIDEO端子を備える。そのほか各chにはCONTROL、SYNC OUT端子も搭載。中央上の音声出力部は左から、MASTER OUT1 L/R(XLR)、マスター出力切り替えスイッチ(0/−3/−6)、MASTER OUT2 L/R(RCAピン)、REC OUT L/R(RCAピン)、BOOTH MONITOR L/R(TRSフォーン)、DIGITAL OUT(S/P DIF、コアキシャル)、サンプリング周波数切り替えスイッチ(48kHz/96kHz)。中央下の映像出力部は左から、COMPONENT/COMPOSITE/S-VIDEO/MONITOR端子を装備。そのほか右端にMIC2(フォーン)、MIDI OUT、USB端子を搭載

PIONEER
SVM-1000
オープン・プライス(市場予想価格/650,000円前後)

SPECIFICATIONS

▪サンプリング・レート/96kHz
▪AD/DAコンバーター/24ビット
▪周波数特性/20H〜20kHz(DVD/LINE、MIC、PHONO)
▪SN比(定格出力時)/DVD/LINE:105dB、PHONO:88dB、MIC:84dB
▪外形寸法/500(W)×202(H)×411(D)mm
▪重量/8kg