ホーンやアコーディオンなどケルト・サウンドの響きをそのままパッケージング

BELA D MEDIAANTHOLOGY VOL.01 CELTIC WIND
高品位なサンプリング・ライブラリーで知られるBELA D MEDIAの新シリーズは、世界の民族楽器のシリーズAnthology。その第一弾として登場するのが本作だ。

ケルト音楽に使われる管楽器(アコーディオン類を含む)に特化していて、楽器はHighland Pipe(スコットランドのバグパイプ)、Uilleann Pipe(アイルランドのバグパイプ)、Bombarde(ブルターニュ地方のダブル・リード楽器。ビニウという小型バグパイプと一緒に使われる)、Low Whistle(民族リコーダー)、Whistle Low Whistle(より小型で音域が高い)、Tin Whistle(もとはWhistleの安いブリキ製代用品だったが、現在では広く使われている)、Concertina(ボタン式で小型の蛇腹楽器)、Accordion(右手鍵盤の普通のアコーディオン)、Celtic War Horns(角笛)の9種類。さて、実際にKontaktに読み込んで音を聴いてみると、さすが24ビットで収録されているだけあってどの楽器も音が良い。また、キーボードの低域(左手部分)で奏法の切り替えができるので、スタカートなどのほかに、アイリッシュ独特のベンドやトリルなどの細かい節回しを簡単に再現できる。もともとリコーダーやアコーディオンはサンプラーでのシミュレーションがやさしい楽器なのだが、これだけの音質と奏法があれば、生演奏なのかシミュレーションなのかの判別ができないところまで表現できる。収録はすべてドライなのも実用的で好感が持てる。なお、おまけとして19世紀に建てられた教会のリバーブ用IRが付き、これを使って空間シミュレートをするのも便利。ケルト系の楽器は音色は面白いが個性が強く、使う場面が限られる。だがアコーディオンやホィッスル類はいろいろなジャンルの音楽で広く使える。その意味では、本作は汎用性の高い高品質な製品である。ぜひWebサイトのデモで質を確認してみてほしい。

BELA D MEDIA
ANTHOLOGY VOL.01 CELTIC WIND
31,500円

■メディア:DVD-ROM 1枚
■容量:2.74GB
■DATA FORMAT:Kontakt2