このまま普通にシンセとして使うのもアリですが、SYNTAXの核となるのは読み込んだ音をKontakt2に搭載されたscatFXとstepFXという2つの機能で使うこと。scatFXはアタックとリリースの長さを8分音符とか16分という具合に設定することでパッド音にスパっとゲートをかけてリズミカルなフレーズ生成などを可能にします。stepFXは音程系に特化し、基本となるキーやメジャー、マイナーなどの調性を与え、リフなどの作成にもってこい。もちろん両方ともユーザー自身のアイディアを反映することもでき、要はSYNTAXと対話しながら作業が展開できること。また2つのFXを同時に使った場合、scatFXでリズムは8分で切り、stepFX側の音階やコードは4分単位で変化させるなどの連携設定では複雑なポリフレーズ的アプローチが楽しいし、さらにFX以外にフィルターやレゾナンス、MIDIでのCCコントロール、Kontakt2内蔵のエフェクトの併用などをすれば元ネタは同じでも、無限のバリエーションが幾らでも紡ぎ出せます。ホストDAW上にアドオンすればSYNTAX以外の音とのテンポ同期も可能なので楽曲に合わせながらあれこれ実験しつつ"これっ!"という瞬間にサクっと取り込めるのも作業を気楽に進められてよろしいです。毎回同じような音を使いがち、フレーズがなかなか浮かばないなどでお悩みの方には特に"困ったときのSYNTAX"として常備しておくと非常に役に立つソフトだと思います。
■メディア:DVD-ROM 1枚
■容量:3.76GB
■DATA FORMAT:Kontakt2