定評あるDJソフト専用インターフェースを内蔵した2chDJミキサー

RANETTM 57SL
最近思うのですが、これだけ現場にRANE Serato Scratch Live(以下SSL)が普及しているにもかかわらず、今のところそのインターフェースを常設しているクラブにお目にかかりません。そんな今、ついに国内でも販売が開始された話題の2chDJミキサー、RANE TTM 57SL。フェーダーと音質に定評のあったTTM 56をベースに、ミキサー自体のアップグレードとSSLインターフェース内蔵という偉業を達成した夢のマシン! DJの特権を乱用して皆さんよりもお先に、あんなことやらこんなこと、いろいろいじってみたいと思います!
TTM 57SLはアナログやCDの通常のミックス作業に加え、付属のSSLソフトウェアをコンピューターにインストールすることによって、ハード・ディスクに入っている膨大な楽曲をアナログやCDターンテーブルで制御し、DJができてしまうというDJミキサー。16ビット/44.1kHz対応のインターフェースとSSLコントロール・セクション以外はTTM 56とほぼ同じ仕様ですが、TTM 56では不評だったEQ横のGAINつまみがEQと同列に配置されたり、2種類のエフェクターが内蔵されたりとリファインが施されています。


中身に言及する前に、やはりRANEはツラが良い! トップ・パネル中央に配置されたSSLコントロール・セクションもスイッチの配置などが思っていたよりシンプルで、SSLの赤いマークがリッチな感じ。EQの横にあるバイパスのインジケーターが、スカル・マークになっているのもセンスがいい! インターフェース一体型なのにそれほどゴツい感じもしないし、見た目でアガります。

で、まずは接続から。インターフェース一体型なので、通常のターンテーブルとミキサーの接続のほかは、SSLソフトがインストールされたコンピューターとTTM 57SLをUSBケーブルでつなぐだけ。今までの接続のストレスを考えると泣けてきます......。USBを接続するとコンピューターに立ち上がったSSLソフトにDJミキサーのデザインに似たコントロール・エリアが現れます。これで直感的な操作が可能になる訳です。

マウスやキーボードに触らずに選曲やミックスが可能

ではTTM 57SLの肝であるSSLとのリンク具合を試していきたいと思います。コントロール・エリアには6つのグループがあり、ミキサー側のグループ・スイッチ(B1〜B6)を押して任意のグループを選びます。まず、B1とB2はDJプレイをする上で中心となるグループで、ロータリー・エンコーダーとスイッチの動作をするつまみを使ってバーチャル・デッキへ読み込むトラックを選んだり、キュー・ポイントの設定などをします。つまみを回転させるトラック選択は快適な操作感。通常のノーマル・スクラッチ・モードのほかに機能限定モードや内部再生モードに設定すれば、キュー・ポイントへのジャンプやジョイスティックを利用した逆回転などができるようになります。要はマウスやキーボードのショートカットを使用せず直感的な操作ができてしまうのです。

B3は再生モードの切り替えで、内部再生モードに設定した場合はターンテーブル無しでミックスすることも可能。つまみを回転させて行うピッチ合わせは結構新鮮で面白いかも。B4ではループの設定を行います。範囲を設定後にスタート・ポイントとエンド・ポイントを微調整できるので、奇麗なループを作れます。B5はメイン・アウトをSSLソフトに録音可能にするグループで、一発録りのミックスCDを作れちゃったりします。B6ではエコーとLFOフィルターの2種類のエフェクターを操作。LFOフィルターは結構面白いかかり方をするので、リアルタイムでレゾナンスやミックス値をいじって遊べますよ!

音質やフェーダーの操作性、EQなどは評価の高いTTM 56をそのまま受け継いでいてバランスの良い仕上がり。これからこうしたインターフェース内蔵DJミキサーは増えていくでしょうし、どう自分なりに使いこなしていくかが今後のテーマになってくると思います。

撮影/新木宏尚

センスの良いデザインに加え現場でのセッティングも容易


TTM 57SLはアナログやCDの通常のミックス作業に加え、付属のSSLソフトウェアをコンピューターにインストールすることによって、ハード・ディスクに入っている膨大な楽曲をアナログやCDターンテーブルで制御し、DJができてしまうというDJミキサー。16ビット/44.1kHz対応のインターフェースとSSLコントロール・セクション以外はTTM 56とほぼ同じ仕様ですが、TTM 56では不評だったEQ横のGAINつまみがEQと同列に配置されたり、2種類のエフェクターが内蔵されたりとリファインが施されています。中身に言及する前に、やはりRANEはツラが良い! トップ・パネル中央に配置されたSSLコントロール・セクションもスイッチの配置などが思っていたよりシンプルで、SSLの赤いマークがリッチな感じ。EQの横にあるバイパスのインジケーターが、スカル・マークになっているのもセンスがいい! インターフェース一体型なのにそれほどゴツい感じもしないし、見た目でアガります。で、まずは接続から。インターフェース一体型なので、通常のターンテーブルとミキサーの接続のほかは、SSLソフトがインストールされたコンピューターとTTM 57SLをUSBケーブルでつなぐだけ。今までの接続のストレスを考えると泣けてきます......。USBを接続するとコンピューターに立ち上がったSSLソフトにDJミキサーのデザインに似たコントロール・エリアが現れます。これで直感的な操作が可能になる訳です。 

マウスやキーボードに触らずに選曲やミックスが可能


ではTTM 57SLの肝であるSSLとのリンク具合を試していきたいと思います。コントロール・エリアには6つのグループがあり、ミキサー側のグループ・スイッチ(B1〜B6)を押して任意のグループを選びます。まず、B1とB2はDJプレイをする上で中心となるグループで、ロータリー・エンコーダーとスイッチの動作をするつまみを使ってバーチャル・デッキへ読み込むトラックを選んだり、キュー・ポイントの設定などをします。つまみを回転させるトラック選択は快適な操作感。通常のノーマル・スクラッチ・モードのほかに機能限定モードや内部再生モードに設定すれば、キュー・ポイントへのジャンプやジョイスティックを利用した逆回転などができるようになります。要はマウスやキーボードのショートカットを使用せず直感的な操作ができてしまうのです。B3は再生モードの切り替えで、内部再生モードに設定した場合はターンテーブル無しでミックスすることも可能。つまみを回転させて行うピッチ合わせは結構新鮮で面白いかも。B4ではループの設定を行います。範囲を設定後にスタート・ポイントとエンド・ポイントを微調整できるので、奇麗なループを作れます。B5はメイン・アウトをSSLソフトに録音可能にするグループで、一発録りのミックスCDを作れちゃったりします。B6ではエコーとLFOフィルターの2種類のエフェクターを操作。LFOフィルターは結構面白いかかり方をするので、リアルタイムでレゾナンスやミックス値をいじって遊べますよ!音質やフェーダーの操作性、EQなどは評価の高いTTM 56をそのまま受け継いでいてバランスの良い仕上がり。これからこうしたインターフェース内蔵DJミキサーは増えていくでしょうし、どう自分なりに使いこなしていくかが今後のテーマになってくると思います。
撮影/新木宏尚
RANE
TTM 57SL
オープン・プライス(市場予想価格/230,000円前後)

SPECIFICATIONS

■周波数特性/15Hz〜20kHz(+0/−3dB、最大ゲイン)
■全高調波歪率/<0.005%以下(0dBFS、20Hz〜20kHz)
■SN比/102dB(0dBFS、Aウェイト)
■外形寸法/254(W)×102(H)×343(D)mm
■重量/3.8kg