ひずみの質感まで考慮されたデジタル・ハードコア系ビート・ライブラリー

BIG FISH AUDIOGLITCH HOP
ヒップホップ界隈からも注目されている、キッド606に代表されるデジタル・ハードコア・ビーツ。その要素を含んだ34種類のコンストラクション・キットと、125種類のワンショット音で構成されたアバンギャルドなサウンドが満載の本作がBIG FISH AUDIOより登場。AIFF、Apple Loops、WAV、REX2と対応フォーマットがとっても柔軟なのもうれしいところです。

早速レビューを始めると、思わず"ひ、ひずんでる〜!!"と叫んでしまった。リズム、ベース、効果音、単体のキック、スネア、ハイハットなど、何から何までガシガシにひずんでいます。ひずみ方もサンプルによって、ディストーション、オーバードライブ、サチュレーション、とどめのビット落としと、そのバリエーションもなかなか広い。1種類のコンストラクション・キットにつき4つくらいの効果音が収録されているのですが、これがまた"かなり"な感じで、グリッジ系、クリック系、元ネタ完全に不明のノイズ系までと、まあ盛りだくさん。リズム+ベースにこれらの効果音を重ねて抜き差しするだけで、かな〜り楽しめます!とはいえ筆者は"ひずみ=低域が無くなってペナペナ"という先入観があったのですが、本作ではブリブリに重低音が出ていてかなり感心(気を付けないとスピーカーがヤバいぐらいです)。全編、これ飛び道具だらけ!というのが正直な印象。デジタル・ハードコア・ビーツぽいものを作るならば、本作はまずマストでしょう。しかし、ほかのジャンル(ジャンル分けは意味のない時代に突入してはいますが)でも、隠し味的な音ネタとしてかなり優秀なのでは? 例えば、同系統のヒップホップの音ネタをそろえるより、本作1枚を追加するだけで随分世界が広がります。個人的には、劇伴でオーケストラと混ぜて使うと非常に"21世紀初頭"といった感じが出ていいかも!?と想像も膨らみます。

BIG FISH AUDIO
GLITCH HOP
13,125円

■メディア:DVD-ROM 1枚
■容量:約3.15GB
■DATA FORMAT:WAV/AIFF/Apple Loops/REX2