手軽に高音質録音ができるコンパクト・レコーダーEDIROL R-1に続いてR-09が登場しました。ルックスもよりスタイリッシュ＆コンパクト。手に持った感覚は携帯電話さながらで、いろいろな場面で活躍しそう。レビューのためというより、あまりに面白くて毎日持ち歩くようになってしまったくらいです。
単三電池駆動により
長時間の高音質録音が可能
R-09はアイディアが浮かんだ瞬間にレコーディングができるWAV/MP3レコーダーです。24ビット／48kHz対応の高音質なので、ときにはそれが本番で使えるクオリティだったりします。さっと取り出せて即録音。まずは本体のレスポンスの早さに驚きます。中央のRECボタンを押せば即待機状態になります。マイクのゲインや外部マイクの入力切り替えなど必要な設定は背面のスイッチで行いますが、これは録音中でも変更可能。外で風や振動などが気になるときはローカットを入れておくとよいでしょう。そしてピークに気を付けて入力レベルを合わせたら、準備完了。ピークはディスプレイのメーター以外に、赤く点灯するインジケーターがフロント・パネルに付いているのも便利です。有機ELディスプレイは小型ながら見やすく、視野角の問題に悩まされない上、省電力。暗いところだろうと角度の悪いところだろうとフィールド・レコーディングの助けになることは間違いありません。記録メディアはSDメモリー・カードで、2GB（別売り）を使用した場合、320kbpsのMP3で約13時間、24ビット／48kHzのWAVで約２時間の録音が可能。本体は単三アルカリ電池２本で約４時間駆動できるので、長時間の録音も問題ありません。
サンプル録りから
バンドのリハーサルまで活躍
R-09は高音質で録音できるので、フィールド・レコーディング以外にも内蔵のステレオ・コンデンサー・マイクを近付けてパーカッシブな素材を作るのもいいでしょう。スネア、キックにとらわれず、どんなものでもたたいて音を録ってみましょう。コインを地面に落とした音、ドアを閉める音、リズムになる素材は生活の中にたくさんあります。録り終わった後はデータをDAWソフトで読み込んで編集するだけ。データ転送はUSBをつなぐだけで至極簡単（Mac/Windowsに対応）。USB 2.0に対応しているので、大きなファイルの転送にもストレスを感じません。ちなみにファイルには録音した年月日や時／分が名前として付けられるため、本体でのファイル管理やコンピューターへ転送した際の録音データの整理も問題なくできます。僕の場合、編集はコンピューター上で行い、そのままAKAI PROFESSIONAL MPC4000に送ってリズムを作ってしまいます。オフマイク気味に録れた素材も、リズムを組んだときに面白い効果が出ることがあるので、失敗と考えずいろいろ試してみるといいでしょう。皆さんは曲のアイディアを思い付いたとき、五線紙に音符を書きますか？ でも、それはどんな音で鳴っていますか？ イメージを記憶にとどめるのは容易でありません。メロディならまだしも、何かをたたいたときすごくいい音がして、そこから曲のイメージがわくことがあります。もしメロディやコード、リズムまで思い付いたら、クリックをヘッドフォンでモニターしながら、R-09にどんどん録ってしまうのがいいでしょう。バンドの場合は、メンバーにそうして作った自作曲のイメージをR-09で聴かせたら、そのまま演奏をR-09に録っていくのもあり。アイディアは新鮮なうちに封じ込めた方がいい結果につながるはずです。MIDIのデモより明確にアイディアを伝えられるし、録音も高音質で行えるので、もしかしたらその場で“レコーディング終了”となるかもしれません。このようにR-09はバンドの曲作りでも大いに役立つし、ほかにも録音済みのトラックを範囲指定してループ再生させながら楽器の練習ができる“A-Bリピート”など多彩な機能を搭載しています。こんな簡単で気軽にいい音が録れる時代が来たと思うと、うれしい限り。個人的にこれからマストなアイテムになりそうです。
▲左より電源スイッチ、入力レベル（+/−）、ACアダプター端子がある左サイド・パネル、右サイド・パネルにはヘッドフォン兼用のデジタル出力（オプティカル）、出力ボリューム（+/−）、ホールド・スイッチがあり、トップ（右上）にはアナログ入力（ステレオ・ミニ）、外部マイク入力（プラグイン・パワー対応）端子を装備、スロット部のふたを開けるとUSB端子、SDメモリー・カード・スロットが現れる
SPECIFICATIONS
■信号処理／AD/DA変換 ： 24ビット、44.1/48kHz
■データ・タイプ／MP3フォーマット（サンプリング周波数
