アナログ感覚で操作できるコンパクト・フラッシュ使用のデジタル8trレコーダー

FOSTEXMR-8

こんにちわっ。今回はFOSTEXの新製品、MR-8のご紹介です。まず目を引くのがそのルックス。めちゃくちゃコンパクトな本体の色は、赤、それもかなり鮮やかな赤であります。個人的に、車やインテリアなど、身の周りに赤がめちゃくちゃ多いボクなので、これはもうレビューを始める前からトキメキます(笑)。

コンパクトで電池駆動も可能な
デジタル8trレコーダー


では、早速使ってみましょう! ストレージ・デバイスには、最近デジカメなどでもポピュラーとなっている、コンパクト・フラッシュを使います。ハード・ディスクに比べるとコンパクトだし、電池の消耗も少なく済みますね。おかげで電池駆動(単三電池×6本)も可能となっています。付属の256MBのカードを使えば、16ビット/44.1KHzモードで約48分(モノラル換算)の録音が可能です(ノーマル・モード)。またサンプリング周波数を落として、録音時間を倍にするエクステンド・モードも用意されています。聴き比べてみましたが、エクステンド・モードだと若干ハイが足りなくなりますが、逆にコシが出るので用途によってはこれでも全然オッケーだな、と思いました。このモードなら、8トラックをフルに埋めても約12分の曲ができますね。付属カードを差して電源を入れたら、何やらデモ・ソングが自動的に立ち上がりました。ヘッドフォンをつないで聴いてみると(ヘッドフォン端子が2個あるのはうれしい)、外人さんが"フォステックス、フィーバー!"と歌っております。ナニも知らないとただCDを聴いているみたいだなー。でも、本体フェーダーを動かすと、当たり前だけどバランスが変わります。さて、"ぢゃあこのオケのベースをオイラのベースに差し替えてみよう!"ということで曲のプロテクトを外して録音。インプットをギターにして、ベースを接続。デモではベースはトラック3に入っていたので、トラック3の上のボタンを押し、録音ボタンを押しながらプレイ! それ!ベンベン。テンポ・マップが作成されていれば、クリックも出せるので便利です。んー、あまりに簡単に録音できてしまいました。聴いてみると、バッチリ良い音で録れています。問題は......プレイの内容かな(笑)。そもそもコード進行もよく分からないで弾いたしなあ。ということで、アンドゥ・ボタンで元に戻してもう1回。MR-8には、前の編集や録音をやり直すことのできるアンドゥ機能が搭載されているのですが、本体に専用ボタンがあるのはとても良いですねえ。もちろんその他の編集機能も充実。コピーやペーストなどの基本的なものから、トラックをまとめるバウンスなども用意されています。ともかく、編集機能はいわゆるデジタル・レコーダーがそろえているほとんどの機能を搭載しています。

USBでWindowsマシンと接続すると
WAVファイルのやりとりが可能


次に、エフェクトをかけてみましょう。エフェクトは、リバーブ、ディレイなど余韻系のものが用意されています。また録音時にはマイク・シミュレーター、ギター用のアンプ・シミュレーターなども搭載されております。ギター用のエフェクトとして、アナログ・ディストーションがあるのもうれしいトコロです。そうそう、内蔵マイクを使ってアコギを録ってみましたが、とっても良い感じに録れました。こういった生楽器ならMR-8の前で弾くだけでもOKなので、めちゃ手軽です。エフェクトやパンなどを本体のツマミで直感的にいじれるのも良い感じです。中身はデジタルなわけですが、操作体系はとってもアナログMTRチックなので、頭がぼーっとしているときでもいじれるのは、何よりありがたいことだと思いました。そして、なんだかんだで一応1曲が完成! 最後はマスタリング・エフェクトが大活躍します。これは最終的にマルチバンド・コンプで音圧を稼いだりするもので、プロのCD制作には欠かせないものですが、MR-8内蔵のエフェクトの効果は絶大です。しかも本体にパワー、ノーマル、ブライト、という3つのセッティングの専用ボタンが用意されているので、あっという間にエフェクトをかけることができます。んー、良い感じになったぞぉ。外部機器との拡張性も豊富です。MIDI OUT端子があるので、MR-8をマスターとしてシーケンサーやコンピューターと同期録音が可能になります。そしてUSB端子も装備。WindowsマシンとMR-8をUSBケーブルでつないでWAVファイルのやりとりができるので、完成した曲をWindowsマシンでCDにする、なんてこともできます。近ごろではMTR本体でCDを作れる機種も多いですが、かさばるし、最近のコンピューターならCD-Rドライブ搭載は常識なので、こっちの方がいいな、と思いました。印象としては、コンパクトながらかなりパワフルで熱いヤツだなあ、という感じを受けました。もちろんこれはキムチカラーの(?)赤、というのも大きいですが(笑)。あと、何と言ってもほとんどマニュアルいらずの操作性がうれしいっす。内蔵マイクで思い付いた曲のスケッチを録音、なんていうのもささ、とできますしね。音質はWAVファイルでの録音/再生なので、変な圧縮感がなく、とても素直な音です。そしてマスタリング・エフェクト!これは強力ですよ。ボタンを押すだけでオケにぐぐぐ、と迫力が出てくれます。これに慣れたらヤヴァイかもしれませんね(笑)。

▲MR-8のリア・パネル。左からDC IN、電源スイッチ、USB端子、フット・スイッチ、デジタル・アウト(オプティカル)、INPUT A SELECTスイッチが並ぶ

FOSTEX
MR-8
オープン・プライス

SPECIFICATIONS

■サンプリング周波数/44.1kHz/22.05kHz
■同時録音トラック数/2トラック
■同時再生トラック数/8トラック
■周波数特性/20Hz〜20kHz
■外形寸法/283(W)×65(H)×219(D)mm
■重量/約1.6kg(付属品除く)