キュー・ポイントの記憶や自動ループなど便利な機能が満載のDJ用CDプレーヤー

PIONEERCDJ-800

発売以来、各方面で驚きと賞賛の嵐であるCDJ-1000のコスト・パフォーマンス版CDJ-800がついにリリースされた。型番の数字が少ないからといって侮ってはいけない。このマシンには、CDJ-1000にも搭載されていない新しくて超便利な機能が満載なのだ。"それは一体何なのか? 早く知りたいっ!"という声が聞こえてきそうだけど、まずは基本的な部分をおさらいしてみよう。

ボタン操作で一発ループ再生
AUTO BEAT LOOP機能


ぱっと目に付くのがビッグジョグと呼ばれる直径206mmの大きなダイアル。まるでアナログのターンテーブルのようだが、こいつがすごいことをやってくれるんだよね。まずCDをフロント・ローディングの入り口から滑り込ませてスタートさせる。ジョグ・ダイアルの横の丸いくぼみのある部分を時計回りに軽く押し進めると、CD再生のスピードが押した瞬間だけ速くなる。逆に引くように回すとその瞬間だけ遅くなる。こんなことは説明しなくたってみんなもう分かってることだよね? "じゃあ、この円盤の表面の部分は?"と言うあなたにお教えしましょう! パネル右中程のJOG MODEと書いてあるところにあるVINYLスイッチを押してみよう。そして、円盤の上に手を乗せてみる。"ありゃ? 音が止まっちゃった!"と、驚いたあなたのためにもう少し説明しましょう。前作のCDJ-1000で採用され、CDJ-800にも搭載されているのが、このバイナル・モードだ。止まっちゃった音を再生するにはそのまま盤の上から手を離せばいい。そしてもう一度手を置いて、今度はアナログ・レコードのスクラッチよろしく、ゴシゴシ擦ってみる。するとあら不思議! アナログ・レコードと同じような感覚でスクラッチができてしまうのである。擦って、擦って、擦りまくって! 手を離すとアナログよろしくそのままCDは再生されるのだ。全く驚きである。ちゅーか、1年前にCDJ-1000が出たときには本当に驚いて腰が抜けそうになったものである。で、あれから1年。こんな機能は当たり前とばかりにさらに面白い機能を引っ提げて登場したのが、このCDJ-800なのである。パッと見た瞬間から何ができるのか予想がつくというのはとても重要なこと。そう言う意味でもCDJ-800は、とてもユーザー・フレンドリーにデザインされている。例えば、左上のAUTO BEAT LOOPボタン群。まずCDを再生して、ループなど何も設定せずに"ここ!"と思う場所でボタンを押す。まずはこの中から一番下の8と書いてあるボタンを押してみよう。そうすると2小節で自動的にループし始めるのだ。そうなのです。この8という数字は8拍という意味だったのです。このマシンには当然のことながらBPMカウンターが入っていて、自動的にその曲のテンポを検出している。で、ボタンを押したところから自動的に8拍のループを作ってしまう。で、その上に4、2、1とあるんだけど、察しのいい読者の皆さんならもうお気付きでしょう? これは拍数なんですね。だから1のボタンを押すと四分音符でループされるわけ。こりゃー面白いっすよ。でも、"四分音符のループじゃつまんない!"と言うあなた。そう言う人は以前からのマニュアルでループする機能を使えばいいんです。マニュアルで4拍(1小節)のループを作れば、1のボタンを押すと八分音符の連打になるんですよ。そうやって考えるとマニュアルで四分音符のループを作ってから1のボタンを押すとなんと32分音符の連打(ハウスとかトランスのドラム・ロール!)ができちゃうわけです。で、そこから曲に戻るのはLOOP OUTのボタンを押すだけ。こりゃ、めちゃくちゃ便利で面白いっす。

即座にスタート・ポイントに戻れる
新機能QUICK RETURN


まだまだ面白い新機能があるのだ。ディスプレイ右側にあるQUICK RETURNというボタンで、これを押しておくと直前までループしていた場所のスタート・ポイントを記憶してくれていて、ループしている最中やCD再生中にジョグ・ダイアルの天面に手を触れると、即座に記憶させていたスタート・ポイントから再生される。これはすごいぞ! 2台のターンテーブルでブレイクビーツをループさせるときのような効果が1台でできちゃうわけ。ループのつなぎ目のところでスクラッチを入れることもできるようになったのだ。もちろん、2台でやってるのではないからオーバーラップはできないんだけどね。でもすごいと思わない?確かにCDJ-1000に比べればマルチメディア・カードが付属されてなかったり、ピッチ・コントロールの全体の幅の設定を細かく変更したりできないけれど、ライブにはこれで十分! ほかにも±100%でのピッチ・コントロールや、デジタル・アウトが付いていたり、PIONEER製のミキサーと連動しての操作ができたり、当然リバースもできるしねぇ。これ以上何を求めればいいのかなぁ?っていうくらい至れり尽くせり。操作も簡単で、これだったらCDを回すのも苦じゃなくなるよね。DJがクラブでCDを使うことが既に当たり前になった今日このごろ。やっぱりPIONEERのCDJはレベルが高いね! これはだれもが納得。あっぱれです。
PIONEER
CDJ-800
110,000円

SPECIFICATIONS

■周波数特性/4Hz〜20kHz
■S/N/115dB以上
■接続端子/オーディオ・アウト(RCAピン)、デジタル・アウト(RCAピン)、CONTROL(ミニ)
■外形寸法/305(W)×108.5(H)×344.1(D)mm
■重量/3.9kg