オーディオ・インターフェース内蔵のUSBマイク。背面のXLR/TRSフォーン・コンボ端子にマイクや楽器を入力することで、2chでの録音にも対応する。マイクと外部入力ソースの設定は、専用アプリMotiv Mix(Mac/Windows)やMotiv Audio(iOS/Android)上でコントロール可能。リアルタイムでゲインを調整するSmartGate機能や、周囲のノイズを低減するリアルタイム・デノイザーなどのDSP機能によりMV7iと接続したマイク両方の品質を保つことができる。
150Hz辺りまでがしっかり録れる
SHURE MV7iの音声入力端子にSM57を接続し、両方で声を録って音質を比較しました。USBマイクの特長は差せばどこでもすぐ録音ができる手軽さだと思うので、場所は自室のパソコンの目の前で行い、コントロール・アプリMotiv Mixで設定を行います。プリセットでスピーチ(しゃべり)/歌/楽器の3つの適切な設定に変えられるところも非常に便利です。リミッターやリバーブもかけられます。
割と長めのUSB-Cケーブル(3m)が同梱しているのもうれしいです。USBケーブルはいろいろな製品に同梱されていますが、長いUSB-Cケーブルはあまりないんですよね。
本体LEDパネルは入力音量に応じて色が変わって分かりやすいですし、タップ・ミュート・ボタンも兼ねるため、録音しながらミュートを適宜行うことで簡易カフ・ボックスとしても使えそうだなと思いました。
まずは両方のマイクで同じ文章を同じ環境で読み上げて録音してみました。モードはスピーチで固定し、オート・ゲインのオン/オフも合わせて4パターン収録。MV7iはSM57よりも150Hz辺りまでの低域がしっかり録れていて声に深みや迫力が出ます。“そうそう、プロ朗読の音声ってこんな感じだよな”と、レコーディング・スタジオに行かず自宅で、難しい設定をしなくてもこの音を録れることに感動しました。
次に、同じ設定でクラシック・ギターにSM57、ボーカルにMV7iを立てて弾き語りしてみたところ、MV7iは120、180Hz辺りがかなり持ち上がりました。SM57と比べて10kHz辺りの空気感が伝わる成分はそこまで大きくなく、声域が高めの女性がハツラツとしゃべっても耳に痛くないバランスだと感じました。好みに応じて高域をマスクしている低域をより削るか、EQで高域をブーストすると補えると思います。
録音段階で周りの雑音を消せる
MV7iの外部入力には、XLRのほかにステレオTRSフォーンも接続できるので、キーボードのライン出力を接続すれば、音場に広がりのあるキーボード弾き語りがすぐ録れるのも大きな強みです。
録音段階で周りの雑音を消してくれるリアルタイム・デノイザーやボイス・アイソレーション機能があるのもうれしいですね。
APPLE iPhoneやAndroidなどスマートフォンへの接続も可能で、Motiv Videoアプリから直接FacebookやYoutube、Twitchなどでのライブ配信も行えます。いつでもどこでも気軽に、もうワンランク上のボイス・レコーディングをMV7iでしてみませんか。
いけだゆうた(BREIMEN)
【Profile】5人組オルタナティブ・ファンク・バンドBREIMENのキーボード&コーラス担当。楽器のみならずラジオ/動画/ジングル/SE/BGMや録音編集などを自身で手掛けるマルチプレイヤー。
SHURE MV7i
オープン・プライス
(市場予想価格:65,022円前後)

SPECIFICATIONS
⚫指向性:単一 ⚫入力:モノラル(XLRまたはTRSフォーン)およびステレオ(TRSフォーン) ⚫周波数特性:50Hz〜16kHz ⚫入力インピーダンス:5.8kΩ(XLR)/1MΩ(TRSフォーン) ⚫感度:−33dBV/Pa(@1kHz) ⚫ビットレート/サンプリング周波数:24ビット/48kHz(iOSでは16ビット/44.1kHz) ⚫外形寸法:207(W)×164(H)×90(D)mm ⚫重量:567g ⚫付属品:USB-Cケーブル、クイック・スタート・ガイド
REQUIREMENTS
⚫OS:Mac/Windows(Motiv Mix)、iOS/Android(ShurePlus Motiv、Motiv Video)
⚫共通:8GB以上のRAM、20%以上の空きストレージ(Motiv Mix)