RELOOP Mixtour Pro レビュー:Djay Proでのパフォーマンスに最適な最大4デッキ対応DJコントローラー

RELOOP Mixtour Pro レビュー:Djay Proでのパフォーマンスに最適な最大4デッキ対応DJコントローラー

 ALGORIDDIMのDJソフトDjay Proに対応したDJコントローラーとして知られるRELOOP Mixtourに、後継機となる4デッキDJコントローラーMixtour Proが登場しました。今回はDJ/プロデューサーのレイドバック・ルークとタッグを組み、彼の意見を反映させることで機能をパワーアップさせているとのことです。早速試してみましょう。

最大4つのデッキを2つのチャンネルで操作 Crossfader Fusion機能対応のクロス・フェーダー

 Mixtour Proは、DJアプリDjay Pro(iOS/iPadOS/Android OS/macOS/Windows対応)の操作に最適化されたコントローラーで、最大4デッキのDJミックスに対応します。筐体の大きさは、129(W)×51(H)×310(D)mm。フロント・パネルにヘッドホン端子(ステレオ・ミニ)を備え、リア・パネルには電源用のUSB-C端子、コンピューターやタブレットとの接続用のUSB-C端子(バス・パワー対応)と、マスター出力(RCAピン)が装備されています。

フロント・パネル。左はモノラル/ステレオ切り替えスイッチ。右の端子はヘッドホン出力(ステレオ・ミニ)

フロント・パネル。左はモノラル/ステレオ切り替えスイッチ。右の端子はヘッドホン出力(ステレオ・ミニ)

リア・パネル。左からマスター出力(RCAピン)、パソコンやタブレットとの接続用のUSB-C端子、電源供給用のUSB-C端子、電源ボタン

リア・パネル。左からマスター出力(RCAピン)、パソコンやタブレットとの接続用のUSB-C端子、電源供給用のUSB-C端子、電源ボタン

 トップ・パネルの構成は、中央部の上からマスター・ボリューム、選曲などに使うエンコーダー、その左右に曲のロード・ボタンがあります。トップ・パネル中央はパフォーマンス・セクションと呼ばれ、HOT CUE/AUTO LOOP/BOUNCE LOOP/SAMPLER/PITCH CUE/SAVED LOOPS/INSTANT FX/NEURAL MIXの機能を操作するRGBライト付きの8個のパッドをレイアウト。すべてのパッドを1つのチャンネルで操作するシングル・パッド・モードと、4つのパッドを各チャンネルに割り当てるスプリット・パッド・モードが選択できます。

 トップ・パネルの左右には、CHANNEL1/3とCHANNEL2/4のチャンネル・ストリップ。ゲイン、3バンドEQ、LEDインジケーター付きのフィルター(ローパス/ハイパス・フィルター)が並びます。その下はFX SELECTセクションで、ON/HOLDのパドル・スイッチや、DRY/WETエンコーダー、モニター切り替えボタンを装備。さらに下には、AUDIO LOOP、KEY MATCH、CUE、再生/停止などが操作できるトランスポート・パッドが配置され、これらのパッドの2色LEDにより、アクティブなチャンネルがどれかを認識できます。一番下には各チャンネルの縦フェーダーと、45mmのクロス・フェーダー、ヘッドホンのボリューム・コントロール。クロス・フェーダーはDjay ProのCrossfader Fusion(クロス・フェーダーを使ったトランジションFXをプリセット・リストから選択できる機能)に対応しています。

楽曲をパートごとに分離するNEURAL MIXに対応 ストリーミング音源のDJミックスも可能

 今回は、スマホ/タブレットでDjay Proアプリを操作してみました。本機のDJコントローラーのタイプとしては、PIONEER DJのDJミキサーDJM-S7やDJM-S9をコンパクトにしたような作り。それゆえに、個人的にとてもなじみがある使用感だというのが第一印象です。アプリを直接触らなくても、基本的にMixtour Proのみでミックスすることができました。パッドやパドル・スイッチの作りはとてもしっかりしていて、ミス・タッチしにくい大きさと配置です。フェーダーの感度も、筐体のサイズを考えるととてもよくできています。

 8つのパフォーマンス・パッドで操作できる各機能もとても便利です。MODE切り替えボタンで瞬時に各モードにアクセスし、1つのモードを8つのパッドで操作できるので、使い方に慣れてきたら非常に有用。中でもHOT CUEは、曲の中で8カ所までマーキングができ、一度マーキングすれば自動でセーブしてくれるのが良いです。ヒップホップやレゲエのDJ/セレクターがよく使うSAMPLERは、その利便性は言わずもがなでしょう。またDjay Proは搭載エフェクトの数が非常に多いのですが、INSTANT FXでは同時に8つのエフェクトを使うことができるので、直感的に面白いミックスを行うことが可能です。さらにNEURAL MIXは、リアル・タイムで任意のトラックからドラム、楽器、ボーカルなどを分離して、チャンネル・ストリップのEQやパフォーマンス・パッドで操作できる機能。試してみるととても感度が良く、つまみもシームレスに反応します。パート分離のモードは“INST/VOCAL”、“DRUM/HARMONIC/VOCAL”、“DRUM/BASS/HARMONIC/VOCAL”の3つから選択可能で、曲やジャンルによって使い分けできるのが良いです。

 さらに本機は、パソコンやタブレットに保存しているオーディオ・ファイルのみならず、Djay ProでApple Music、Tidal、SoundCloud、Beatport、Beatsourceといったストリーミング・サービスの音源でのDJミックスを行う際にも使用できます。ストリーミング・サービスの音源をDjay Proのデッキにロードする際に若干タイム・ラグを感じましたが、それでもDJパフォーマンスにはまったく支障がない速度です。ただし、ストリーミングの音源にはNEURAL MIX機能は使えないようです。

 最後に音質について触れておくと、今回のモデルから24ビットのDAコンバーターが新搭載されたとのこと。確かに大きなクラブで使っても、一般的なDJミキサーと遜色ない音質だと感じました。コンパクトな筐体ながら重量感があり、さらにつまみの感触や操作感がとても優れているMixtour Pro。DJプレイに必要なさまざまな機能を搭載した、次世代型DJコントローラーと言える内容です。

 

DJ WATARAI
【Profile】MUROやNitro Microphone Underground、MISIA、DOUBLE、AIなどへの楽曲提供でも知られるDJ/トラック・メイカー/プロデューサー。渋谷HARLEMのレギュラーDJとして活動中。

 

 

 

RELOOP Mixtour Pro

84,800円

RELOOP Mixtour Pro

SPECIFICATIONS
▪接続:USB-C ▪デッキ数:4 ▪対応ソフトウェア:ALGORIDDIM Djay Pro ▪外形寸法:129(W)×51(H)×310(D)mm ▪重量:956g

製品情報

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