MACKIE. ShowBox レビュー:着脱式ミキシングコントローラーを採用したオールインワンPAシステム

MACKIE. ShowBox レビュー:着脱式ミキシングコントローラーを採用したオールインワンPAシステム

 MACKIE.から、気になる機能満載のオールインワンPAシステムShowBoxが登場(夏ごろに発売予定)。急激なハウリングを回避してくれるフィードバックデストロイヤーや簡単なモード切り替えが搭載されたSRMシリーズなどを同社は既に展開していますが、果たしてShowBoxとは一体どんな製品なのでしょう? 早速チェックしていきます。

4時間の充電で最大12時間のバッテリー駆動 ミキシングコントローラーはマイクスタンドに装着可能

 大きさは300(W)×500(H)×249(D)mm。重量は9.5kgですが、本体上部についたハンドルが持ちやすく取り回しは重く感じません。縦置き、チルトバック、スピーカースタンド・マウントでの設置に対応。4時間の充電で最大12時間の内蔵バッテリー駆動が可能となっており、ストリートパフォーマンスや簡易なステージ設営などに向いています。

 入力は2系統のマイク入力(XLR)、ステレオ1系統/モノラル2系統のライン入力、外部エフェクト用のセンド/リターン(以上、TRSフォーン)、Bluetoothストリーミング、AUX入力(ステレオミニ)と豊富です。

リア上部に、バッテリーの充電状態を示すLEDインジケーター、フロントパネルのLED点灯ボタン、フィードバックエリミネーターボタン、屋内/屋外モード切替ボタン、PAスピーカー/アンプモード切替ボタン、USB-Cオーディオインターフェース用端子、Cat5ケーブル接続用端子、録音用microSDカードスロットが並ぶ。入出力部は、ch1/3のマイク入力(XLR)、ch2/4のライン入力、ch5-6は同時に使用できるライン入力L/R(以上、TRSフォーン)とBluetooth接続用ボタンとAUX入力(ステレオミニ)、外部エフェクト用のセンド/リターン、フットスイッチ接続用端子(以上、TRSフォーン)、ヘッドホン出力(ステレオフォーン)、ミックスアウトを備える

リア上部に、バッテリーの充電状態を示すLEDインジケーター、フロントパネルのLED点灯ボタン、フィードバックエリミネーターボタン、屋内/屋外モード切替ボタン、PAスピーカー/アンプモード切替ボタン、USB-Cオーディオインターフェース用端子、Cat5ケーブル接続用端子、録音用microSDカードスロットが並ぶ。入出力部は、ch1/3のマイク入力(XLR)、ch2/4のライン入力、ch5-6は同時に使用できるライン入力L/R(以上、TRSフォーン)とBluetooth接続用ボタンとAUX入力(ステレオミニ)、外部エフェクト用のセンド/リターン、フットスイッチ接続用端子(以上、TRSフォーン)、ヘッドホン出力(ステレオフォーン)、ミックスアウトを備える

 各チャンネルには独立した3バンドパラメトリックEQ、シングルノブ・コンプが搭載されており、PAと楽器アンプ用途を切り替えられるボイシングモード、屋内/屋外のパフォーマンス用セッティング、また、ハウリングポイントを自動で検出するフィードバックエリミネーター機能もボタン1つで簡単に切り替え可能です。

 こういったポータブルPAシステムはスピーカー背面にコントロールフェーダーやノブが搭載されていることが多いのですが、ShowBoxは着脱式ミキシングコントローラーを採用しています。

着脱式ミキシングコントローラーのフロントパネル。左のチャンネルコントロール・セクションには、1〜5/6のチャンネル選択ボタン、ボリュームノブ、3バンドパラメトリックEQノブ、シングルノブ・コンプ、2系統のエフェクトノブ、外部エフェクトのドライ/ウェット調節ノブを備える。右のメインコントロールセクションには、microSDカードへの録音ボタン、ShowBox本体のバッテリーの充電状態を示すLEDインジケーター、ヘッドホンボリューム・ノブ、メインボリューム・ノブ、ミュートボタンを用意。その下部に、ルーパーボタン/ループボリューム・ノブを搭載

着脱式ミキシングコントローラーのフロントパネル。左のチャンネルコントロール・セクションには、1〜5/6のチャンネル選択ボタン、ボリュームノブ、3バンドパラメトリックEQノブ、シングルノブ・コンプ、2系統のエフェクトノブ、外部エフェクトのドライ/ウェット調節ノブを備える。右のメインコントロールセクションには、microSDカードへの録音ボタン、ShowBox本体のバッテリーの充電状態を示すLEDインジケーター、ヘッドホンボリューム・ノブ、メインボリューム・ノブ、ミュートボタンを用意。その下部に、ルーパーボタン/ループボリューム・ノブを搭載

 ボタン1つでカチャっと取り外せるので、着脱時に破損させてしまうような心配はご無用です。付属のCat5ケーブルで本体と接続することで使用可能。このミキシングコントローラーは、付属のプラスチック製アタッチメントでマイクスタンドに装着可能なので、パフォーマンスをしながら演者自身がShowBoxを手元でコントロールすることができます。また驚くべきことに、このコントローラーで音量調整や各種エフェクトはもちろん、トーンシェイピング、ルーパー、チューナーなどが操作可能です。遠隔操作をしないときには、ShowBox本体に収納することができるので仕込みもバラシもとってもイージー。楽器も一緒に持ち運ぶことを想定するなら、荷物を減らすことのできる本機はとっても親切設計ですね。

ギターなどの音色加工に最適な豊富なエフェクト 演奏の幅を広げるルーパー機能

 早速サウンドをチェックしていきます。まず、昨今では必需機能といえるBluetooth接続にて、あらゆる楽曲を試聴していきます。400Wアンプはパワフルで低域がしっかりと響き、アコースティック音楽などにうれしいぬくもりのあるサウンドです。音量感、音圧も申し分ありません。分離感というよりは一体感のあるサウンドで、ワンオペでの生演奏やトークセッションなどに最適なのではないでしょうか。

 続いて、ボーカルマイクも試していきます。マイクは、SHURE SM58を使用。平均的なしっかりとした太めのテイストで、ボーカルパフォーマンスにも申し分のない出音だと思います。2系統使用可能なエフェクターも使用してみます。エフェクターは楽器とボーカルチャンネルで分けて使用することができるので、ギターアンプなどを用意しなくとも多彩なサウンド構築が可能です。リバーブの種類はホール、プレートなど豊富に搭載されています。ディレイなども使いやすくプログラムされており、いずれのエフェクターもどこかの帯域がへこんだりすることなく気持ち良くかかってくれます。ギター演奏に大活躍しそうなコーラス、オーバードライブ、ファズ、クランチ、フランジャー、フェイザー、トレモロ辺りは、エレピのパフォーマンスにも幅広く使用できそうですね。エフェクターは別売りのShowBox Two Button Footswitch(オープンプライス:市場予想価格5,940円前後)にて、オン/オフが可能。エフェクターの設定は、スナップショット機能で最大5つ保存することができます。

 ここで、筆者が特に気になったユニークなルーパー機能をピックアップ。試しに電子ピアノに搭載されたドラム音の演奏に使用してみましたが、創造意欲が刺激される使い心地でワクワクしました。ルーパー機能のボタンはミキシングコントローラー部にあり、1回押しで録音開始&停止、2回押しで再生停止、長押しで消去という仕様です。両手がふさがる楽器の演奏者には、先ほど触れたフットスイッチがお薦め。ルーパーを使ったパフォーマンスも可能と知り、オールインワンもここまで来たかと驚きました。魅力が多くて紹介し切れないのですが、そのほかにもライブ配信/ライブ録音用USB-Cオーディオインターフェース、microSDカードへの録音などの機能も搭載されています。

 立ち上げや設定に時間がかからず、豊富なエフェクターやルーパー機能も搭載し、さらには手元でのコントロールも実現と、とことん“パフォーマーファースト”に仕上がった、このShowBox。少し踏み込んだパフォーマンスや、運搬機材の量に悩まされている方々にはぜひチェックしてほしい一品です。

 

ハタナカミホ
【Profile】ライブハウス原宿ストロボカフェのPAエンジニアを務める。シンガーソングライター経験があり、自ら楽器演奏なども行う。また楽器店に勤務していた関係で、楽器や音響機器への造詣も深い。

 

 

 

MACKIE. ShowBox

オープンプライス

(市場予想価格:113,520円前後)

MACKIE. ShowBox

SPECIFICATIONS
▪スピーカー構成:8インチ径ウーファー(低域)+1インチ径チタニウム・コンプレッションドライバー(高域) ▪内蔵クラスDアンプ出力(ピーク):350W(低域)+50W(高域) ▪クロスオーバー:1.8kHz ▪周波数特性:48Hz〜20kHz(−10dB)、55Hz〜20kHz(−3dB) ▪指向性:90°(水平)×60°(垂直) ▪最大SPL:122dB ▪内蔵バッテリー駆動時間:最大12時間(フル充電時) ▪外形寸法:300(W)×500(H)×249(D)mm ▪重量:9.5kg

製品情報

関連記事