LOOPMASTERS ABERRANT BASS MUSIC レビュー:本場のクリエイター作のベース・ミュージック・サウンド

LOOPMASTERS ABERRANT BASS MUSIC レビュー:本場のクリエイター作のベース・ミュージック・サウンド

 多様化するクラブ・ミュージックの中で、ベース・ミュージックは常に進化と実験の最前線に存在し続けています。そんなベース・ミュージックに特化した『ABERRANT BASS MUSIC』は、ドラムンベース、ダブステップ、トラップ、IDM、UKベースはもちろん、110〜174BPMという広いテンポ・レンジのWAVファイルが収録されており、ジャンルを横断した制作に柔軟に対応可能です。UKを拠点に活躍するプロデューサーのオーウェン・スローターによる“本場のサウンド”が詰め込まれ、グルーヴィなベースやシンセから今どきのFX、テクスチャー感のあるドラムまで、選りすぐりの素材がそろいます。

 お薦めはベース。ノイジアのサウンドを想起させる即戦力として扱いやすいニューロ・ベースが収録され、多くのプロデューサーがベースをサンプル化して使用していることを前提に、丁寧に作り込まれています。私自身、メロディやコード感のない曲を作ることが多いのですが、ベースのローをカットしてオケとして使用しても、しっかり存在感が出て非常に良かったです。音作りに悩んでいる人や激しいベースのサンプルを持っていない方はぜひ手に取ってほしいです。

 新鮮なのが、独特な質感を持つドラム。ピッチ・シフターやディレイ、グラニュラー・シンセでより複雑に加工するのもいいですし、そのままでもクリエイティビティが刺激されました。サンプラーでスライスし、ミニマルに展開するのも良し!使い方次第で表情が大きく変わるので、ベース・ミュージック初心者から上級者まで制作の幅が広がります。

 

Fetus

Fetus 【Profile】2000年大阪生まれ、東京を拠点に活動する音楽プロデューサー/DJ。ベースミュージックを軸としたダンスミュージックを制作しており、これまでにベルリン拠点の〈HERRENSAUNA〉や東京拠点の〈TREKKIE TRAX〉からアルバムをリリースしている。その独自のサウンドは国内外で高く評価されており、イギリスのクラブカルチャーの重要メディア「MIXMAG」では「PRODUCER OF THE YEAR 2024」に選出された。2022年には盟友Oyubiと共に制作した楽曲「Earnin it」が、UKダンスミュージックシーンの中心人物であるBEN UFOにサポートされ、<BBC Radio 1>、<NTS Radio>、<Rinse FM>などの人気ストリーミング番組でも取り上げられた。2023年にはOyubiと共にレーベル〈Turing〉を立ち上げるなど、その活動はますます注目を集めている。 

 

 

LOOPMASTERS
ABERRANT BASS MUSIC

5,401円

(為替レートによる価格の変動あり)

LOOPMASTERS ABERRANT BASS MUSIC

▪メディア:ダウンロード販売 ▪容量:215MB ▪データ・フォーマット:WAV

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