ウォブル・ベースのような激しいベース音をハウスに組み込んだベース・ハウス。『GRINDING BASS HOUSE』はそんな荒々しいベース・ハウスに特化した、WAVとXFER RECORDS Serum用のプリセット&ウェーブテーブルのパックです。充実のベース・ループ100種をはじめ、スネア/クラップのビルドアップ、そして“Riser(上昇音)”だけでなく、音が下がっていく“Faller”も収録するなど、守備範囲は広いです。
耳を引くのは空間処理の丁寧さで、例えば“GBH_A#m_128_Bass_Synth_Loop_Selur”ではセンター寄りの音からリバーブのかかった音、さらに左右に広がった音などが次々に登場し、1つの素材の中で目まぐるしく音像が変化します。こうした空間演出を作り込むのは手間ですから、サンプルの時点で完成しているのはかなりうれしいです。
プリセットはベースとリードが計40種で、すべて4つのマクロがアサインされており、それらを動かすだけで音色に動きを作れます。ウェーブテーブルはすべてウォブル向きのハードなもの。フレームを動かした際のプツッとしたノイズやチリチリとした雑味などもなくスムーズで上質。中でも会心の出来だと感じたのが“BassTables 03”で、擬音で言えば“ヴォァエー”と強烈に抜けてくる中音域が魅力です。実際パック内で13個ものプリセットにこの波形が使用されていることからも、抜群の使い勝手がうかがえます。
ループからSerumの波形強化までをいっぺんに手に入れたい方にお薦めのパックです。
吉松悠太
【Profile】音楽理論学習サイトSoundQuestの制作者。またPlugmon名義でサウンド/GUIデザイナー、プログラマー、ピクセルアーティストとして活動している。UHMスクリプトから生成した独自波形を用いた「Anthem」シリーズをはじめ、主にu-he製シンセのプリセット集やカスタムスキンを多数リリースしており、同社にスキンやプリセット、ウェーブテーブルの公式提供も行なっている。
BLACK OCTOPUS
GRINDING BASS HOUSE
4,488円
(為替レートによる価格の変動あり)

▪メディア:ダウンロード販売 ▪容量:908 MB ▪データ・フォーマット:Serum、WAV