4イン/12アウトの音声入出力を有するオーディオ/MIDIインターフェース。モニター・コントローラーやDAWコントローラーとしても機能する。CV/Gate対応により、モジュラー・シンセなどとの親和性が高い仕上がりとなっている。6つのモード・ボタンと360°大型タッチ・センサー・ノブに加え、32個のLEDインジケーターを通じて、視覚的なフィードバックが得られ、直感的な操作が可能。また、すべての入出力にAKMコンバーターを採用している。
CV対応できるDAWコントローラー
モジュラー・コンセプトを軸に進化を重ねてきたBITWIG Bitwig Studio。新たに登場したBITWIG Bitwig Connect 4/12は、その世界をさらに広げる一歩となったように思う。
まず、BITWIGのトレードマークである鮮やかなオレンジ色が施された筐体は、見た目以上に堅牢で、手に取るたびに安心感を与えてくれる。目を引く大きなノブは、モード切り替えによってモニター音量やインプット・ゲインの調整に加え、DAWコントローラーとしても機能する。本機は左手の届く位置に設置しておくと操作しやすく便利なのでお勧めだ。
タッチ・センサー・ノブをダブル・タップでパラメーターをリセットできる機能も、“かゆい所に手が届く”操作性といえる。信号を視覚化するLEDインジケーターも、地味ながら便利だ。
さらに、本機はCVの入出力を装備しており、モジュラー・シンセをCV/Gate接続すればBitwig Studioからの信号で直接駆動させることも、逆にシンセの操作をBitwig Studioにフィードバックすることも可能だ。アナログとデジタルがシームレスにつながっていくような体験が得られ、BITWIGらしい思想がハードウェアという形で体現された印象を受けた。
直感性と柔軟性を兼備
筆者はユーロラック規格のオリジナル・モジュールを自作しており、ここではBitwig Connect 4/12につないで試してみた。
私はBitwig StudioのPoly Grid機能を、モジュラー設計やスケッチ用のツールとしても活用している。Poly Gridは非常に便利な機能で、多数のモジュールがそろっている。そのため、試作段階のアイディアを即座に具現化できるのだ。ただ、唯一不便に感じていたのは、画面上に増えすぎた細かなパラメーターの変更作業だった。しかしBitwig Connect 4/12があれば調整したいモジュールの上にカーソルを合わせて、本体のノブをひねるだけで微調整でき、作業が格段に快適になる。
アナログ・シンセの感触を模したコントローラーは多いが、実際にCV/Gate信号を扱えるオーディオ・インターフェースは今なお希少だ。Bitwig Connect 4/12はアナログとデジタルの境界を音楽家の指先によって、より曖昧にしてくれる。Bitwiggerにとって、これは単なるオーディオ・インターフェースではなく、モジュラーの直感性と、DAWの柔軟性が手のひらに収まったものだと感じた。
芦田勇人(yumbo)
これまでにトクマルシューゴ、oono yuuki band、ポニーのヒサミツ、菅原慎一バンドなどのサポートを務めてきたほか、テレビやCM音楽の制作も行う。
BITWIG Bitwig Connect 4/12
99,000円

SPECIFICATIONS
⚫電源:USBバス・パワー ⚫ビット/サンプリング・レート:最高24ビット/192kHz ⚫外形寸法:207(W)×59(H)×163(D)mm ⚫重量:1.45kg ⚫付属品:USB-Cケーブル、USB-C to Aアダプター、MIDI DIN toミニ・ジャック・アダプター×2、パッチ・ケーブル×4(ミニ・ジャック)