坂本龍一の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、日本では初となる最大規模の個展「坂本龍一|音を視る 時を聴く」が 東京都現代美術館で12月21日(土)から開催されている(2024年内は12月27日(金)まで。2025年は1月2日(木)より)。
日本では初となるインスタレーションの大規模展示
本展は、坂本の創作活動における長年の関心事であった音と時間をテーマに、未発表の新作と、これまでの代表作から成る没入型・体感型サウンド・インスタレーション作品10点あまりを、美術館屋内外の空間でダイナミックに構成・展開。作品を通して坂本の先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどるとともに、新しい一面が広く紹介されている。
一般展示に先駆けて行われた記者会見では、ゲストキュレーターの難波祐子、スペシャルコラボレーションを行ったアーティストの中谷芙二子、コラボレーションアーティストの岩井俊雄、カールステン・ニコライ、高谷史郎(敬称略)が登壇。
約10年にわたり、坂本のインスタレーション作品にかかわってきた難波は、「日本ではこのような大規模な形で坂本さんのインスタレーションを展示するのは初めての試み。坂本さんが届けたかった、時間とは何か、そして音を立体的に展示する設計するというのはどういうことかというのを一緒に体験していただきながら、今までの音楽鑑賞、あるいは美術鑑賞とは違う鑑賞体験をしていただきたい」と語った。
今回、坂本と共作した多くの作品を出展している高谷史郎は、「坂本さんはインスタレーションの枠からはみ出るようなことをいつも考えておられました。今回、展覧会の会場でいろいろはみ出しているところがあるかもしれませんが、それは新しい体験をしてもらおうということだと思います。じっくり鑑賞してもらえたらありがたいです」とコメントした。
アルヴァ・ノトとして坂本と20年以上にもわたるコラボレーションを続けてきたカールステン・ニコライは、新しい映画作品を2つ制作した。
「この2つの映画は、龍一とのコラボレーションの続きとなるもの。多くのアーティストとともに参加できたことに、コミュニティの大切さを感じています」
27年前の坂本の演奏する姿を作品で再現
岩井俊雄は、1996年、97年に坂本と行った、演奏を視覚化するパフォーマンスのシステムを元に新作を制作。当時のパフォーマンスの映像と、坂本の演奏のMIDIデータを発掘し、再構成したという。
「演奏をずっと後ろから全身でとらえた映像が、その演奏のデータがちょうどぴったり合う形で残されていたんです。27年前の映像とMIDIデータを組み合わせ、坂本さんご自身が坂本さん所有のピアノを演奏するというシーンを再現することで、実際の坂本さんの演奏を目の前でご覧いただけるような作品になりました」
特設ショップでは『インタビュー:坂本龍一 特装版』も販売
本展に合わせ、会場内には特設ショップも展開。記念グッズやアパレル、レコードなどのほか関連書籍も販売されている。小社の刊行物では、予約限定だった『インタビュー:坂本龍一 特装版』も特別販売。『/04』『/05』オフィシャルスコアブックの復刻版も販売されている。
「坂本龍一|音を視る 時を聴く」
- 会期:2024年12月21日(土)〜2025年3月30日(日)
- 開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
- 休館日:月曜日(1月13日、2月24日は開館)、12月28日-1月1日、1月14日、2月25日
- 会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F ほか(東京都江東区三好4-1-1)
- 観覧料:一般2,400円/大学生・専門学校生・65 歳以上1,700円/中高生960円/小学生以下無料
- 主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、朝日新聞社、テレビ朝日
- 協賛:カカクコム、デジタルガレージ、東邦レオ、NISSHA、ニューバランスジャパン、 山田養蜂場
- 特別協力:KAB Inc.、KAB America Inc.、ダムタイプオフィス、 エイベックス・エンタテインメント、ケィ・ガレージ、タケナカ、東邦レオ、 ホットスタッフプロモーション、ユニクロ
- 協力:J-WAVE
- 助成:文化庁・令和6年度我が国アートのグローバル展開推進事業
- 機材特別協力:イースタンサウンドファクトリー
- 技術協力:ヘキサゴンジャパン
- 機材協力:アートウィズ、カラーキネティクス・ジャパン、ブリックス
関連書籍