サム・スミス「アンホーリー feat. キム・ペトラス」の制作をプロデューサーが解説

サム・スミス「アンホーリー feat. キム・ペトラス」

サム・スミスとキム・ペトラスによる「アンホーリー」は2022年の最大のヒット曲の1つだ。この曲はスミスとペトラスのほかにジェームス・ネイピア、イリヤ・サルマンサデーそしてサーカットによって作曲とプロデュースが行われた。サーカットが当時を回想する。

ビッグなボーカルを求めて一斉に歌った

 「この曲はサムが僕らをジャマイカでのセッションに呼んだときに始まりました。曲作りは大人数で、しかも全員が参加する形で進みました。恐らくオマーがギターでこの曲のコード進行を弾いたのが始まりでしたが、最終的にそのギターは使われていなかった気がします。それからサムが幾つかのメロディを考えて、僕はXFER RECORDS Serumを使って“こんなベースはどうかな?”と提案しました。普段は僕がマニピュレーターになることも多いですが、このときはイリヤが担当してくれたので、僕はアイディアやインスピレーションを与える役割でした」

 「アンホーリー」は不穏な雰囲気と重厚なビート、そして分厚いコーラスが生み出すダークでゴスペルチックな雰囲気がある。

 「皆が追い求めたのは、ハーフタイム風なハイパーポップ・サウンドでした。なのでビートはエッジーでハードにしたかったんです。それと、この曲の中にはいろんな面白いサウンドが散りばめられているのも特徴です。セッション中に曲をかけながら誰かがAPPLE iPhoneのボイスメモを回していて、僕はボトルを鉛筆か何かでたたいたのですが、それがそのまま曲に採用されました。曲のバイブスが固まってくると、サムとジミーがほかの部屋で歌詞作りに取り掛かりました。数時間後に戻ってきて歌ったときに、みんながこれは良いものができたと感じました。ビッグなボーカルが欲しかったからみんなで集まり、一斉に歌ったり、オクターブ上げたり下げたり、ふざけ合いながらサウンドを作っていたから、みんな笑い転げてましたね」

Release

『グロリア』
サム・スミス

ユニバーサル/2023

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