話題のミニ・シンセ「Pocket Operator」で遊んでみた!

iPhoneサイズで1台9,800円!


シンセサイザーのOP-1で知られるスウェーデンのメーカー=TEENAGE ENGINEERINGから新製品が登場しました。
その名もPocket Operatorシリーズ!
上モノなどの演奏に向けたシンセ「PO-16 Factory」とシンセ・ベースの「PO-14 Sub」、リズム・マシンの「PO-12 Rhythm」の全3機種をラインナップし、価格はいずれも9,800円。
サイズはAPPLE iPhone 6よりもやや小ぶりで、とにかくコンパクトなのが特徴の1つとなっています。iPhone
▲iPhone 6と並べてみたところ。横幅はほぼ同じで、縦の長さはPocket Operatorシリーズの方がやや短いhttps://youtu.be/uags9gbIis
▲3機種の外観を見てみましょう 

モデリング/サンプル音源や16種のFXを搭載


サイズだけでなく、多機能ぶりも魅力。
どのモデルもデジタル音源や16種類のエフェクトを搭載し、音源部にはFMやウェーブテーブル、物理モデリングといった方式による音色、エフェクト部にはローサンプル・レート/ビット・クラッシュ/ディレイ/ローパス・フィルター/スタッター/リピート/ノート・シャッフル/フィードバックなどのエフェクトが備えられています。rhythm
▲PO-12 Rhythmのパネル。左上のsoundボタンでは音色、patternボタンではパターンの選択&演奏が行えます。パターン再生中に、右下のFXボタンを押しながら任意の数字ボタンを押すと、そのボタンにアサインされた内蔵エフェクトを出音にかけることが可能http://youtu.be/J88oCIxReqM
▲PO-12 Rhythmの内蔵音色を鳴らしているところ 

16ステップ・シーケンサーや内蔵スピーカーも


さらにプログラマブルな16ステップ・シーケンサーも装備されていて、最大16のパターンをリアルタイム/ステップ入力の両方で打ち込んだり、本体メモリーに保存することが可能。
ノートの入力にはパネル上のボタンを使いますが、小さいのにきちんとクリック感があって、快適に打ち込めます。
そして極めつけは、電池ホルダーの下に入っている内蔵スピーカー!
別途モニター機器を用意せずとも演奏が楽しめるわけですね。texture_of_butt
▲打ち込みや演奏に使用するボタンは高さがあり、押したときのクリック感も心地良いです。コンパクトなのはいいけれど、扱いづらい!と悩むことはないでしょうspeaker
▲電池を取ると、ホルダーの下に内蔵スピーカーが見えます。音を鳴らすときは電池に覆われるわけですが、結構大きな音量も出せますよ!http://youtu.be/0y-1-albIeE
▲PO-12 Rhythmでパターンをプレイ。複数のパターンをつなげて再生することもできますhttp://youtu.be/
SJLPVpLUjc
▲こちらは内蔵エフェクトを使っている模様http://youtu.be/B7KrmM6yCGY
▲4つ打ちを打ち込んでいるところ。16個の数字ボタンが各ステップになっています 

テンポ同期だってお手の物!


3つのモデルは、それぞれステレオ・ミニのオーディオ・イン/アウトを備えています。
オーディオ・アウトは、スピーカーやヘッドフォンを接続してのモニタリングなどに使用可能。
また各機をステレオ・ミニ・ケーブルで連結すると、テンポを同期させることができます!
Pocket Operatorシリーズだけで完全なオケを作ることもできますね。audio_in
▲ボディの向かって左側にステレオ・ミニのオーディオ・インを装備audio_out
▲反対側にはステレオ・ミニのオーディオ・アウトがスタンバイ2sync
▲ステレオ・ミニ・ケーブルで接続し、各機で同期設定を行うとテンポ・シンクさせた状態でプレイ可能http://youtu.be/udtSnTGePfQ
▲PO-12 RhythmとPO-14 Subによるリズム隊のセッション♪ 勘の良い方は既にお気づきかもしれませんが、
各機のオーディオ・インはテンポ・シンク用の信号入力としても使えるのです。
つまりほかのシンセからパルスなどを入力すれば、スレーブとして機能するわけですね。
そこで編集部はROLAND TB-303のGateアウト(ノートのON/OFF情報だけを出力できる端子)を使い、
Pocket Operatorシリーズのテンポをコントロールしてみることに。303sync
▲とりあえずつないでみたけど……うまくいくのか!?まずはTB-303で8分音符のパターンを入力。ノートは何でも良かったのですが、今回はすべてCで打ち込みました。
すると“プッ、プッ、プッ、プッ……”と規則正しくCのノートが鳴るパターンができたので、
GateアウトをPO-12 Rhythmのオーディオ・インに入力。
もう1台つなげてみようということで、PO-12 Rhythmのオーディオ・アウトをPO-14 Subのオーディオ・インに接続しました。
するとTB-303で設定したテンポに従い、PO-12 RhythmとPO-14 Subが走行するではありませんか!
以下にアップした動画ではアシッド・ハウスっぽいフレーズを鳴らしていますが、
これはPO-12 RhythmとPO-14 Subのみで出しているサウンドで、
TB-303の音は混ざっておりません(音色がやや似ているので念のため……)。
TB-303のテンポ・ノブをひねるとリアルタイムに速さを変えることができて、これがまた楽しい。
テンポに応じてPocket Operatorシリーズの液晶内のグラフィックが変化するのもユニークですね!http://youtu.be/waSjNK42a8c
▲TB-303をテンポ・マスターにして、PO-12 RhythmとPO-14 Subを走らせてみた以上、Pocket Operatorシリーズのレポートでした。
現在YouTubeには、同シリーズを使ってエレクトロニック・ミュージックを制作しているこんな動画も上がっているので、興味のある方はぜひっ!
また『サウンド&レコーディング・マガジン8月号』(6月25日発売)ではアーティストによるレビューが掲載される予定なので、お楽しみに!