ぺぺろんPがZ420 Workstationをチェック 高いスペックが音楽制作にもたらすメリットとは!?

DAWでの音楽制作環境で快適さを実現するために、自作マシンとは別の選択肢として、映像編集やアニメーション制作など、極めて高い処理能力を要求される現場で使用されるワークステーションにも注目が集まってきている。今回ご紹介する日本ヒューレット・パッカードのZ420 Workstationは、DAW音楽制作においても最適なチョイスと言えるだろう。果たしてその使用感は? ボカロPとして日々Windowsベースで制作を行っている、ぺぺろんPに話を聞いた。




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ソフト・シンセやプラグイン・エフェクトの進化は著しく、DAWでの音楽制作におけるそれらへの依存度は日増しに高まっている。そうした制作環境で快適さを実現するためにはパワーのあるコンピューターが必要となるため、Windowsベースで制作を行うクリエイターの中には、自作でハイ・スペックなマシンを作り上げる者も少なくない。一方、映像編集やアニメーション制作など、極めて高い処理能力を要求される現場で使用されるワークステーションにも注目が集まってきている。今回ご紹介する日本ヒューレット・パッカードのZ420 Workstationもその1つ。インテル® Xeon® プロセッサーを搭載した同機は、DAW音楽制作においても最適なチョイスと言えるだろう。果たしてその使用感は? ボカロPとして日々Windowsベースで制作を行っている、ぺぺろんPに話を聞いた。



Photo: Hiroki Obara



高校入学祝いにもらった
Windowsパソコンで音楽制作開始


ぺぺろんPが本格的に音楽制作を開始したのは高校時代のこと。Windowsパソコンを入学祝いに買ってもらったのがきっかけだった。


「中学時代から携帯電話でMIDIを使った着メロ作りをしていて、パソコンを使えばより高度なことができることは知っていたので、買ってもらってすぐに始めました。今から7〜8年前の話です。最初はフリーのシーケンス・ソフトとYAMAHAのDTM音源モジュールでゲーム音楽などの耳コピをしていましたね。フリーのソフトがたくさんあるのもWindowsの魅力だと思います。その後、大学入学と同時にわりと高性能なノート・パソコンを手に入れて、いろいろなソフトを試しながら最終的にはSTEINBERG Cubaseに落ち着きました。その環境で2年くらい使ってから現在のデスクトップ・マシンに移行し、3年が経過したところです」


ぺぺろんPが現在使用しているマシンのスペックは次の通り。インテル® Core i7-960 プロセッサーに16GBのメモリーを搭載、OSはWindows 7 64ビットを使用している。


「ソフト・シンセやプラグイン・エフェクトを多用するようになってから、それまで使っていたノート・パソコンでは処理が重くなりすぎたので、今のマシンをBTOで購入しました。しかし、その後もさらに処理能力が必要になってきたため、メモリーを増やしたりCPUを載せ替えたりして今に至っています。今でも、作業が進みトラック数が増えてくるとだんだん重くなってくるので、ソフト・シンセを鳴らしているMIDIトラックをオーディオ化したり、やり繰りしながら作業を進めています。大体分かるんですよね、“そろそろオーディオ化しなきゃいけない”というタイミングが(笑)」


ハイ・スペックであることが
クリエイションに与える影響


今回、ぺぺろんPがテストしたマシンはZ420 Workstationのハイ・スペック・モデル。インテル® Xeon® プロセッサー E5-2687W(3.10GHz、8コア、20MB、1,600MHz)を搭載し、メモリーは16GB、OSはWindows 7 64ビット。DAWはCubase 6.5で、音源は、NATIVE INSTRUMENTS The Komplete、SPECTRASONICS Omnisphere,、TOONTRACK Superior Drummerなどのソフト音源のほか、ハードウェアのYAMAHA Mox 6とROLAND Integra-7も使用して、なるべくマシンに負荷をかけるような制作を行ってもらった。


「やはり動きが速いですね。それに、先ほど言った“そろそろオーディオ化しなきゃ”というタイミングにいくまでに余裕がある。普段使っているマシンだと、その局面でムリをさせると再生位置が飛んだりすることがあるのですが、問題ありませんでした。どのくらい重たい処理に耐えられるか、プラグイン・エフェクトもいつもよりも多めに立ち上げてみました。CubaseにバンドルされているStep Filterというリアルタイムで動き続けるフィルターをずっと動かしながらレコーディングしてみましたが、大丈夫でしたね」


普段は、CPUの負担軽減にMIDIトラックをオーディオ化するほかに、オーディオ・インターフェースのバッファ・サイズを大きくして対応することもあるという。


「ただ、バッファ・サイズを大きくするとレイテンシーも大きくなってしまうので、当然作業の快適さは損なわれます。その点、マシン・スペックが高いとバッファ・サイズを小さくしておけるので、レイテンシーも小さくて済む。僕は、MIDIの打ち込みもリアルタイム入力で行うことが多いのでレイテンシーが小さいのはありがたいです。いつもの環境よりもレイテンシーを詰められて、入力がとても快適でした」


この快適さは作品のクオリティにも大きく影響するだろう。ぺぺろんPは、ほかにもマシン・スペックが高いことによるクリエイションへの影響を次のように語ってくれた。


ソフトを用いた動作チェックに続き、ギター録りを行ってレイテンシー面の確認をしたが、その結果も良好だったと言う。


「作曲の始めの段階では、ソフト・シンセやプラグイン・エフェクトをたくさん立ち上げて試行錯誤をすることが多いので、スペックの高いマシンだと、こういった作業の自由度がかなり上がりますね。逆にマシン・スペックが足りないと“このシンセとエフェクトは同時に起動できないから……”などと余計なことに気を取られてしまいます。そういうことをやっていると、どんどんやる気が削がれていくんですよね(笑)。そういう意味でも、マシン・スペックが制作に与える影響はかなり大きいと思います」


水冷式冷却やサポート体制も
快適な制作環境をアシスト


そのほかにも、Z420には音楽制作に適したアドバンテージがある。CPUの冷却が水冷式なのだ。通常コンピューターは空冷式が多く、ファン・ノイズの大きさがしばしば問題となる。その点、水冷式はノイズが比較的小さく、サウンドを扱う現場に適しているのだ。


「すごく静かですね。普段使っているコンピューターはCubaseを立ち上げるとゴーッというエアコンのような音がするのでなおさら静かに感じました」


音が静かなだけでなく、冷却効果の面でも水冷式は優れている。CPUは一定の温度に到達すると、それ以上上がらないように性能を抑える機能を備えている。逆に言うと、冷却効果が高ければそれだけCPUのポテンシャルを引き出せるということで、制作効率を上げることができる。この点でもメリットは大きい。


また、Z420は東京の昭島市で組み立てが行われ、サポートも365日対応。故障時には、連絡した翌日には技術スタッフが修理に訪れる。時間を無駄にできないプロフェッショナルにとって、このバックアップ体制は魅力だ。


「今使っているコンピューターのグラフィック・ボードが故障して、復旧にすごく時間を取られたことがありました。サポートがしっかりしていると安心して制作に集中できます」


マシン・スペックの高さによる作業効率の向上だけでなく、こうした見えない部分のクリエイションへの貢献度も特筆すべき点と言えるだろう。


今回使用したZ420は、8コアのインテル® Xeon® プロセッサーを搭載したトップエンド構成なので、参考価格も530,250円となる。昨今、自作PCやショップ系BTOモデルで4コアのインテル® Core i7 プロセッサー/メモリー16GB程度のスペックであれば、300,000円ほどで組むことが可能だ。その能力を今回のZ420と比較してもおそらく8割程度の作業はカバーできるだろう。しかし、マシン・スペックや手厚いサポートがクリエイションに与える影響は相当に大きい。プロのクリエイターがストレスのない作業環境を構築するために、仕事のクオリティの担保として“残り2割の部分を投資する”と考えれば、500,000円を超える価格も決して高くはないだろう。ぺぺろんPも「高いとは思わない」とのことで、次にマシンを導入するときも相応の投資の必要性を感じている様子であった。


一方、Z420には4コアの3.60GHzインテル® Xeon® プロセッサー E5-1620を搭載したコストパフォーマンスの高いモデル(参考価格299,250円)も用意されている。Z420はニーズに合わせた多彩なスペックからチョイスできるので、ぞれぞれに合ったプランで検討してほしい。




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▲今回使用したソフト・シンセやプラグイン・エフェクトの一部。WAVES H-Delay、TOONTRACK Superior Drummer、NATIVE INSTRUMENTS Massive、SPECTRASONICS Omnisphere


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▲「レイテンシーは3〜5msならば違和感なく弾けます」とぺぺろんP。デバイス設定では入力:2.354ms、出力:4.521msの表示


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▲ギターやベースの演奏をレコーディングする際にはレイテンシーがシビアな問題になるが、ハイ・スペックなZ420なら余裕で対応


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ぺぺろんP


高校時代に独学で作曲を学び、大学入学後から本格的にDTMを開始。2007年に初音ミクを導入し、動画投稿サイトに作品を発表。以降“ボカロP”として最前線で活躍。東京工芸大学非常勤講師も務める。最新作はU-Rythmix「いろはぁと feat.猫村いろは」。


今回テストで使用した
HP Z420 Workstation


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  • OS/Windows 7 Professional (64ビット)

  • CPU/インテル® Xeon® プロセッサー E5-2687W (3.10GHz、8コア、20MB、1600MHz)

  • 冷却方式/水冷式

  • RAM/16GB DDR-3 SDRAM (1,600MHz、ECC、4GB×4)

  • グラフィックボード/NVIDIA Quadro 600 1GB (PCI Express、デュアル・ディスプレイ対応)

  • ハードディスク/2TBハードディスクドライブ(SATA、7,200rpm)

  • ドライブ/最大16倍速DVDスーパーマルチドライブ

  • 外形寸法/177.8(W)×445.2(H)×447.6(D)mm

  • 重量/約13.2kg(標準構成時)

  • ディスプレイ/ZR2440w(24インチ液晶モニター)






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