Facebookページで楽曲試聴&販売が無料でできる ミュージックアプリ"viBirth App"が登場!

アーティストと音楽配信サイトの仲介をするアグリゲーターとして、配信サービスやアーティスト・サポートを手掛けるviBirthより、Facebook専用のアプリケーションがリリースされた。海外ではレディ・ガガなどに代表されるSNSを利用したプロモーションが潮流となっており、多くのアーティストが多様なミュージック・アプリを使用している。しかしそのほとんどは海外サービスで日本語には非対応のため、英語の知識やサポート面でハードルが高い存在でもある。"viBirth App"は国内サービスとしては初の無料で利用できるミュージックアプリだ。ここではアプリの機能解説と使用アーティストによるインプレッションをお届けしたい。

ミュージシャンの用途に合わせた
アプリ内のトップ・ページ構成が可能


まずはこのアプリの概要を説明していこう。viBirth AppはFacebook専用のアプリで、Facebookページ内で機能する。アプリのインストールはFacebookで"viBirth App"を検索してインストールするだけ。ただし、アプリを利用するには事前にFacebookページの開設と、viBirthへのアーティスト会員登録が必須となる。



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▲画面1:女性アーティストNeat'sのviBirth Appのトップ画面。Musicがデフォルトのタブとして選択されているため、viBirth Appのページに移動してすぐに音源を試聴することができる


続いて機能の説明に移りたい。viBirth Appのトップ画面は画面1のようになる。ちなみにアプリ画面への移動はインストール後にFacebookページ上部に設置されたviBirth Appのタブ(画面2)をクリックする。


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▲画面2:viBirth AppをインストールするとFacebookページの上部タブに"viBirth App"が表示される。アイコンやタイトルはカスタマイズが可能だ


viBirth Appのメイン・タブはMusic/Video/Schedule/Links/Photoの5つとなる。Musicはこのアプリの最大のポイントで、Facebookページ内で楽曲再生が可能だ。各表示トラック横の「いいね!」を押せば、ユーザーのニュースフィードにジャケット付きの試聴音源を共有でき(画面3)、もちろんスマート・フォンでの再生も可能(画面4)。


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▲画面3:Neat'sのviBirth App内でいいね!をすると、このような画面がFacebookユーザーのニュースフィードに表示される。ジャケットをクリックすれば試聴も可能だ


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▲画面4:viBirth Appはスマート・フォンからの直接試聴も可能。画面のジャケットにタッチすれば音楽が再生される


販売サイトであるiTunes StoreやAmazon MP3などへ誘導することができる(画面5)。これによりFacebookページのフィードを閲覧するフレンドを介したバイラル的なプロモーションが実現するというわけだ。


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▲画面5:画面01の試聴部分でGet Downloadをクリックすると、どの配信先から購入するかの選択画面が表示される。購入が可能なタブは各アーティストの配信先との契約にもよる


メイン・タブの説明に戻ると、VideoはYouTubeムービーの再生機能(画面6)、Scheduleはライブ・イベントなどのスケジュールの表示場所として(画面7)、LinkはWebサイトなどのリンクを表示し、PhotoはFacebook内の写真をまとめて見せることができる(画面8)。


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▲画面6:Videoのタブを選択した画面。YouTubeムービーの再生が可能で、アプリ内での再生、もしくはYouTubeへリンクしての再生も可能


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▲画面7:Scheduleのタグを選択した画面。会場/開催日時/イベント タイトルが見やすくレイアウトされる。右のMoreをクリックすればさらに詳細な情報を見ることができる


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▲画面8:Photoのタブを選択した画面。Facebookのニュースフィードに投稿された写真をすべて一覧で表示することができる


画面下部には、My Select/Facebook/Twitterなどのタブも存在し、My SelectにはCDやグッズ、各種プレイガイドで発売中のチケットなどのリンクが設置できる。FacebookはviBirth App内にFacebookページのウォールを、Twitterは同じくTwitterのタイム・ラインを表示する機能だ。


viBirth Appのトップ・ページの表示は画面上部と下部のデフォルト・タブを選択できる(画面9)。音楽を聴かせたいならMusicをデフォルトに、PVやライブ映像をアピールするならVideoと、各趣向に合わせたトップ・ページの構成が可能。加えてトップ・ページに配置されるアーティスト写真のスペースは、ライブ情報、新作情報などのバナーとしても利用できる。


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▲画面9:画面01を下にスクロールすると下にもタブが表れる。この場合はMy Selectをデフォルト・タブとして指定。公式YouTubeチャンネルとブログのリンクが張られている


配信音源のファイル形式に関してはMP3/WAVで、WAVのサンプリング・レートは16ビット/44.1kHz〜24ビット/192kHzまで対応する。音源の試聴は、フル試聴もしくは部分試聴が選択でき、後者は試聴個所の調節も可能だ。


配信先の販路に関しては、既に販路を持つアーティストの場合はリンク先を登録するだけで配信が可能。そうでない場合もviBirthを通して配信先を申請できる。この点もviBirthはアグリゲーターとしてのサポートを行っているため心強い。ちなみに配信サイトはviBirth(MP3/WAV)、iTunes Store、Amazon MP3、GIGAフル(着うた/着うたフル)などを用意する。さらにページ更新の容易さもこのアプリケーションの魅力だ。viBirthに会員登録すると、viBirth Music Managerという専用の管理ページが割り当てられるため、ここから音源のアップロードからスケジュールの追加、動画など、すべてのタブの情報を更新することが可能だ(画面10)。


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▲画面10:viBirth Appの更新をつかさどるviBirth Music Managerの画面。音源の試聴からスケジュールに動画まで、すべてこのページで管理できる


初心者にも扱いやすい操作性
必要な情報を伝えやすい画面構成


viBirth AppはFacebookページから直接音源の試聴〜購入ができるため、自身でプロモーションまでを行うインディー系に限らずメジャー系のアーティストからも注目を集めている。例えばsleepy.abや荒川ケンタウロスなどもこのアプリの利用者だが、ここでは活用例として女性アーティストのNeat'sにviBirth Appの使用感から運用のポイントなどについて聞いてみた。Neat'sは作詞・作曲はもちろん、映像から音源販売までを自身で行うDIY精神にあふれるソロ・アーティストだ。その彼女がFacebookやviBirth Appを利用するようになったいきさつをこう語る。


「FacebookはSNSを通して自分を知ってもらうためのツールとして始めました。viBirth Appは音楽配信の際にMP3だけでなく、WAVでの高音質ファイルの配信サービスを探していたときにviBirthを知ったのがきっかけです。アプリだけでなくiTunesやAmazonなどへのアグリゲーターとしてのサービスの充実も魅力でした」


Neat'sのFacebookページを見てみるとYou Tubeの映像を中心に、充実したコンテンツがそろっている。ちなみに彼女のviBirth Appの画面は上でも例として紹介しているが、アプリを運用してみてどんな点が気に入ったのだろう?


「最初に使ってみたときは、デフォルトのデザインがシンプルに感じました。カスタマイズの編集や設定が初心者にも分かりやすい点に好感が持てました。やはりviBirth Appを使う大きなメリットは、試聴〜ダウンロードがスムーズにできるところですね。それに付随してライブ・スケジュールやリンクなど必要な情報がまとまっているので、初めて訪れた人に最低限の情報を伝えやすい場所だと思います」


リスナーがもっと聴きたくなる音質
viBirth Appは音源を聴く場所


Neat'sはviBirthをもともと高音質ファイルの配信サービスとして選択したというが、その音質面に関してはこう答えてくれた。


「音質はとても良く、最初に聴いたときびっくりしました。聴いてくれる人が"もっと聴きたいな"と思ってくれる音だと思います。配信サイト側に音質へのこだわりが感じられるのは、音源を預けるアーティストとしても大きな安心になります」


最後にviBirth AppをはじめとしたFacebookページをアーティストがどう運用していくのかについてはこう指摘する。


「SNSサービスは日々めまぐるしく手法が変わるので迷う部分もあると思いますが、今の私は門戸を広げるようにしています。Webサイトはビジュアルや世界観、DIYな精神を含めて総合的に自分を表現する場所なので、音楽以外に付随する要素も重視しています。Facebookページはフレンドが主体というSNSのメリットを生かした別の玄関だと思うので、あまりコアなことはしないようにしています。その中でviBirth Appは音源の試聴とダウンロードができる"音楽を聴いてもらう場所"として活用しています。現在は自分で楽曲管理や情報発信をしやすい環境が整っているので、ユーザーに向けてダイレクトに表現を届けたい人にはviBirth Appなどのサービスは向いていると思います。私自身、面白く活用できるように勉強していきたいですね」


現在のFacebookページの仕様は、時間軸に基づいた構成となっているため、viBirth Appのようにアーティストが聴かせたい音源や映像に常にアクセスできる場所という点でも、今後さらに需要が高まるのではないだろうか。ちなみにviBirthへの会員登録は無料のほか、Facebook上で直接楽曲を販売する場合も、3曲までは無料で利用できるので、本企画を読んでFacebookページを作成したら、このアプリケーションを試してみることをオススメしたい。



viBirth


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