アーロンチェアを超えるか!? イナバ×奥山清行氏によるオフィス・チェア=Xair発表会

「100人物置」でお馴染みINABAが、世界的な工業デザイナー奥山清行氏と共同開発したオフィス・チェア発表会をレポート

INABA Xair 187,950円(ヘッドレスト)/162,750円(スタンダード)/131,250円(アームレス)


「100人乗っても大丈夫!」の物置でおなじみINABAがオフィス・チェアをリリースするニュースが飛び込んできた。「あのINABAがなぜ?」とお思いの方も多いかもしれないが、実のところ同社は1961年からOEM用のオフィス家具作りも行っており、1986年にはオフィス・デスクのTrygon(トリゴン)にてGOOD DESIGN AWARDを受賞したこともあるのだ。そんな同社が共同開発者に奥山清行氏を迎えて作ったのが、本日発表されたXair(エクセア)だ。


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▲Xair



奥山清行氏はゼネラルモータースのチーフ・デザイナーやポルシェのデザイナーを歴任してきた世界的な工業デザイナー。KEN OKUYAMAブランドでメガネや家具の製造も行っている人物だ。INABAは「信頼性」というキーワードのもと、世界にも通用するイスを作りたいということで奥山氏に白羽の矢を立てたそうで、デザイン着工から2年の歳月をかけ、その第一弾モデルが本日登場したというわけだ。


さて、なぜ本サイトがビジネス・チェアの発表会に行ったかというと、そこにはちゃんと理由がある。サンレコ本誌のスタジオ写真などを見てもらうと分かるように、「長時間座っていても疲れず、またクリエイティビティを刺激するデザイン」という特長から、HERMAN MILLERのAeron Chairs(アーロンチェア)を使っているエンジニアやクリエイターはかなり多い。そのアーロンチェアのライバルとなり得るXairを一目見るべく発表会に赴いたのだった。


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発表会は恵比寿のウエスティンホテルで行われた。INABA社長である稲葉明氏の挨拶に続き、奥山氏(写真右)がXairの説明を開始。最重要ポイントは、「奇をてらわず、少ないパーツで作る」ということだったそう。故に、国内に2つの工場を構えるINABAのクオリティ・コントロール無しでは本製品の感性は難しかったのではと語る。


そして、本製品のネーミングにもなっている「Xair」であるが、それはチェアの背後にあるXフレームが元になっている。これは人工工学に基づき、「あたかも椅子が体を空中で支えているような働きをする」という。また、カーデザイン分野に精通している奥山氏だけに、快適な走りを目指すカーシートからインスパイアされたというシーティング・レバーやエアー装填氏ランバー・サポートも装備。それでいて、外見は流線型を巧みに用いて仕上げるという、まさに機能美のお手本とも言えるチェアなのである。


取材班も、実際にXairへ座ることができたが、シートが沈み込むこともなく、自然に体をサポートしてくれるような感触。座った瞬間にリッチな気分を覚えたりしないところが、逆に長時間の作業や仕事への集中力をサポートしてくれそうだ。なお、ラインナップはヘッドレスト&アームレスト付き、アームレスト付き、そしてアームレス・タイプの3種類。カラーも骨格となるフレームは3色で、クロスは渋いパープルからビビットな赤まで8色を用意する。DAWの音楽制作時に最適なチェアを探しているクリエイターは一度チェックしてみてはいかがだろう?


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▲8色のクロス・バリエーションの一部。左からブルー/レッド/グリーン/ホワイト/パープル


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