munnraiと岡崎絶太郎で組まれるユニットIQ3の、ライブ/制作で駆使するモジュラー・シンセのモジュール選定や接続システムを解説します。
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スタジオを丸ごと詰め込んだ箱庭的システム
munnraiと岡崎絶太郎から成るモジュラー・ユニットIQ3。ここでは、主に岡崎のライブ用モジュラー・シンセ・システム(トップ写真)にフォーカスして紹介する。
岡崎のシステムは、飛行機での運搬にも対応できるフライト・ケースの中に構築。1段目がオシレーター系、2段目がモジュレーション、3段目がリズム・マシン、4段目がミキサーという構成だ。
1段目のINTELLIJEL DESIGNS Atlantisは、ROLAND SH-101にインスパイアされた一台で、リード・シンセやアシッド・ベースに使用。デジタル処理を行うORTHOGONAL DE
VICES ER-301はライブによって使用方法を変えており、中にサンプルを仕込んだり、LFOと組み合わせて使ったり、エフェクターとしても活用するという。
岡崎はライブの際、POLYEND Polyend Tracker(トップ写真の右下)をシーケンサーとして使用。シーケンスのMIDI信号は、ケース2段目のEXPERT SLEEPERS FH-2でCVやGate、クロックに変換し、FH-2用ゲート・エキスパンダーのFHX-8GTで出力を増やした上で、各モジュールへと分配している。
3段目のドラム・モジュールで注目したいのがALM Akemie's TaikoとINTELLIJEL Plonk。いずれも民族音楽的な音を作るのに活用し、音源作品にも多用しているという。
4段目はミキサー・セクション。オシレーター系、ドラム系モジュールの左側、右側、SDKC INSTRUMENTS Helicalや ER-301で作った飛び道具系の4系統がそれぞれ、DOEPFER A-138N(ミキサー)→MODDICT ConsoleEQ4(EQ)→AUDIO GEAR OBSESSION SummingFacility(サミング・ミキサー)を通り、NOISE ENGINEERING Sono Abitusから音声出力される。MODBAP MODULAR Per4merはボタンを押すとバイナル・ブレイクやビート・リピートなどのエフェクトがかかり、ROLAND SP-404的な感覚でビート・ライブに活用。Sono Abitusの前段にはP4Lのアイソレーターのプロトタイプ(左ページ写真ケース左前)を通している。
東京を中心に活動する電子音楽ユニット。音楽家・芸術家であり数々の映像作品を世に放つアーティストmunnraiと国内外で活動するノイズ・ホップ・クラブMAMMOTHの岡崎絶太郎がDOMMUNEの番組内でセッションしたことをきっかけに2021年に結成。
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