畠山地平のモジュラーシンセを公開! 〜対話をするようにインスピレーションが得られるシステムとは

畠山地平 system

米クランキーや各国レーベルからリリースを重ねる畠山地平が実際に組むモジュラー・シンセのモジュール構成とパッチングを解説します。

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固定観念を取り除いてくれる対話者

 アンビエント・アーティストの畠山地平が使用する2つのケースを取り上げる。MAKE NOISE Phonogene(サンプラー)を主な音の起点とし、エフェクティブなモジュールで構成された下写真と、さまざまに構想している途中という下写真。上掲の写真では、のMimeophon(リピーター)のアウトからからPhonogeneに音が入力され、両ケースが接続されている。

 は畠山いわく、“Phonogeneのためにぜいたくな使い方をしている”とのこと。Phonogeneには、MAKE NOISE Richter WogglebugのWoggleをクロックに、Smoothを自動的にサンプルを分割するGene-Sizeに接続。Gene-Sizeと連動するパラメーターSlideは、BELA GlissとシンクしたXAOC DEVICES Batumiで制御している。

上段

❶上段:MAKE NOISE Function(ファンクション・ジェネレーター)、BELA Gliss(コントローラー)、STRYMON Starlab(リバーブ)、Magneto(ディレイ)、MAKENOISE Phonogene(サンプラー)、ROSSUM ELECTRO-MUSIC Evolution(フィルター)

下段

❶下段:DOEPFER A180-2(マルチプル)、INSTRUŌ Arbhar+Expander(グラニュラー・プロセッサー)、MAKE NOIS E Richter Wogglebug(ランダム・ボルテージ・ジェネレーター)、XAOC DEVICES Batumi(LFO)、MUTABLE INSTRU MENTS Clouds(テクスチャー・シンセ)、INTELLIJEL DESIGNS Rubicon(オシレーター)、INSTRUŌ Lúbadh+Expan der(ルーパー)、STRYMON AA.1(ギター入力モジュール)

 Phonogeneから出力した音は、グラニュラーのINSTRUŌ Arbharを皮切りに、さまざまな加工が施される。STRYMONのStarLabとMagnetoは畠山が素晴らしいと絶賛する空間系エフェクト。以前はリバーブにペダル・エフェクターを使っていたが、ライブなどでの持ち運びを考えると、システムに組み込んだほうが楽とのこと。またCVでさまざまにモジュレーションすれば、独特で面白い効果を生み出せるそうだ。

上段

❷上段:INTELLIJEL DESIGNS Mult 1U(マルチプル)、Quadratt 1U(アッテネーター)、Noise Random Tools 1U(S&H)、Duatt 1U(アッテネーター)、Zeroscope 1U(ユーティリティ)、Designs Stereo Line Out 1U(ステレオ出力) ❷中段:MAKE NOISE Rene(シーケンサー)、2hp Mix(ミキサー)、LFO(LFO)、INSTRUŌ CS-L(オシレーター)、INTE LLIJEL DESIGNS Quadrax(エンベロープ・ジェネレーター)、MAKE NOISE Mimeophon(リピーター)、X-Pan(ミキサー)

下段

❷下段:VERBOS ELECTRONICS Harmonic Oscillator(オシレーター)、MAKE NOISE Maths(CVジェネレーター)、MUTABLE INSTRUMENTS Marbles(ランダム・サンプラー)、ROSSUM ELECTRO-MUSIC Linnaeus(VCF)、VERB OS ELECTRONICS Amplitude & Tone Controller(VCA/トーン・コントローラー)

 はもともとドローン・マシンとして、INSTRUŌ CS-L、VERBOS ELECTRONICS Harmonic Oscillatorをオシレーターに据えたエクスペリメンタルなセッティングを構想していたもの。特にHarmonic Oscillatorはさまざまな倍音を細かく調整でき、ドローンに向いているとのこと。また、MAKE NOISE MimeophonとX-Panは、組み合わせて使うと相性が良いそう。さらにデスクには、最近制作で用いているというラックが用意されていた。

デスクトップ

デスクトップにはTIPTOP AUDIO Happy E nding Kitに組み込まれたシステムも用意。M UTABLE INSTRUMENTS Warps、MAKE N OISE Morphagene、ALM Quaid Megaslopeなどが格納されている

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【畠山地平プロフィール】
1978年生まれ、神奈川県出身。東京在住のアンビエント作家。米国の名門krankyのほか、各国からリリース。2017年にはSpotifyの“海外で最も再生された日本人アーティスト”に選出された。制作やライブにモジュラー・シンセを活用している。

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