フルート奏者/音楽家のMiyaの、モジュール構成とパッチングを解説します。
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フルートを起点とするハイブリッド・システム
フルートとモジュラー・シンセを組み合わせた“Modular Flute”を演奏するMiya。フルートから発した音、信号をいかに分岐させるかが、システムのポイントとなっている。以前は大型のユーロラック・ケースを用いていたが、現在はAPPLE MacBook Proに立ち上げたソフト・モジュラー・シンセのVCV Rackと、iPadに立ち上げたMIDIコントロール・サーフェス・アプリHEXLER TouchOSCを採用し、よりコンパクトなシステムとなった。
フルートのマイクを入力するオーディオ・インターフェースRME Babyface Proと、最上部の写真手前のケース(下の写真❷)に格納するBOREDBRAIN MUSIC OPTX V2をADAT接続することで、8系統分のアナログ入出力をVCV Rack上のパッチングと連携している。またEXPERT SLEEPERS FH-2もMacBook ProとUSB接続し、MIDIをCV変換して出力している。
例えば最上部の写真では、VCV Rackのランダム・ジェネレーターやエンベロープ・フォロワーなどの複数のモジュレーション・ソースから生成したCVをFH-2から出力し、写真奥のケース(上の写真❶)のMUTABLE INSTRUMENTS CloudsのクローンµBurstのV/OCTに入力してコントロールしている。また、モジュレーション・ソースはVCV Rackのマトリクス・ミキサーをTouchOSCで操作できるようにしており、ライブ演奏時にも素早く切り替え可能だ。
そのほかMAKE NOISE Mimeophoneでは、フルートの発音タイミングでHOLDが作動するようにパッチング。BUCHLA & TIPTOP AUDIO 258Tは音が良く、フルートの生音に対して電子的な音の要とのこと。最終的にハードウェアを通した音は、BEFACO STMixにまとめ、OPTX V2の入力からVCV Rackを通ってBabyface Proへと出力されている。
フルート奏者/音楽家。ジャズ→即興→生楽器+電子音楽。東京を拠点にヨーロッパ、アジアなど国際的に活動。山下洋輔プロデュースの『Miya’s Book』など、多数のアルバムをリリース。現在はフルートでモジュラーを制御するModular Flute奏者として活動を広げる。
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