1990年代より活動する電子音楽家/演奏家のHATAKENの、モジュール構成とパッチングを解説します。
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DAWライクな柔軟性をモジュラーで実現
上掲の写真は、膨大なモジュールを持つHATAKENがライブ用に組み込んでいるモジュラー・シンセ。メイン・ミキサーの1010MUSIC BlueBoxとそれをリモート・コントロールするNOVATION LaunchControl XLにより、DAWのような操作性を実現したシステムだ。
上段の左上には、HATAKENがモジュラー・シンセに触れるきっかけとなったMALEKKO HEAVY INDUSTRYのVarigate 8+とVoltage Blockの姿が。Varigate 8+はCVとGate、Voltage BlockはCVシーケンスを出力できる。どちらもスライダーで操作できるのがやりやすくて気に入っているとのこと。
4MS Ensemble Oscillatorは倍音/和音構成を変化させられるポリフォニック・モジュール。メイン写真ではVoltage BlockからEnsemble OscillatorへCVが送られており、BELA GlissでScaleをコントロールすることで変化に富んだシーケンスを演奏できる。
BEFACO OneiroiはVCO、VCF、VCA、エフェクト、ルーパーを備えたオールインワンのシンセ・モジュール。複雑なアンビエントやドローン・サウンドが一台で作れるが、HATAKENはBlueBoxにセンド&リターンでOneiroiを接続しており、ほかのモジュールに対して外部エフェクトとして使えるようにルーティングしている。同様に、MUTABLE INSTRUMENTS BeadsもBlueBoxのAUXエフェクトとしてセットされているようだ。
MUTABLE INSTRUMENTSのサウンドが好みだというHATAKENは、同社Ringsを基に開発されたJAK PLUGG NanoRingsを使用している。オーガニックな響きはNanoRingsが担当し、金属的なパーカッシブ・サウンドはNOISE ENGINEERING Basimilus Iteritas Alterで作るとのこと。
1990年代より活動する電子音楽家/演奏家。2013年からTokyo Festival of Modular(TFoM)をデイブ・スキッパーとともに毎年開催。世界中のモジュラー・シンセ・メーカーや、モジュラー・シンセを演奏するアーティストを招き、国内でのモジュラー・シンセの普及に努めている。
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