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ベーシストのマーティ・ホロベックが語るBEYERDYNAMIC DT 880 Pro【特集】私の愛するヘッドホン2024

marty headphone

 現代の音楽制作に欠かせないツールとなったヘッドホン/イヤホン。「制作の大半をヘッドホンでこなす」と言うクリエイターやエンジニアが増えており、それに呼応するように各メーカーからも魅力的な製品が登場している。ここではオーストラリア出身のベーシスト、マーティ・ホロベックが登場。演奏からエンジニアリングまで手掛ける彼の相棒は、BEYERDYNAMICのヘッドホンだ

BEYERDYNAMIC DT 880 Pro

 ミックスやマスタリング向けに開発されたセミオープン型モニター・ヘッドホン。密閉型とオープン型の良さを兼ね備え、高い解像度と自然な鳴りを実現している。快適な装着感を生み出す柔らかなベロア製イヤー・パッドは交換が可能だ。

【SPECIFICATION】
●型式:セミオープン・ダイナミック型 ●インピーダンス:250Ω ●周波数特性:5Hz~35kHz ●重量(本体):295g ●付属品:ステレオ・フォーン変換プラグ、専用バッグ

楽器の鳴りを感じられるセミオープン型

 メインで使っているのは、セミオープン型のBEYERDYNAMIC DT 880 Proです。2020年くらいに手に入れたもので、その前は密閉型のDT 770 Proをよく使っていました。DT 770 Proを購入したのは、奥さん(ermhoi)から借りたのがきっかけ。録音で使ってみたら、低域はもちろん、ベースのミッド成分がしっかりと聴こえて好感触だったんです。それでBEYERDYNAMICを気に入り、DT 880 Proも導入しました。DT 880 Proはセミオープン型なので、ヘッドホンで再生される音だけでなく、自分の演奏する楽器の鳴りが聴こえます。特にウッド・ベースではライン録りの音より生音を聴きながら演奏したいので、レコーディングではDT 880 Proをよく使っていますね。ジャズのようにみんなで一緒に演奏して録る曲だとほかの楽器が聴こえることも重要になってきますし、そういう意味でも便利なヘッドホンです。

マーティが使用しているイヤホン。音楽を聴く用途だけでなく、APPLE AirPods Proはミックス・チェック、KZ Zaxはライブでのイヤー・モニターとしても活用。Zaxは高価格帯のモデルにも劣らないバランスの良いフラットな音で、コスト・パフォーマンスに優れているという

 DT 770 Proは密閉型ならではの低域の見え方で、周波数的にもその部分が持ち上がっている印象があります。DT 880 Proはよりフラットな聴こえ方です。『Trio II:2』では僕がマイクを立ててそれぞれの楽器を録音したんですが、そういうエンジニアリングをするときもフラットなサウンドで聴こえることがとても大事になってきます。しかもBEYERDYNAMICのイヤー・パッドは着け心地が良くて、長時間の作業でも疲れないのがうれしいです。

密閉型のDT 770 Pro。インピーダンスの違う3モデル(32/80/
250Ω)が展開されているが、こちらは80Ωのモデル。密閉型であるため、DT 880 Proよりも低域が強調されて聴こえるそうだ

マーティ・ホロベック
オーストラリア出身、現在は東京在住のベーシスト。自身のTrioシリーズをはじめ、SMTKやHishakaku Quartetの共同リーダーを務めるなど、複数のプロジェクトを率引している。サイドマンとして、日野皓正、石橋英子、ジム・オルークらとも共演。

『Trio II:2
マーティ・ホロベック

(APOLLO SOUNDS)

 

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