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春ねむりが語るイヤホンFINAL A4000【特集】私の愛するヘッドホン2024

harunemuri

 現代の音楽制作に欠かせないツールとなったヘッドホン/イヤホン。「制作の大半をヘッドホンでこなす」と言うクリエイターやエンジニアが増えており、それに呼応するように各メーカーからも魅力的な製品が登場している。 ここでは世界中を舞台に躍動するシンガー・ソングライター/トラック・メイカーの春ねむりが登場。彼女が制作で使うイヤホンが、フラットな音響特性を持つというFINAL A4000だ。

FINAL A4000

 FINAL独自の新設計ドライバー“f-CORE DU”を搭載し、圧倒的にナチュラルなサウンドを実現するというイヤホン。フラッグシップ・モデルA8000開発時に定めた評価法を基準にした音質設計が行われている。

【SPECIFICATION】
●ドライバー:ダイナミック型 ●インピーダンス:18Ω ●ケーブル:着脱式 ●付属品:キャリー・ケース、イヤー・ピース、イヤー・フック

”フラットな音って何だろう?”が分かるイヤホン

 A4000を購入したのは、“みんな、何をフラットな音として聴いているんだろう?”と感じていた頃でした。それまで割と低域が強調されたものを使っていたのですが、フラットなサウンドで聴くことで、音の配置がより分かるんじゃないかと思ったんです。デモの段階から、完成までの基準となるような音で作業したい……つまり、もっと上手に曲を作れるようになりたいってことですね(笑)。実際に使ってみると、それまで使っていた機種よりも低域、高域が平面的で、奥行きが浅く、そういう部分を無理やりブーストして聴いていたんだなって。奥行きを聴かせたいなら、もっと丁寧に作らないといけないことに気付きました。“聴こえないけど入れておいたほうが良さそう”ではなくて、ちゃんと聴こえる音にする。“何となく”は減ったように思います。

イン・イヤ・モニターのFITEAR MH334。ライブでの動きが大きいため、外れないように耳型を取ったカスタム・モデルを選んだとのこと。ステージが広い会場でのイヤモニとして使用する。本体の左右それぞれに“HARU”“NEMURI”と名前が記載されている

 普段はほぼスピーカーで作業して、ある程度できたらA4000で確認します。低域や高域、リバーブの感じはイヤホンのほうが分かりますからね。私は“低域の中の低域”まで出ている音楽が好きなのですが、今の部屋の環境だとそこまで分からないので、A4000で聴いて削りすぎないようにしています。低域をブーストしたイヤホンで作ったものをスタジオで聴いたときに、“思ったより鳴ってないな……”となると悲しいですから(笑)。価格もお手頃なので、一度味付けされていない音を聴いてみたいという人にお薦めです。

オーディオ・インターフェースのAUDIENT ID14 MKII。フラットな出音と相性が良いものを探していて見つけたそう。本体右側にステレオ・フォーンとステレオ・ミニの2種類の出力端子を備えており、ステレオ・ミニ・ケーブルのA4000を変換なしで接続できる

春ねむり
横浜出身のミュージシャン/プロデューサー。自身で全楽曲の作詞/作曲/編曲を担当する。これまでに複数回のワールド・ツアーを開催し、『春と修羅』(2018年)、『春火燎原』(2022年)と2枚のフルアルバムをリリース。

Recent Work

『Soul KISS
春ねむり & Frost Children

(TO3S RECORDS)

 

製品情報

FINAL A4000

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