Adoが『残夢』収録の3曲へコメント

Ado『残夢』ジャケット写真

7月10日にリリースされたAdoの2ndオリジナル・アルバム『残夢』に収録された「唱」「抜け空」「Value」の3曲について、Adoからコメントをもらった。各曲の歌は、どのようなイメージを元に作られたのだろう?

「唱」〜楽しさと混沌を多彩な声で表現

 “ハロウィン”がテーマだったので、聴いてくださる皆様や、お子さんに“何か楽しい感じだね”と思ってもらえるように、いろんな声を入れました。当初、ハロウィンのように楽しい感じにしたいと思ったとき、まず考えたのは“楽しいって何だ?”ということ。私がただイェーイってなっていても、見ているほうは楽しくないでしょうし。じゃあいろんな幽霊やゾンビが出てくるように、さまざまな声を入れたら“技術的な難しさ故の面白さ”も出るだろうと。また、楽しい感じと同時にハロウィンと言えば“混沌(こんとん)”も連想したので、いろいろな声が入っていれば、カオティックな感じも表現できると思って歌を作っていきました。

「抜け空」〜“始まり”のイメージで爽やかさや力強さを意識

 やっぱり爽やかさと透き通る感じ……“透き通る”って、私の声では難しいんですけど、抜けがある感じとでも言いましょうか。朝方のベランダでもいいし、4時とか5時の都会でもよかったのですけれど、そんな中で空を見上げるような様子にしたいと思っていて。夜通し起きていて迎える朝でも寝起きであっても、朝特有の心が洗われる感じ……自分の中では1日とか、何かの始まりのイメージでした。始まるときって力強いものがあるし、朝の力強さはよどんでいなくて奇麗だから、まっすぐな感じにしてみようと。だから、ビブラートを使っても細かく揺らすのは違うなとか、がなりを入れるなら入れるで、やり方を考えようとか思っていました。

「Value」〜歌詞の場面転換を緩急のある歌声で

 この曲は一度レコーディングしたのですが、それから月日が経ってしまい、聴き返してみたらやり直したくなって丸ごと再レコーディングしました。“リミッター働くまで”の詞から始まる場面はもの静かで、小さい波や風のイメージです。それがだんだん大きくなって、気づいたらその風に飲み込まれそうだっていうところが2回目の“感じながら感じながら”の部分。気づいたら、その風が、向かい風がやってきた。私の心がさらわれそうだ、みたいな。そういう表現のイメージに基づいて歌を考えました。ポリスピカデリーさんの曲は、シティ・ポップ的なものもロックっぽいものも、なぜあんなに爽快な気持ちになれるんだろうっていつも思っています。

Release

『残夢』
Ado
ユニバーサル ミュージック:TYCT-69310(通常盤/初回プレス) ※初回プレス分のみの封入特典:『残夢』トレーディング・カード(6種類のうち1枚をランダムに封入)、価格:3,520円(税込)

Tracklist

❶抜け空 作曲/編曲:雄之助 作詞:牛肉 ❷ 行方知れず 作詞/作曲/編曲:椎名林檎 ❸ DIGNITY 作曲:松本孝弘 作詞:稲葉浩志 ❹ ショコラカタブラ 作曲/編曲:TAKU INOUE 作詞:かめりあ ❺ クラクラ 作詞/作曲:meiyo 編曲:菅野よう⼦×SEATBELTS ❻ アタシは問題作 作詞/作曲:ピノキオピー ❼ リベリオン 作詞/作曲/編曲:Chinozo ❽ オールナイトレディオ 作詞/作曲/編曲:Mitchie M ❾ 向⽇葵 作詞/作曲:みゆはん 編曲:40mP ❿ 永遠のあくる⽇ 作詞/作曲/編曲:てにをは ⓫ MIRROR 作詞/作曲:なとり ⓬ ルル 作詞/作曲:MARETU ⓭ 唱 作曲/編曲:Giga & TeddyLoid 作詞:TOPHAMHAT-KYO(FAKE TYPE.) ⓮ いばら 作詞/作曲:Vaundy ⓯ Value 作詞/作曲/編曲:ポリスピカデリー ⓰ 0 作詞/作曲:椎乃味醂

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