歌に関しても、ライブでの再現性よりはレコーディングでしかできないことをやりたい
クレイジーケンバンドの中心人物=横山剣は、東洋一のサウンド・クリエイターを称する通り、ボーカリストであると同時にサウンドへの感度も高い人物だ。9月に発表されたバンド24枚目のフル・アルバム『火星』は、共同サウンド・プロデューサーParkがコミットした極上のソウル・ミュージック作。「火星」「Rainbow Drive」「霧子」といったダンシーなアンセムから「Percolation」「Sha na na na na」といったメロウなナンバーまでバラエティ豊かに収める。アルバムのサウンドは肉厚で心地良い質感。それもそのはず、ミックスとマスタリングはキャリア豊かなDJ、高宮永徹によるものだからだ。ここでは『火星』のプロダクションについて、まずは横山とParkに取材した。
図らずもテンションや部分転調を駆使
──横山さんは、打ち込みや宅録をやっているのでしょうか?
横山 TASCAMのカセットMTRを使って自宅でデモ音源を作っていた時期もありましたが、AVID Pro Toolsが台頭してからはレコーディング・スタジオや事務所のスタジオでやるようになりました。昔と今とで違うのは、デモが本チャンの“金型”になるかどうか。そして、デモの音が本チャンに残るかどうかです。カセットMTRのころは、デモはあくまでもデモで、それをメンバーに聴かせてコードを解読してもらうような感じでした。
──クレイジーケンバンド(以下CKB)の楽曲は、テンションの響きが魅力です。
横山 僕は曲作りのときに鍵盤を弾くんですけど、自分が好きで鳴らしているコードの名前が分からないんですよ。だから弾いて録って、それが何であるかをメンバーに解読してもらっていました。今はもう自宅に機材がないし、1人で打ち込みや録音をやることもなくなったんですが、事務所にプリプロ・ルームがあるのでPark君に来てもらって、一緒に曲を作っています。もうここ7年ほどは、そういうスタイルですね。
──楽曲は、トラック先行か歌先行か、どちらで作るのですか?
Park どちらもあります。トラック先の場合は、僕が普段から作りためている剣さんへの“置き薬”を使うんです。剣さんのインスピレーションを刺激する素材として、シンプルなループだったり作り込んだトラックだったり、いろいろと用意していて。それらを渡してメロディを作ってもらえたら、トラックと一緒に作り込んでいくのもいいし、メロディから全く新しいトラックを作ってもいい。
──歌先の場合は、どのように作る?
横山 頭の中で“こんな感じが理想”みたいなのがメロディとコード、リズム隊で鳴っているんです。で、まずはPark君にドラムについて口頭で伝えます。“キックはこういう音色で、パターンはドン、タンストトン、ツドンみたいな感じ”っていうふうに。細かいところは後で調整しましょうってことで、ざっくりと組んでもらったらコードやメロディを乗せます。それから“このコード、本当はもう少しジャジーにしたいんだよね”といった相談をすると、Park君が直してくれる。イメージしているコードは、例えばブラック・ミュージックの何かの曲を聴かせて“ここの響きみたいな感じ”と言って伝えます。で、彼が清書してくれたものを僕が弾いて録音することもあれば、打ち込んでもらうこともある。
──Parkさんから見て“横山さんっぽいコード”というのはありますか?
Park それは、ここ数年でつかんできました。剣さんのデフォルトのコード・フォームみたいなのが幾つかあって、それらに結構、テンションが含まれているんです。♭9thや♭13thなどもあるから、ちょっと変わったコード進行が出来上がる。あと、剣さんはキーボードを弾くときに、指の位置を固定しながらピッチ・トランスポーズのボタンを多用するんです。それにより意表を突くような転調が出てきたり、モーダルな雰囲気になったりする。でもメロディは、すごく自然につながっていて違和感がないんですよ。
──アルバムの資料には、「2時22分」で浜口庫之助作「私のカローラ」を手本にしたコードが使われていると書いてありました。
横山 1つだけなんですが、2回目に歌われる“私のカローラ”のところのコード。あれを「2時22分」のサビに挟みたくて。
Park コードそのものはシンプルなんですけど、部分転調のような形になっています。ほかの曲でも同様の手法を使っていて、例えば『樹影』(2022年のアルバム)に入っている「夕だち」がそう。こういうトリッキーなコード進行って、歌先で作るとマッチしないことがあるから、その場合はやめにするか剣さんがメロディを少しいじるんです。
横山 だからまあ、理想はこうだけど現実はこう、っていうのをすり合わせていく感じですね。あと「火星」のサビ終わりのコード進行のように、Park君から提案してもらった部分もありましたよ。
Park 部分転調を繰り返すようなところですね。当初は、ああいう動きを平歌にも入れながら展開していく形だったんですけど、登場回数を絞ってサビ終わりが引き立つようにしてみませんか?と提案して。
──フュージョンやAORなどにも見られるコードワークですよね。
Park そうですね。1小節とか2拍とかだけ、違うキーからコードを借りてくる手法とも言えます。剣さんから“ルーサー・ヴァンドロス「ネヴァー・トゥー・マッチ」のイントロみたいに、フックになるような和音の動きを入れたい”とオーダーをもらって、ああいうフレーズにした感じです。テンションや部分転調って面白いんですけど、例えばずっとテンション・コードを鳴らしているよりもワンポイント的に使うほうが、効果的に聴こえる場合があるんです。
サブスクもShazamも使って情報収集
──アルバムの資料にはジンジャー・ルートやロス・レトロスらの名が書かれています。新しい音楽も積極的に聴いているのですね。
横山 新しいものを知りたいっていう強迫観念めいたものはありますね。それで、知ったうえであえて自分の音楽には取り入れないとか、取り入れてもトッピング程度の配分にしておくほうがかっこ良いだろうなとか考える。
──普段はサブスクリプションのストリーミング・サービスで音楽鑑賞を?
横山 そうですね。去年くらいにガラケーからスマホに替えて、Shazamも多用するようになりました。検索に引っかからない曲も多いですけど、拾えたらレコード・ショップに持っていって“これ何ですか?”って(笑)。もちろん知り合いの店員さんにですよ。面識もないのに、いきなりそんなことしたらヤバい人だと思われるし(笑)。
──サブスクを活用する一方で、ご自身の作品はフィジカルでも出したい?
横山 ですね、フィジカルは好きです、やっぱり。ただ、サブスクによって知ってもらう機会が増えたし、YouTubeにしてもきっかけという意味では敷居が低いので、国内だけでなく海外の方々にも知ってもらう機会になる。それにサブスクはマスターの音があまりスポイルされないというポジティブな面がありますね。曲が新鮮なうちに出せるのも良い。今回、アルバムに先行して発表した「ハマのビート」は、3月に作って5月にリリースできたんです。
──先行曲と言えば「Rainbow Drive」のダンサブルなビートがたまりません。
Park ファンク・バンドみたいなテイストで、ちょっとディスコティックなトラックですね。
横山 先行曲の中では「Rainbow Drive」が最も初期に作りはじめて、最も苦労した曲です。と言うのも、Park君が持ってきてくれたトラックがあまりにもかっこ良くて、メロディが浮かびすぎてしまったんです。新しいメロディが思いついたら試して、古いのに戻して、キーもいろいろ変えてみて……とやっていたら、すごく時間がかかりました。
──曲によっては、アレンジの段階でキーを調整することがあるのですね。
Park はい。ある程度の幅は考えながら作るんですけど、歌いやすさ以上にサウンドの響きや雰囲気のほうがCKBの曲には重要だと感じていて。だから歌いやすいキーというよりは、響きがかっこ良くなるキーを選びたい。例えばホーンのリフがあったら、まずはホーンが奇麗に鳴るキーでアレンジして、歌を乗せて合わなければそのとき考えよう、みたいな形になることが多いんです。
──特に日本の歌モノ・ポップスは、歌ありきで楽曲全体を組み立てることが多いと思いますが、CKBの場合は歌とアレンジが同じくらいの比重なのでしょうか。
横山 そうなんですよ。歌先だけでなくトラック先で作曲することにも抵抗がないのはヒップホップやR&B、レゲエなどの客演を務める機会が多かったからです。彼らはトラックありきでやっているので、僕にも“ここの8小節の歌を横山さんが作ってください”といったオーダーをしてきます。そして、トラック先だからこそ出てくるメロディってものがあるんです。ほかにも、Park君がスタジオで弾いたベースに触発されて出てくるとか、メロディっていろんなものがきっかけになって生まれるんですよ。
短い単位で細切れに歌を録っていく
──今回、歌のレコーディングはどのような方法で行いましたか?
横山 基本的にはDUTCH MAMA STUDIOのコントロール・ルームで録りました。事務所のプリプロ・ルームで録った仮歌が良かったら、それを本チャンに採用することもありますけどね。
──DUTCH MAMAでは、ブースではなくコントロール・ルームで歌入れを?
横山 そう。ラージ・スピーカーから爆音でオケを鳴らしながら、ハンドマイクで録るんです。部屋の後方にメンバーやスタッフがいれば、彼らをお客さんだと思って歌う。そうするとマイクがラージのほうに向いてしまうから、ハウることがありますけど(笑)。
──マイクは何を使っていますか?
横山 NEUMANN KMS 104です。マイクを通した音に違和感がないというか、ワンクッションない感じが気に入っていて。あとは持ち心地も良い。ハンドマイクで録るから、手に持った感じも重要なんです。ぶら下げて設置したマイクの前で歌うっつうのは、もうホント20年くらいやっていませんね。
──なぜスピーカーでモニターしつつハンドマイクで録るようになったのですか?
横山 歌のパフォーマンスが良くなるからです。ヘッドホン・モニターだと音の圧が感じられず、グルーヴが出しにくくて。耳じゃなくて体で感じたいんですよ。昔、ジャマイカのレゲエのシンガーが同じような方法で録音しているのを見たことがあって、これってアリなんだなと。むしろ、こっちのほうがいいやと思って。レベル・オーバーしてビリビリしても良い音になることはあるし、音響的には問題なのかもしれないけど、歌のパフォーマンスが良くなるに越したことはない。例えばジンジャー・ルートは、歌に終始こってりとエフェクトをかけていますよね。音響的に良い音かどうかは置いておくとして、雰囲気を出すためにはああしなきゃダメなんだっていうのが、きっとあると思うんです。ただ、僕はエンジニアの方に“音質も良くしてください”って無理を言っちゃいますけど(笑)。
──ラージから鳴るオケがボーカル・トラックに常にかぶるでしょうから、ミックスでどんなふうに扱うのか気になります。
Park そこは何とか処理してもらっているところですね。
横山 あと、僕はちょっとずつ歌って録っていくんです。4小節とか8小節とかっていう単位で歌って直して、先に進んで直して、また録って……というのを繰り返す。
──なぜ一息に歌わず、細切れに録っていく?
横山 歌いっぱなしだと、当初、やろうと思っていた歌い方やフェイクをうっかり忘れて、大後悔してしまうからです。ライブと違って、レコーディングならベストなテイクが録れるまで何度でもやり直せる。それに、テイクを選ぶのが嫌い。まどろっこしいし、録りの段階で1つずつ判断して決めておきたい。そして、1本のオーディオ・トラックにパンチ・イン/アウトを繰り返しつつ録音していくから、各部分につきワンテイクしか残らないんです。
Park 最後まで録れたら頭から聴いて、気になるところがあればピンポイントに録り直す、というのを何周も繰り返します。
横山 こういう録り方だから、通しで歌ったことのない曲が出てきて、ライブのために再現しようとすると“息継ぎの場所が少ない!”ってなったりします(笑)。細切れに録音していることの功罪なんですけど、もうレコーディング技術だからって割り切って、ライブのことはひとまず考えません。歌に関しても、ライブでの再現性よりは“レコーディングでしかできないことをやりたい”っていうのがありますからね。
Park 息継ぎと言えば、ブレスが入るところにもラージ・スピーカーの音がかぶっているので、そのかぶりをカットしたらブレスまで消えてしまうことがある(笑)。
横山 そこの自然さは僕、あまり求めていないんで。今、ヒップホップでもラップにピッチ・コレクションをガンガンかけるでしょ。それと一緒で、この曲に対してこういうボーカルをやるんだ、っていうイメージのほうを大切にしたいんです。
声をパーカッションとしても考える
──最初にボーカル全体のイメージがあって、その各部を再現していくような形で録り進めていくのでしょうか?
横山 はい。ただ、どうしても本チャンがプリプロを超えられないこともあるので、そういう場合はプリプロのテイクを採用します。そこだけ使用マイクや音質が思い切り違ったりするんですけど(笑)。
Park かぶりのバック・トラックも全く違いますからね。
横山 だからもう、そこはエンジニア頼み。何とかしてよ!って拝み倒す感じです。
──今回のアルバムにも、プリプロの歌を採用した部分があるのですか?
横山 「2時22分」かな。最後の“何か起こりそうダァ~”っていう、志村けんみたいな声がそうですね(笑)。あの曲はライブでも既にやっているんですけど、“何か起こりそうダァ~”に関しては絶対に再現できないんですよ。だから、プリプロのときにしか記録できなかったもの。まさに奇跡です。ちなみに、古い曲ですけど「タイガー&ドラゴン」も、デモでアッコさん(和田アキ子)のモノマネをして歌ったテイクが本チャンになったんです。自分のやり方で歌ったら全然良くなかったので、デモの音を使ったという。
Park そういうことが起こるから、プリプロのときでも結構ちゃんと録るようにしています。もしかしたら本チャンまで生き残るテイクがあるかもしれませんし。
──今回のアルバム収録曲のボーカルは、どれも横山さんの声の粘りが生々しく聴こえる仕上がりです。
Park 剣さんは歌にリバーブをかけないんですよね。
横山 リバーブをかけると声がやせて聴こえるし、スコーンって抜ける感じがなくなってしまう。アタックがボヤけてしまうので、歌のパーカッション的な部分が届きづらくなるし、滑舌も悪く聴こえる気がして。だから、今回もボーカル・リバーブはほとんどかかっていないんです。
Park あと剣さんは、ピッチもほとんどいじらない。もともとのピッチがすごく良いから、直さずにそのままいっちゃうんです。
同じ人がミックスとマスタリングをする理由
──ミックスとマスタリングは、DJ/サウンド・プロデューサーでエンジニアでもある高宮永徹さんが手掛けています。横山さんやParkさんから、音作りについてのリクエストはありましたか?
横山 なるべくローを突っ込んでください、というのは言いましたね。手順を説明しておくと、曲ごとに全素材をそろえてミックスしてもらうのではなく、録り終えた素材から順に渡していく形でした。その素材でベーシックを作ってもらっている間に僕らはダビングしておいて、完了したらまた送る。だからレコーディングとミックスが並行していたんです。しかも何曲分も。
Park ミックス中にレコーディングをやり直すとか、マスタリングに入ってから歌を録り直すとか、そういうこともあります。
横山 マスタリングも高宮さんなので、いろいろと融通も効くから最高なんです。
Park でも前作までは、マスリングにアナログ・テープを使ってもらっていたので、大変だったと思います。マスタリング中に歌が録り直しになったら、ミックスに戻って調整して、もう一回テープに録ることになりますから。
──通常、マスタリングはミックス・エンジニアとは違う人が手掛けるものだと思いますが、CKBのようにレコーディングとミックスが並行していて、マスタリングの段階でもマルチトラックに調整が入るかもしれないとなると、1人のエンジニアに集約するほうがフレキシブルなのかもしれませんね。
横山 そうですね。あと、高宮さんは自身のミックスの特性を熟知しているので、よりブラッシュアップしやすいんじゃないかと思うんです。各工程を別々のエンジニアが担当していると、どうしても伝言ゲームになってしまうところが、そうはならないので。実は以前、ニューヨークのスタジオにマスタリングを依頼したことがあったんですけど、やっぱり思った通りにはいきませんでした。マスタリングの良し悪しって、いろんな要素で決まるんだなと思いますよ。
──横山さんとしては、どのようなマスタリングが理想ですか?
横山 マスタリングの仕方によっては、幾つかの音がマスキングされてしまうことがあるんです。ダイナミック・レンジが絞られるのに伴って、おしくらまんじゅうみたいになってしまって、音と音がケンカしちゃう。そうならないのが理想だと思います。ミックスとマスタリングを同じエンジニアが手掛けると、マスタリングを想定してのミックスも可能になるので、音作りの方向性がブレないんじゃないかと思いますね。
Park 高宮さんとは、ミックス中に“ここ、もう少しローを足したいんですけど”みたいな相談をしたら、“それはマスタリングのときにやったほうがいいですね”みたいな話ができるので、すごくメリットだと思います。
──横山さんのサウンド・クリエイターとしての構想がParkさん、高宮さんらのスキルも手伝って、高度に具現化されたアルバムとなりました。
横山 今回も、また新しいことができたなと思っています。例えば「Sha na na na na」という曲には、Park君が作ってくれた歌メロが含まれているんです。ラストの大団円みたいなところのメロディで、ああいう発想自体が自分にはなかったし、やってこなかったなと。でもPark君が提案してくれたから、納得してできたのだと思います。自分では買わないものを人からプレゼントされると、すごく重宝するっていうのと同じで、自分にはなかったアイディアを提示してもらえると、それでまた1つCKBに伸び代ができる。だから、とても感謝していますね。
──CKBの新たな一面となった「Sha na na na na」が、アルバムの最後を飾るというのも頼もしいですね。
横山 やっぱりね、これまでにないことをやろうとしたら、自分たちの殻に閉じこもっていちゃだめですよ。ブルーノ・マーズがアンダーソン・パークと一緒にシルク・ソニックをやって新しい面が引き出されたように、今回は特にPark君と深いレベルでコラボレーションできたんじゃないかと思いますね。
Release
『火星』
クレイジーケンバンド
ユニバーサル ミュージックジャパン:UMCK-1775(通常盤)
Musician:横山剣(vo、cho、hand clap、station announce)、小野瀬雅生(g、vocoder、electric tom、syn、cho、narration)、洞口信也(b、cho、hand clap)、中西圭一(sax、fl)、新宮虎児(g、k)、高橋利光(k、syn、org、glockenspiel、cho、hand clap)、河合わかば(tb)、澤野博敬(tp、flugel horn)、スモーキー・テツニ(vo、perc、cho)、Ayesha(vo、cho)、白川玄大(ds、cho、hand clap)、Park(prog、b、p、syn、cho、etc)、谷田歩夢(cho)、藤井彩羽(cho)、ヨメサンパーク(cho)、おと(cho)、りと(cho)、ここな(cho)、しおり(cho)、さえ(cho)、かほ(cho)、しん(cho)
Producer:横山剣、Park
Engineer:高宮永徹、川上章仁、林田涼太、岩本有紀
Studio:DUTCH MAMA STUDIO、いろはスタジオ、Double Joy Recordings、プライベート