【音楽制作お悩み相談室】膨大な数の曲を作るプロデューサーの“アイディアが枯渇しない理由”

Ryosuke "Dr.R" Sakai

日々音楽生活を送っていて、ふとした疑問が湧いたり、制作がうまくいかなくて悩むことはありませんか? 『音楽制作お悩み相談室』は、サンレコWEB会員の皆様が、そんな疑問をいつでもプロに投げかけることのできるコーナーです。本日は、“さまざまなアーティストを手掛けるプロデューサーが、どのように曲の差別化を図っているのか”という疑問にお答えいたします。

Q. さまざまなアーティストと一緒に曲を作られていると思うのですが、似たような曲展開、音作りのアプローチを求められることはありませんか? そういった状況のときに、アーティストごとの差別化をどうやって行っているのか、気になりました。手掛けられている楽曲の数が多いですし、アイディアが枯渇してしまったり、スランプに陥ることはないのでしょうか? よければ教えていただけましたら幸いです。

A. 毎日1曲作り続けるという課題を設定していた時期もありました

 その時々のトレンドを踏まえながら楽曲を制作することも多いので、似たような方向性の楽曲を求められる場合もあります。しかし、楽曲の歌詞のコンセプトや、それぞれのアーティストが持つ個性、歌の音域などを考慮して作っていくので、その部分で差別化を図っています

 僕の場合、アーティストと一緒に曲を作ることが多いので、彼らの表現したい想いをダイレクトに聞けるということも、マンネリ化を避けるとても大事な要因になっていると思います。

 また、コライト形式で楽曲を作っていきますので、アーティストのみならずトップライナーの方々からのインプットや提案など、いろいろな角度からの刺激を受けながら制作していくことで、アイディアの枯渇やスランプに陥ることを回避できています。

 以前はいろいろと悩むことも多く、毎日1曲作り続けるような、ある種ブートキャンプ的な課題を自分に課していた時期もありました。そういった努力の結果、楽曲作りに対する引き出しを多く構築できたことも、現在のプロデュース力における大きな一助になっていると考えています。日々いろいろな音楽を聴き、たくさん楽曲を制作していくことも非常に重要なプロセスとなるので、インプットとアウトプットを繰り返して地力を養い、楽曲の彩りを自由に操れるようになることが大事だと思います。

回答:Ryosuke "Dr.R" Sakai

Ryosuke "Dr.R" Sakai

Ryosuke "Dr.R" Sakai(Photo:Yasgima Takashi)

【Profile】ちゃんみな、milet、AK-69、Ms.OOJA、UVERworld、東方神起、SKY-HI、BE:FIRSTなど、数多くのアーティストを手掛ける音楽プロデューサー/トラック・メイカー/エンジニア。2021年からはDr.Ryo名義でアーティスト活動をスタートさせた。レーベルMNNF RCRDSを主宰

 

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