ゴンドウトモヒコ × Apollo Twin MKII

バンド演奏のダイナミズムとエレクトロニクスを自在に行き来し、METAFIVEほかで広く活躍するゴンドウトモヒコ。UAD-2プラグインの愛用者としても知られるが、自身のstudio no-nonsenseにおけるメインのオーディオ・インターフェースはApollo 16を採用しているという。UAD-2とApolloに精通するゴンドウはApollo Twin MKIIをどう見たのか?

AD/DAコンバーターの質が高く
録音からミキシングまで1台で完結します
▲ ゴンドウトモヒコ ▲ ゴンドウトモヒコ

普段からApollo 16を愛用

DAWはMOTU DP9を愛用し、ネイティブ環境で制作を行っているゴンドウ。まずApollo 16を導入した経緯について聞くと、「制作用のAPPLE Macを新しくしたタイミングで、オーディオI/Oも新調しようと考えたのがきっかけです」との答えが返ってきた。

「あと、僕はもともとPCIeカードでUAD-2プラグインを使っていたのですが、そのカードも同時期に調子が悪くなってしまったので、それならばApolloを導入すればシステム的にもスッキリすると考えました。中でも18イン/20アウトという入出力数や端子形状が最もこのスタジオにフィットしていたApollo16を選び、メインのオーディオI/Oとして使っています」

▲ゴンドウのプライベート・スタジオ「no nonsence」のメイン作業スペース。DAWはMOTU DP9で、左手のラックにはスタジオの中核となる18イン/20アウトのオーディオ・インターフェースApollo 16がセットされている ▲stuio no-nonsenseのメイン作業スペース。DAWはMOTU DP9で、左手のラックにはスタジオの中核となる18イン/20アウトのオーディオ・インターフェースApollo 16がセットされている

Apollo 16の導入にあたっては、MacのCPUが随分パワフルになったこともあり、UAD-2プラグインのかけ録りも想定していたという。

「実際にやってみると、僕が持っているプリアンプとのマッチングやレイテンシーの調整に若干コツは要りましたが、慣れてしまえば全く問題無く運用できています。かけ録りでは1176LNの登場機会が多くて、ドラムのマルチ録りなどにも使っていますよ」

▲Realtime Analog Classics Bundleに含まれるプラグイン・コンプ1176LN。ゴンドウは“パワフルなQuad環境では、ドラムのマルチ録音のかけ録り用コンプとしても使える”と言う ▲Realtime Analog Classics Bundleに含まれるプラグイン・コンプ1176LN。ゴンドウは“パワフルなQuad環境では、ドラムのマルチ録音のかけ録り用コンプとしても使える”と言う

昨今は24ビット/96kHzで作業することがほとんどと言うゴンドウは、高レートの作業時におけるApollo 16の音質には満足していると続ける。

「ADコンバーターは非常にクリアなキャラクターで、どんなパートでもクセ無く録れ、楽器そのものの音が収められます。DAコンバートの精度も高く、このスタジオで全く問題無くミキシングまで行えます。META FIVEの制作でもフル稼働しましたよ」

使い勝手に優れるUnison対応マイクプリ

そんなゴンドウは、Apollo Twinについて、コンパクトで見た目もいいとの印象を持っていたいう。

「今回Apollo Twin MKIIを実際に触ってみましたが、本体のトップ・パネルにある大型のノブやボタンでほぼすべての操作が可能で、とても使いやすいです。レイアウトも直感的で、説明書を読まなくても一通りの操作ができました。感心したのは、電源端子にロック機構が付いていること。ライブでステージに持ち込む際にも安心感がありますし、プロダクトとしてしっかりと作ってある印象です。あと、小型インターフェースにありがちな2アウト仕様ではなく、LINE OUT 3/4が付いているところも便利だと感じました」

実際にApollo Twin MKIIを使ってボーカルなどを録音したとのことで、音の印象について聞くと、「マイクプリとADコンバーターの質が高く、自分が求めるクオリティで録れました」との答えが返ってきた。

「UAD-2プラグインもかけ録りしてみましたが、このスタジオでApollo 16で作業しているのと全く同じ感覚でした。さらに言えば、Apollo TwinのプリアンプはUnison対応なので、Apollo 16で気を遣っていたUAD-2プラグインのレベル・マッチングの問題がクリアされていたのも扱いやすかったです」

Unison対応のマイクプリ・プラグインではナチュラルなキャラクターのUNIVERSAL AUDIO 610-Bが、実際の仕事でしっかりと“使える”音で録れるところが気に入っているという。

「Consoleソフトも優秀で、画面上でプラグインをかけ録りするか/しないかを決められるなど、実機のミキサーのような感覚で使える明快さがあります。あとUnison専用プラグインを立ち上げると、自動的にApollo Twin MKIIの物理ノブにインプット・ゲインが割り当てられる辺りも、“よくできている”と感じました」

▲Realtime Analog Classics Bundleに含まれるUA 610-B。真空管プリアンプ&EQのモデリング・プラグインで、Unison使用時の入力インピーダンスは500Ω/2kΩの切り替えとなる ▲Realtime Analog Classics Bundleに含まれるUA 610-B。真空管プリアンプ&EQのモデリング・プラグインで、Unison使用時の入力インピーダンスは500Ω/2kΩの切り替えとなる

スタジオ機能を外に持ち出せる

また、新搭載のトークバック・マイクについても、今の作業環境にマッチしていると評価する。

「実際のレコーディングでは、DAWを操作している僕の近くにミュージシャンが居たとしても、その人はヘッドフォンでモニターしていることが多いんです。その際にこのマイクがあると、ヘッドフォンを外さずにコミュニケーションが取れるので便利です。あと、スタジオのApollo 16はQuad仕様ですが、ミキシングを進めていくとパワー的に若干苦しくなることもあります。Apollo Twin MKIIはQuadモデルも用意され、Apollo 16とThunderbolt接続するとUAD-2プラグインのプロセッシング・パワーを上乗せできるので助かります」

▲内蔵トークバック・マイクにはボタン一つでアクセス可能。Apolloネットワーク内の別のI/Oに、このマイクからの音声を送ることもできる ▲内蔵トークバック・マイクにはボタン一つでアクセス可能。Apolloネットワーク内の別のI/Oに、このマイクからの音声を送ることもできる

ゴンドウはApollo Twin MKIIを、持ち運べる上、スタジオでできることが大概できてしまうと評価する。

「例えば、このスタジオでの作業を自宅に持ち帰って続けなければならない場合も、Apollo Twin MKIIを持ち出せばUAD-2プラグイン設定を含めてそのままリコールできます。また、外スタジオでのレコーディングやツアー先でも作業できるのがありがたいですね。昨今は、外ではラップトップの音声出力で曲作りをする人も多いですが、やはりオーディオI/Oを使い、プラグイン環境も同じにした方が、精度の高い作業ができると思います。スタジオはハードウェアのマイクプリやコンプの組み合わせで多彩なサウンドが作れるのが利点ですが、“場所”に縛られるという側面もある。その点Apollo Twin MKIIは、マイクプリからモニター・コントローラーまで1台で完結する潔さがあります」

Profile:ゴンドウトモヒコ

ユーフォニアムとコンピューターを組み合わせた独自のスタイルで活動する音楽家。METAFIVE、anonymass、pupaに参加するほか、YMOなどのサポート・ミュージシャンとしても活躍。レーベル「愚音堂」も主宰する
[愚音堂サイト] http://gooondo.com/artist/gondotomohiko

apollo_Gondou_003

Recent Work

jacket_FIX_ol 『METAHALF』
METAFIVE

ワーナー:WPCL-12456
[メーカー・サイト] http://sp.wmg.jp/metafive/

Apollo Twin MKIIのラインナップと価格

apollo_twin_mkii

Apollo Twin MKII / Solo
オープン・プライス(市場予想価格:79,000円前後)

Apollo Twin MKII / Duo
オープン・プライス(市場予想価格:102,000円前後)

Apollo Twin MKII / Quad
オープン・プライス(市場予想価格:148,000円前後)

なお、Windows専用のApollo Twin USB Duo (Silver)は引き続き販売される。

digimart-bnr

製品ページ

https://hookup.co.jp/products/universal-audio