さらなる進化を遂げたUAD-2プラグイン対応オーディオI/O UNIVERSAL AUDIO Apollo Twin MKII開発者インタビュー

Sound & Recording Magazine編集部／翻訳 Miki Nakayama

精悍なブラックのパネルをまとうApollo Twin MKII。その開発について、UNIVERSAL AUDIOプロダクト・マネージャーのスコット・グレイナー氏に聞いた。

Apollo Twin MKIIは従来のオーディオI/Oの域を超え
あらゆる局面でスタジオ・クオリティのサウンドを提供します

▲ スコット・グレイナー氏（写真中央）

Apollo Twinは発売以降、クリエイターを中心に高い評価を得ました。それと同時に改善点に関するフィードバックも寄せられており、それらは当然ながらApollo Twin MKIIの開発に大きく影響しています。最も多かったのは、“パワフルなQuadモデルを出してほしい”というリクエストでした。あの小さな筐体に４基のSHARCプロセッサーを乗せるのは至難の技で、それが今回の開発において最も苦労したポイントでしたが、何とか実現することができました。

▲Apollo Twin MKIIのQuadモデルにはSHARCプロセッサーが４基搭載され、パワフルなプロセッシングが可能になっている

それと同時に、AD/DAコンバーターも改良しています。私たちは新しいApolloをリリースする際は、その時々の最新のチップを投入するようにしており、これによってApollo Twin MKIIは前モデル以上の低ひずみを実現しました。UAD-2プラグインの効果もより分かりやすくなっているかと思います。

トークバック・マイクの追加も、ユーザーからのフィードバックを反映したものです。Consoleソフトの最新バージョンにはトークバック専用のチャンネルが設けられており、ThunderboltによるApolloネットワーク（４基までカスケード接続が可能）内にある、ほかのI/Oにマイクの音声を送ることができます。また、同様にConsoleソフトの設定で、このマイクからの音声をDAWに録音することもできます。インスピレーションが突然浮かんだ場合でも、その瞬間を記録できるのです。

▲Consoleソフトウェアの最新バージョンにはトークバック専用のチャンネルを装備。Apolloネットワーク内で自在にルーティングできるほか、このマイクの音声をDAWに録音することもできる

ApolloはThunderboltの潤沢なバンド幅の恩恵を受けてきた製品です。現在はMacもWindowsも同じUSB-C端子でThunderbolt 3が提供されるようになりました。USB-Cの変換コネクターは次第に増えてきていますし、Apollo Twin MKIIはThunderbolt 1/2にも対応していますので、ユーザーの環境に合わせて選んでもらえればいい。要望の多かったバス・パワーでの駆動にはまだ対応していませんが、USB-C接続でのパワー・マネージメントはまだ新しく、コンピューター・メーカーも最適なソリューションを模索している最中です。私たちは今後も、電源供給に関するThunderboltテクノロジーが成熟するのを見守っていくつもりです。

Apollo Twin MKIIは音楽に携わるすべての人に薦められます。初代Apollo Twinユーザーの多くはクリエイターでしたが、Apollo TwinとUADプラグインをナレーションの収録やビデオ・ブログに活用しているユーザーも、驚くほど多いのです。ほかにライブの現場でリアルタイム・エフェクト・プロセッサーとして使ったり、高品位なDACとして活用しているユーザーもいます。その意味でApollo Twin MKIIは従来のオーディオI/Oの域を超え、音に関するあらゆる局面でスタジオ・クオリティのサウンドを提供するデバイスと言えます。