損していませんか?たった1つの操作でボーカルミックスが良くなる方法 by DJ WILDPARTY

DJ WILDPARTY

 プロがあなたの楽曲にコメントやアドバイスをしてくれる、サンレコWeb会員限定企画『Send & Returnラボ』。一流のミュージシャンや音楽クリエイター/エンジニアが会員読者から送られた楽曲を聴き、具体的なコメントやアドバイスなどをお返しいたします。ゲストにはDJ WILDPARTYを迎え、あなたの楽曲にフィードバックをお戻しします!

今回の応募曲について

  • アーティスト名&曲名:SUPER-VILLANS「DARK HERO」
  • 楽曲コメント:BUZZ_RAN(ラップ担当)がアメコミをこよなく愛しており、「ちょっとダサかっこいいダークヒーロー」が歌詞のテーマ。あえてヴィラン(悪役)の側面......気持ちの不器用さや本来の優しさを曲にしました。音楽的には、ディスコやファンクの要素に、近年のダンスミュージックに見られる曲展開やアレンジを加えました。またJポップさも演出したかったのであえて音数は多くしましたが、ボーカルを聴きやすくするため、中域帯のアンマスキング処理を工夫しています。
  • お悩み:ボーカルやラップを、オケにうまくミックスするコツを幾つか知りたいです。またこの曲をもっともっと多くの人に聴いてもらえるようにするには、どうすればよいですか?
  • 試聴音源:下記をクリック↓

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※記事におけるアーティスト名や音源については、“非公開”でも対応可能です。

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ゲストからのフィードバック

ボーカルのダブルはステレオに

 今回頂いた楽曲SUPPER-VILLANS「DARK HERO」は既に非常によくまとまっていて、あまり言うこともないくらいな気がしますが……。お悩み欄にあった<ボーカルやラップを、オケにうまくミックスするコツを幾つか知りたいです>については、個人的には、ハイの処理に気を配るのがいいのかもしれません。

 具体的には、例えばFabFilter Saturn 2のようなマルチバンド・ディストーションを高音部分にうっすらとかけたり、WAVES API 550でハイを1目盛り上げるだけで、ボーカルが無理なく前に出せるため、個人的にはよく使っています。

WAVES API 550は、APIのハードウェアEQをエミュレートしたプラグイン。3バンドEQ仕様のAPI 550A(画像左)と4バンドEQ仕様のAPI 550B(同右)の2つのモデルが含まれている

 またWAVESFACTORY TRACKSPACERや、OEKSOUND SOOTHE2のサイド・チェイン・モードのような帯域処理をしてくれるプラグインを使うことで、よりボーカルが馴染みつつも聴きやすくなります。

WAVESFACTORY TRACKSPACERは、トラック間における周波数の干渉(マスキング)を解消するために設計されたプラグイン。サイド・チェイン入力信号を32の周波数帯域に分割してリアルタイムに解析し、逆のEQカーブを適用して特定の周波数帯域を自動的に抑制することができる

 また、今回思ったのはボーカルのカブせ(ダブル)をもっと分かりやすくステレオで入れた方が、メリハリが生まれたり、音数の多い部分でも存在感が出せるのかなと思います。

SNSでの地道な宣伝が求められる

 2つめのお悩み<もっと多くの人に聴いてもらえるようにするには、どうすればよいですか?>についてですが、さまざまなSNSで“少ししつこいかな?”と思うくらいの告知と、すぐに楽曲が聴ける導線を用意するのが大事なのではないでしょうか。

 自分もよくDJとしてイベント出演した後日に、“●●●●●のイベントに出てたんだ! 行けばよかった〜”と言われることがあります。日々、情報が目まぐるしく流れていくインターネット/SNSにおいて、自分を日頃からフォローしてくれている方たちでも、数が少ない告知では気づいてもらえなかったりするのです。

 そして、それが自分の知らない層にまでリーチするには、もっと多くの機会が必要となってきます。つまり、ビラ配りのようなある意味地道な行動が、SNSにも求められると個人的には思っています!

今回のゲストアドバイザー:DJ WILDPARTY

【Profile】DJ/作編曲家。エレクトロニカ/ブレイクコア/ヒップホップ/アイドルポップ/アニソン/ゲーム音楽/歌謡曲など幅広いジャンルを手掛けることで知られる“ウルトラ・ボーダーレスDJ”。 国内最大級のEDMフェスからラウンジBARまで、クラブシーンのみならずサブカルチャーシーン、アニソン界隈など国内外を問わず幅広く活動している。
最新リリース:DJ WILDPARTY & フロクロ『往復書簡00 - EP』

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