たったコレだけで曲が進化!絶対NGなクラブサウンド制作のミスを防ぐ方法 by DJ WILDPARTY

DJ WILDPARTY

 プロがあなたの楽曲にコメントやアドバイスをしてくれる、サンレコWeb会員限定企画『Send & Returnラボ』。一流のミュージシャンや音楽クリエイター/エンジニアが会員読者から送られた楽曲を聴き、具体的なコメントやアドバイスなどをお返しいたします。ゲストにはDJ WILDPARTYを迎え、あなたの楽曲にフィードバックをお戻しします!

今回の応募曲について

  • アーティスト名&曲名:ぷろくら「サブ・ルミナント / 結月ゆかり 麗」
  • 楽曲コメント:現実と仮想の風景が入り混じるようなイメージで、幻想的かつ目の覚めるようなサウンドを目指しました。 低音のしっかりと効いたシンセサウンドにしたいと思い作りました。 ビートはUK Garageの要素をメインとしつつ、Hyperpop的なサウンドも意識しています。 ボーカロイド楽曲をクラブサウンドとして昇華させることを目指したいと思っています。
  • お悩み:楽曲の展開が単純になってしまいがちで悩んでいます。予想外の音やコード進行をもっと取り入れたいのですが、思い付かずなかなか出来ません。「遊び」の要素をうまく入れるにはどうすればいいかお聞きしたいです。
  • 試聴音源:下記をクリック↓

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※記事におけるアーティスト名や音源については、“非公開”でも対応可能です。

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ゲストからのフィードバック

クラブサウンドではシンプルなコードでも成り立つ

 まず、クラブサウンドを制作する際、ドラムパターンや低音の音作りは非常に重要です。お悩み欄に「予想外の音やコード進行をもっと取り入れたいのですが、思い付かずなかなか出来ません」とありましたが、ドラムパターンや低音の音作りといった部分を少し工夫するだけで、複雑なコード進行を用いなくてもしっかりとした展開を作り出すことができます。

 コードやコード進行に関しては、突飛すぎるものを使用するとメロディとぶつかり、不協和音が生じる可能性があります。そのため基礎をしっかり学び、適切に活用することが必要です。ただし、クラブサウンドでは比較的シンプルなコード進行でも十分成り立つ点が魅力でもあります

 いただいた楽曲についてですが、パーカッションやハイハットが中央で鳴っているため、これらを左右に振り分けたり、「iZotope Ozone Imager」のようなプラグインを使用してステレオイメージを広げることで、ドラム全体の印象を大きく変えることができます。

 一方で、アルペジオ風に鳴っているベースがステレオに広がっており、中心(センター)部分がやや寂しい印象を受けます。この場合、モノラルで鳴らすようなサブベースを追加するのが効果的です。

 クラブサウンドの土台となる音をしっかりと作り込むことで、現状の展開でも楽曲の印象が大きく向上します。そのうえでスネアやパーカッションといったドラム隊の音をユニークなものに変更し、それを活用したフィルインを作るなど、次の段階へ進むことができます。

 また、HyperPop(ハイパーポップ)の要素を取り入れたい意図が伝わりますので、関連するサンプルパックを活用するのも有効です。おすすめとして、Spliceにある「Moment」というレーベルのサンプルパックは、独特で面白い音が多く含まれています。さらに、HyperPopやDubstepで有名な「Xaev」のサンプルパックも魅力的でおすすめです。

 クラブサウンド制作における基盤を固めつつ、個性的な要素を取り入れることで、さらに魅力的な楽曲に仕上げることができるでしょう。

今回のゲストアドバイザー:DJ WILDPARTY

【Profile】DJ/作編曲家。エレクトロニカ/ブレイクコア/ヒップホップ/アイドルポップ/アニソン/ゲーム音楽/歌謡曲など幅広いジャンルを手掛けることで知られる“ウルトラ・ボーダーレスDJ”。 国内最大級のEDMフェスからラウンジBARまで、クラブシーンのみならずサブカルチャーシーン、アニソン界隈など国内外を問わず幅広く活動している。
最新リリース:DJ WILDPARTY & フロクロ『往復書簡00 - EP』

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