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音楽理論は不要?プロが教えるメロディ作りに生かすコツ|メロディの作り方講座 by 和田昌哉 vol.3

メロディの作り方講座 by 和田昌哉

 この連載では、BTSからEXILE、CHEMISTRY、May.Jといったアーティストの楽曲に携わった経験を持つシンガーであり作詞/作曲/編曲家の和田昌哉が、メロディ作りに役立つ知識を一問一答形式で分かりやすくお伝えします。

【質問】メロディを作る際、音楽理論は必要ですか?

【回答】音楽理論は、あくまで手段の一つ。ただしメロディの広がりや生かし方に役立つなど、プラスになることは多いです。

【解説】

 メロディをはじめ、音楽を作っていると“こうやりたいのにできない”と感じる瞬間は、誰にでも訪れるもの。そんな壁を乗り越えるのに手助けになるのが音楽理論かもしれません。とはいえ、最初から理論を詰め込む必要はありません。むしろ、既に自分で満足できる曲を作れているなら、必要性を感じたタイミングで補うように取り入れるのがいいかも

 もし、自分の癖でメロディがどれも似たような展開になってしまう場合、音楽理論を少し知るだけでそのマンネリを打破できることがあります。シンプルなメロディでもコードを変えることで響きが変わるなど、メロディを変えずに曲の印象を変えることができます。

 具体的な例を挙げるとすれば、自分の好きな曲から新しいコード進行やアプローチを取り入れてみるのはどうでしょう。ハーモニーの中の1音が変わるだけで音の世界観は変わります。音の違いを意識&比較し、“どの音の組み合わせが自分の思い描く世界を表現しているか”を考える。そうすることで、自分らしさを保ちながらも音楽の幅が広がってゆくはずです。

 音楽理論は、自分の引き出しを増やすためのツールの一つ。だから、そのツールに振り回されないことも大事です。理論を盲信するあまり、かえって個性が失われてしまうこともあるため、自分としては必要な部分だけ柔軟に取り入れたり、学んだりすることが大切だと思っています。そうすることで、アーティストとしての個性を深めつつ、音楽の可能性を広げていけるでしょう。

【補足コメント】

 音楽理論を学んでいくと、“自分が経験的に知っているアレは、音楽理論ではこう言うのか……”と気づくことが多いです。そして、ここまで偉そうに書いた割には僕自身、音楽理論についてそこまで詳しくはないんです。すみません!(笑)。

講師:和田昌哉

【PROFILE】Instagram & X:@masayawada

作詞作曲からアレンジ/ボーカル/プロデュース/レコーディング/ミキシングまで自ら手掛ける音楽的センスと深い知識を持ち、“創る才能”と“表現する才能”を併せ持つ稀有なボーカリスト。ソロアーティストとしてAvex Rhythmzoneからアルバム3枚、シングル3枚をリリース。また、XChange、Fixional Cities、Groove Nomad Orchestraのヴォーカルとしても活動している。ソロデビュー前から数多くの作品に作詞/作曲/ボーカル・プロデューサーとして関わり、R&Bをルーツにしたその音楽性は、普遍的なポップスとして幅広い層に受け入れられている。EXILE TRIBE(EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS/GENERATIONS/THE RAMPAGE/FANTASTICSなど)やNissy(西島隆弘)への楽曲提供を行うほか、ボーカル・ディレクターとしても活躍。CHEMISTRYのデビュー時やMay J.「Let It Go 〜ありのままで〜」、BTSをはじめとする韓流アーティストの作品にも多く携わっている。

 

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